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地上の月が沈む頃
旧地獄の橋の上にただ一人
少女が立っていた
水橋パルスィ
嫉妬心を操る妖怪
見下ろせば橋の向こうには
笑い声と灯り_____
地底の酒場に集う地霊殿の住人たち
「どうせ、誰も私なんて見ていない……」
誰もが誰かを羨み誰かに嫉妬しているというのに
彼女の嫉妬だけは誰にも理解されない
彼女の心は静かにしかし確実に膨らむ
” 無間の感情”
に満ちていた
そんなある晩______
橋を渡る音
地底で珍しい革のブーツのような音
現れたのは地上から来た旅人だった