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#転生
高天原ヒロ
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ちぇり~🍒_ずっと低浮
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コメント
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第8話、読み終えました!保健室で目覚めたところから、サクラちゃんを連れて生徒会室に戻る流れ、すごく自然で引き込まれました。特に「誰もサクラちゃんを見ていない」っていう違和感の描き方が秀逸ですね。本来なら主人公が愛されるはずの世界で、全員の視線が玲会長に釘付けになってるギャップがたまらない。律くんの「その子の相手、今じゃなきゃダメ?」の不満顔とか、豪くんが思い出しちゃってるシーンとか、一人ひとりの反応がキャラ立ってて大好きです。続きが気になります!
うっすらと意識が浮上する。
最初に視界へ飛び込んできたのは、白を基調とした見慣れない天井だった。
「……ここ、は……?」
鼻先をかすめる消毒液の匂い。
柔らかなカーテン越しに差し込む夕陽。
(……保健室?)
ぼんやりした頭で状況を理解した、その時だった。
「あっ! 目が覚めた!」
鈴を転がすような愛らしい声が耳に飛び込んできた。
顔を向けた私は、思わず固まる。
ふわりと揺れる桃色の髪。
同じ色をした大きな瞳。
小柄で華奢な身体と、見る者を安心させる柔らかな笑顔。
そして何より、その圧倒的な透明感。
(うわぁぁっ!?)
脳内の限界オタクが絶叫した。
(本物のサクラちゃん!!)
『恋エグ』本来の主人公。
全攻略対象から愛される、王道ヒロイン。
(かわいい……! 浄化される……!)
「会長、大丈夫ですか?」
サクラが心配そうに身を乗り出す。
「生徒会室で倒れたって聞いて……。クラスメイトとして、放っておけなくて……。」
不安そうに揺れる瞳に健気な声音は、まさしく王道ヒロインそのもの。
(尊い……。保護したい……。)
内心では五体投地しながら、私は生徒会長らしく微笑んだ。
「ありがとう、サクラちゃん。付き添ってくれて助かったよ。」
「い、いえっ!」
ぱっと花が咲くような笑顔。
その仕草一つで、周囲の空気まで明るくなる。
(モーション班、本当に仕事しすぎでは……!?)
開発者として思わず拍手を送りたくなる。
そんな私の様子に、サクラは安心したように胸を撫で下ろした。
「よかったぁ……。」
その顔があまりにも嬉しそうで、こちらまで頬が緩む。
「心配してくれてありがとう。もう大丈夫だよ。」
「はいっ!」
元気よく返事をする姿すら可愛い。
(あぁ、この子は……本当に主人公なんだなぁ。)
感慨に浸りながら、私はゆっくりと身体を起こした。
その後――。
すっかり回復した私は、サクラを連れて生徒会室へ向かった。
重厚な扉を開いた瞬間――
「玲!」
「如月!」
「会長!」
「大丈夫でしたか?」
「……平気か?」
一斉に声が飛んできた。
五人全員が立ち上がっている。
その顔には、隠しきれない不安が浮かんでいた。
(あぁ……推し達が優しい……。)
思わず胸が温かくなる。
私は小さく咳払いをした。
「みんな、心配をかけてすまない。体調はもう万全だ。」
安堵した空気が流れる。
そして、私は隣の少女へ目を向けた。
「それと、今日から生徒会の書記を務めることになった――サクラだ。」
「よ、よろしくお願いしますっ!」
サクラがぺこりと頭を下げる。
「新しく書記になりました、サクラですっ!」
両手を胸の前でぎゅっと握る。
「不慣れなところもありますが、一生懸命頑張りますっ!」
きらきらした笑顔のまま、私を見上げた。
「特に、私を誘ってくれた玲会長の足を引っ張らないように、お傍で頑張りますねっ♪」
そう言って、私の両手をぎゅっと握った。
上目遣いに、はにかむ笑顔、小動物のような愛らしさ――完璧だった。
(あー、サクラちゃんの好感度イベントだ。)
懐かしい。実際に見ると……やっぱり可愛い。
(頑張れ頑張れ〜!)
完全に親戚の子を見守るような気持ちで、私は微笑んだ。
――だが。
「…………」
生徒会室の空気が、ぴたりと止まった。
「病み上がりの人間に、随分と遠慮がないんだな。」
冴の静かな声が生徒会室に響いた。
ライトブルーの瞳が、私とサクラの手元へ落ちる。
冷えた視線に、サクラがぴくりと肩を震わせた。
「ねぇ、玲。」
今度は律が制服の裾を引っ張る。
「俺、まだゲームの続き待ってるんだけど。」
じっと見上げてくる。
「その子の相手、今じゃなきゃダメ?」
頬を膨らませた顔は、完全に不満顔だった。
「っ……」
豪が真っ赤になって固まる。
視線の先にあるのは、繋がれた手。
脳裏に蘇るのは――。
『豪が彼氏だったら、幸せだろうなぁ』
「な、なんで俺ばっか思い出すんだよ……!」
頭を抱え始める。
「ふふ。歓迎しますよ、サクラさん。」
絢が優雅に微笑んだ。
「ですが、玲は病み上がりですから……」
するりと、いつの間にか私とサクラの間へ入り込む。
「おねだりはほどほどに、ね?」
にこり。
穏やかな笑顔の奥で、静かな火花が散った。
「おい、会長。」
烈がぶっきらぼうに声をかける。
「体、本当に大丈夫なんだろうな?」
低い声には、隠しきれない心配が滲んでいた。
「無理してんなら言えよ。」
誰も。誰一人として。
新入部員の可憐な少女を見ていなかった。
全員の視線、意識、感情は――
ただ一人、如月玲だけへ向けられていた。
「……え?」
サクラが小さく瞬きをする。
桃色の瞳が、不思議そうに揺れた。
(あれ……?)
困ったように首を傾げる。
(みんな……玲会長のことばっかり見てる……?)
その違和感は、まだ小さなものだった。
本来なら、主人公であるサクラを中心に回るはずだった世界。
けれど確実に――
誰も知らない場所で、少しずつ歯車は噛み合わなくなり始めていた。
◇◇◇◇◇
▶恋エグメモ(初日終了時点)
【白砂 律】=【36/100】(初めてゲームで負けた衝撃で玲への執着が爆発中。)
【神城 豪】=【32/100】(玲の言葉を思い出しては動揺する日々。放っておけない存在になりつつある。)
【黒崎 冴】=【31/100】(玲が倒れたことで強い焦りを覚え、「守るべき存在」として意識し始めている。)
【千早 絢】=【30/100】(デートの約束をきっかけに独占欲が芽生える。)
【鬼塚 烈】=【28/100】(真っ直ぐな賞賛に完全にペースを乱された。気づけば玲を強く意識している。)