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みこと視点
教室の扉を開けかけた時だった。
🦈『……でも好きだし』
ぴたり、と手が止まる。
聞こえた声に、心臓が大きく鳴った。
……こさめちゃん。
扉の向こうでは、なつくんたちの笑い声が響いている。
🍍『うわ、素直』
🌸『かわい〜』
🦈『やめてぇ……』
こさめちゃんが騒いでる声。
たぶん顔真っ赤なんだろうなって、簡単に想像できた。
……かわいい。
ほんとに。
みことは扉の影にそっと身を隠した。
入るタイミングを逃した、っていうのもある。
でも。
もう少しだけ聞いていたかった。
📢『まぁ、お前はそのままでいいんじゃね』
まにきの声。
📢『変に駆け引きとか絶対向いてねぇし』
🌸『こさめは素直だからかわいい』
らんらんまでそんなことを言っている。
教室の中から笑い声。
その中心にはきっと、こさめちゃんがいる。
みんなに愛されてる。
昔からそうだ。
明るくて、
可愛くて、
まっすぐで。
放っておけない。
だからみんな、こさめちゃんを好きになる。
……俺も。
👑「……はぁ」
小さく息が漏れる。
その時。
🦈『まさか付き合ってる!?』
急にこさめちゃんの大声が聞こえて、みことはびくっと肩を揺らした。
🍍『今さら!?』
🍍『去年の秋』
🦈『長っ!?』
思わず少し笑ってしまう。
ほんと鈍いなぁ。
人の気持ちには敏感なくせに、
自分に向けられる好意には全然気づかない。
……まあ。
俺の気持ちにも、全然気づいてないんだけど。
🍵「……みこちゃん?」
突然、後ろから声がした。
👑「うわっ!?」
驚いて振り返る。
そこにはすちくんが立っていた。
🍵「な、なんでそんな驚くの?」
👑「いや……」
やばい。
絶対怪しい。
すちくんは少し不思議そうに扉を見る。
🍵「入らないの?」
👑「……なんか、タイミング逃しちゃって」
半分本当で、半分嘘。
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するとすちくんは小さく笑った。
🍵「こさめちゃん、また騒いでる?」
👑「うん」
その瞬間。
すちくんの表情がふわっと柔らかくなる。
……あぁ。
その顔。
胸が痛い。
すちくんは本当に、こさめちゃんを大事に思ってる。
でも。
その優しさが恋じゃないことも、なんとなく分かってしまう。
だから苦しい。
🍵「……行こっか」
すちくんが扉に手をかける。
👑「うん」
みことは小さく頷いた。
でも扉が開く直前、
教室の中からまたこさめちゃんの声が聞こえた。
🦈『えぇ〜!? じゃあデートとかしてたの!?』
📢『してたけど』
🦈『うわぁぁぁ!!』
爆発したみたいなリアクション。
すちくんが吹き出す。
みこともつられて笑った。
ほんと、
こういう時間が好きだ。
壊れなければいいのにって思うくらい。
コメント
1件
みこと視点、めっちゃ切ねぇ……。自分の恋心を抱えながら、教室の楽しげな空気に「このままでいてほしい」って願うとことか、すちくんのこさめちゃんへの優しい表情に気づいて胸が痛む描写、解像度エグい。タイトル回収の最後の一文、ジワるなぁ。「壊れなければいいのに」って思う気持ち、作ってる側からしたら泣けるでしょ。こさめちゃんの天然なとこも相変わらず可愛くて、この空気感好きすぎる。