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その夜。
こさめは、
すちのベッドへ突っ伏したまま眠ってしまっていた。
泣き疲れて、
そのまま意識が落ちたみたいだった。
すちはそんなこさめの髪を、
静かに撫でていた。
細い指。
少し震える手。
体調は、
正直かなり悪い。
息をするだけで苦しいし、
胸も痛む。
でも。
🍵「……かわいいなぁ」
掠れた声で呟く。
こさめは寝ながら、
小さく眉を寄せた。
きっと夢の中でも、
苦しんでる。
自分のせいで。
その事実が、
すちにはつらかった。
🍵「……ごめんね」
そっと前髪を払う。
こさめは少しだけ身じろぎして、
無意識にすちの服を掴んだ。
離れたくないみたいに。
それだけで、
胸がぎゅっと締め付けられる。
🍵「……俺さ」
誰に言うでもなく、
すちはぽつりと呟く。
🍵「ほんとは、もっと生きたいよ」
その言葉は、
静かな病室へ溶けた。
こさめと水族館行きたい。
一緒にコンビニ行ったり、
くだらないことで笑ったり。
もっと、
普通の恋人みたいなことしたい。
でも。
その未来の代わりに、
こさめが壊れていくのだけは嫌だった。
🍵「……だから」
すちは眠るこさめの額へ、
そっと触れる。
🍵「ちゃんと残って」
掠れた声。
祈るみたいな響きだった。
その時。
こさめがうっすら目を開ける。
🦈「……すち?」
寝ぼけた声。
すちは少し笑った。
🍵「起きちゃった?」
こさめはぼんやりすちを見上げる。
泣いた後みたいに、
目元が赤い。
🦈「……だいじょぶ?」
最初に出た言葉がそれだった。
自分のことより、
すちの心配。
すちは困ったように笑う。
🍵「ほんと、優しいよねぇ‥」
するとこさめは、
半分眠ったまま眉を寄せた。
🦈「こさ、優しくないもん……」
🍵「え?」
🦈「こさめ、いっぱい渡したいって思っちゃうし……」
その声が弱々しくて、
すちは胸が痛くなる。
でも。
すちはそっと、
こさめの手を握った。
🍵「思うだけならいいよ」
こさめが瞬きをする。
すちは優しく笑った。
🍵「我慢してくれてるの、知ってるから」
🍵「こさめちゃんは偉くて、優しいんだよ」
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