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「陛下はわたくしが望むものを喜んで与えると約束してくださいました。感無量でございます。それが与えられるなら、死んでも悔いはありません」 おまえに悔いはなくとも、余にはありまくりだ。犯られるくらいなら殺るか?
そう思ったとき、小屋のドアが乱暴に開けられた。ドタドタと乗り込んできたのは味方ではなく、ブラッキーと反乱兵たちだった。
「あと少しだったのに……」
「残念だったな。転生して再会できたら約束を果たしてやろうぞ」
「絶対に再会してみせます!」
反乱兵たちが一斉に射撃してきた。余とマコティーが絶命したのはほぼ同時だった――
「……………………」
「わたくしがどれだけ陛下を敬愛していたか思い出していただけましたか」
犯りたくてたまらないという気持ちを敬愛とは言わない。余は後悔していた。さっき公園の人目につかない場所にいたときに殺っておけばよかった、と。
「ネロンパトラ、おまえを売春の容疑で補導する」
ただでさえ面倒なときにさらに面倒な男が現れた。警察官の海瀬世羅だ。世羅は余に殺意を抱く勇者セランティウスが転生した姿。
「絶対に何かやらかすと思って尾行して正解だった。できればもっと重大な犯罪で捕まえたかったが」
女子高生の余がラブホテルの前で年上の男らしき人物といるのを見て、援助交際だと決めつけているらしい。短髪に黒服とおじさんっぽい格好をしているが、そもそもマコティーは女だ。
「世羅は余のことが全然分かってないな。たかが金のために余が体を売るわけがないだろう。どうしても金がほしければ、警察に泣きつけないワケありなならず者を探して痛めつければ、こっちから何も言わなくても全財産を差し出してくるに決まっているのだから」
「言ってる内容はいかれてるが、筋道は通っている」
世羅が苦虫をかみつぶしたような表情になった。それにしても世羅と同じセリフを前にも誰かに言われた気がする。誰だったかな?