「君がいれば」
一つの教室に複数の声が響いていた。男が二人、女が三人と言うところか、男と女のグループは笑いを堪えることを知らず、いつまでもいつまでも響いていた。
そんな男と女の声を一人の少年が盗み聞きしていた。彼の名は、伊野道和也ただの高校2年生である。なぜ、盗み聞きをしていたかと言われれば、ただ単に教室に忘れ物をしたので、取りに来たら、5人の陽キャグループが楽しそうに話していたので入ろうとも入れず、オロオロしていたのである。しばらく待っていると、5人が教室から出てきた。少年は小さく溜息をつき教室に入った後、忘れ物をとって教室から出た。そして、もう一度、小さい溜息をついた後、早足で、学校を去った。そして駅に着き、電車に乗って席に座り、小さく揺られながらまた溜息をつく。もうこれで何回目だろうか。こんな何も変わらず、つまらない毎日を過ごすことで自分には何があると言うのか。全てはあの日から変わってしまったのだ。自分の楽しい毎日は1年前のあのクリスマスに。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!