2話目です!
続き見てくださってありがとうございます!
予定では5話くらいで収めるつもりですら!
コメントも頂けると嬉しいです!
それではお楽しみください。
店の中を見ると女性がたくさんだ。奥の方を見ると4人ほどの女性と……ふわっちだ。ふわっちはこの店のNo.1ホストらしい。
俺は席に案内されると緊張しながら待っていた。もちろん指名はふわっちだ。女装の俺が相手にされるかな。そんなことを考えていると向こうからふわっちが歩いていてきた。
「姫、はじめまして。不破湊と申します。お名前教えてくれる?」
名刺を渡しながらあの綺麗な笑顔を向けてくる。俺ってバレてしまうのが怖くて目を合わせることが出来ない。
「あ、えっとあき……あきです!」
「……あきちゃん?いい名前だね。店に来るのは初めて?」
「あ、はぃ。」
緊張で小声になる。上手く女声出せてるかな。少し会話し酒を注文した。いつもと違うふわっちに緊張しながら酒を飲む。会話は全てふわっちがリードしてくれる。少し話が盛り上がり、ちょっと楽しくなってきたというところで、
「不破さん!」
ふわっちが呼ばれる。次の指名が入ったそうだ。まだ話したかったんだけどな。
「やっぱ人気だなぁ。」
「湊さんこの店のNo.1ですもん。あ、不破さんが来るまで担当させていただくJINって言います。良ければタメ口でもいい?」
もうタメ口やんとか思いつつ笑顔で「いいですよ。」と答える。
「ありがと〜。名前なんて言うの?」
「あきです。」
「あきちゃんか〜。あきって呼んでもいい?俺のことは好きに呼んで。」
「じゃあJINさんで。」
と苦笑いしながら言う。ホストにもいろんなタイプがいるんだな。チラッと隣の席を見るとふわっちが楽しそうに笑っている。少しモヤッとする気持ちを抑えながら会話に集中する。
「え〜JINさんはないでしょ。せめてJINくんね。てかあきって学生?ちょー若く見えるんだけど。」
「あ、大学生です。やっぱ大学生ってあんま来ないんですか?」
「ん〜、多くはないけど最近は湊さん指名する学生が増えてるかな。あきもその1人でしょ?」
「……まあそうですね。今日が初めてですけど。」
「じゃあ湊さんについてあんまり知らないんだ?」
……。確かに俺、ホストのふわっちについては何も知らないな。他の客はみんな知ってるだろうに。知りたい。
「そうですね……。あの、湊さんについてなんでもいいんで教えてくれませんか?」
「……。いいけど、お酒入れて欲しいな?」
ニコニコしながらJINくんがいう。こいつちゃっかりしてんなとか思いつつ、ふわっちについてもっと知りたくて酒を注文した。JINくんからはふわっちについていろいろ教えてもらった。どれもふわっちの良いエピソードばかりでとても楽しかった。
「まあ今日はこのくらいかな。また次もお酒入れてほしいな。」
キラキラした眼差しでJINがいう。
「はいはい。JINくんにも入れてあげるね。」
こいつすごい良い奴じゃん。JINくんは思ってたより面白い人で30分程度ですごい仲良くなった。
「JIN、ありがとう。もういいよ。あきちゃん、待たせてごめんね。」
向こうの席から戻ってきた湊はJINと交代し俺の隣に座った。
「…お酒も入れたんだ。」
「あ、はい。JINくんから入れて欲しいって言われて。」
「……そっか。あきちゃん俺も入れて欲しいな?」
上目遣いでふわっちがお願いする。かわいい。そんなん入れるしかないじゃん。お酒を頼みしばらく話した。お店に入って2時間くらい経過していた。途中何回かふわっちが抜けたものの、久しぶりにふわっちと話せて楽しかった。
「そろそろ帰りますね。また来ます。」
「今日ありがとう。また指名よろしくね。」
ふわっちが笑う。俺は店を出た。財布を見るとほとんどお金が残っていなかった。
「あれは入れちゃうよな。」
つい酒を入れてしまうのはこういう気持ちなんだろう。初めて女の子達の気持ちが分かった気がする。
不破side
今日もお店に出勤し、スーツに着替える。
「湊くん。今日もよろしくね。期待してるよ。」
「はい。」
ホストの仕事は楽しいけど、疲れる。最近働きっぱなしだ。
「明那と全然遊べてないな。」
今日も明那にメッセージを送る。早く明那に会いたい。
「湊さん!指名入りました!」
また接客が始まる。エナジードリンクを飲み干し、笑顔で客の元に向かう。
「今日はシャンパンいれちゃおっかな〜♡」
「シャンパン入りましたー!」
鳴り響くシャンパンコール。笑顔をでシャンパンを飲む。
「るかちゃん、ありがとう〜。」
さらに次々酒が頼まれた。今日は勢いすごいな。
「不破さん!指名入りました!」
席へ向かうと、初めて見る女の子がいた。
「姫、初めてまして。不破湊と申します。名前おしえてくれる?」
この客はどんな人だろう。めんどくさい人じゃないといいけど。
「あ、えっとあき、……あきです!」
……。明那?
聞き馴染みのある声。声を高くしているが間違いない。明那だ。明那がなんでここに居る?戸惑いながらも笑顔は崩さない。
「……あきちゃん?いい名前だね。店に来るのは初めて?」
あき…か。正体を言う気はないようだ。顔が見たい。明那はずっと下を向いている。
「あ、はぃ。」
自信なさげな声。正体がバレるのが怖いのか?
「ほら、顔を上げて。今日は楽しんでね。」
明那が顔を上げる。しっかりしたメイク。まるで別人だ。見た目では明那とは分からない。明那にはホストの俺あんま見せたくなかったんだけどな。
「不破さん!」
また指名が入った。もっと明那と話したいのに。
「姫、お待たせ。今日も来てくれてありがとね。」
「湊くん!会いたかった〜!」
チラッと明那の方を見る。楽しそうに笑っている。少し胸糞悪い。
「JIN、ありがと。もういいよ。あきちゃん待たせてごめんね。」
やっと明那の席に戻ると何本か酒がおかれている。
「…酒も入れたんだ。」
「あ、はい。JINくんからいれてほしいって言われて。」
ふーん、入れて欲しいって言われたら誰にでも入れるんだ?
「……そっか。あきちゃん、俺にも入れてほしいな?」
明那は酒を頼む。今日結構頼んでるけどお金大丈夫かな?自分で入れさせておきながら心配する。
「もう帰りますね。また来ます。」
「今日はありがとう。また指名してね。」
なんで明那は女装していたんだろう。今度明那に聞いてみよう。そう思いながら席に戻る。
「さっきの女の子、新しい子?湊人気で心配だな〜。湊の1番は私だよね?」
「もちろん、るかちゃんが1番だよ。」
ここでは嘘をつくのが仕事。
「だよね!湊大好き!ドンペリいれちゃう!」
今日も疲れた。
コメント
1件
やっヤバい いいね押しすぎて画面バグった( ;∀;)