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いつもは長く感じる学校の授業。なんだか今日はあっという間だった。きっとそれは、今日私は彰人に告白するからだろう。瑞稀に告白するって伝えてしまった以上、引き返す訳にはいかない。でも…私にとってはじめての挑戦だし、緊張しないことなんてない。

杏 「あぁ…帰りの会が終わる…」

瑞稀「杏、大丈夫だって!!」

杏 「瑞稀〜明日じゃだめぇ?」

瑞稀「っていってどうせ明日も言わないんでしょ?大丈夫だって杏!!」

杏 「だってアイツのことだし、恋愛なんて興味なしですーって感じじゃん」

瑞稀「いや?そんな事ないかもだよ?」

杏 「あぁ〜…」

きっと言わなかったら後悔する事になる。でも今の私は言わなくていい理由ばっかりを探している。

そんなことを考えていると、もう放課後の時間になってしまった。帰りの支度なんて後にして、私は瑞稀に背中を押してもらい、彰人が居るクラスへと足を運んだ。


彰人のクラスは早く授業が終わったのだろうか。クラスの中は彰人を含め数人しか居なかった。ちょうどいいと思った私は彰人を呼んだ。

杏 「スゥ…ハァ…あ、彰人!!」

彰人「この声は…杏か。なんのようだ?」

杏 「えっ、えっとぉ…その、」

彰人「……なんだよ」

昨日の夜、頑張って練習した告白の言葉。でもいざとなって私は声が出なくなる。

彰人「っ……ハァ…おい」

杏 「…ん?」

彰人「今日放課後空いてるのかよ」

杏 「も、もちろん!!」

彰人「丁度いい。これからお前の店で2人で歌わね?」

杏 「もも、もちろんいいよ!?」

2人で。もちろん嬉しかったし、一緒に歌うのも楽しみって思ったけど、結局言えなかった事に私はなんだかもやもやした気持ちになった。これは…後悔か、な。

彰人「じゃあ帰るぞ。って…お前荷物は?」

杏 「え、あ、まだ支度してない!」

私は急いで教室に戻った。その時、「まったく…アイツ分かりやすいんだよ…」そう聞こえたような気がした。

彰人は昇降口で待ってくれていた。冬弥にも2人で帰ることも伝えてくれていたのだろう。

杏 「彰人お待たせ!」

彰人「おう、じゃあ行くぞ」

昨日みたいに、走って競争とかは言わなかった。だって、喋りたいから。

学校であったこと、テストの愚痴、さっきまでもやもやしていた気持ちはどっかにいってしまったようだ。やっぱり、彰人と一緒にいると楽しい。もう言えなくてもいいから、一緒に居れればいいや…なんて思ってしまうこともあった。

彰人「着いたな」

杏 「そうだね!って、今日店閉じてる!」

彰人「マジかよ…」

杏 「あ、そういえば店今日休むって言ってたな。でも歌いたいなら入っていいぞって言ってた!」

彰人「ん、そゆことならお邪魔させていただこう。」

杏 「おっけ〜よし、じゃあ入っていいよ〜」

少し暗いお店の中。よくよく頭の中で今のことを整理していった。

いや、整理してしまった。つまり…お店には父さんもいない、お客さんもいない、彰人と2人きり…

1人で顔を赤くしていると、彰人が口を開いた。

彰人「歌う前に一回座ろうぜ」

杏 「え?あ、うん…」

テーブル席で、私達は向かい合う形になった。なにこれ…いつも向かい合ってるはずなにに…冬弥とこはねがいないだけでこんなに恥ずかしくなるの!?

杏 「ん、え、えっとぉ…」

彰人「杏、お前さっきなんて言おうとしてたんだよ」

今思えば、彰人は気を遣って2人だけの場所に移動してくれたのかもしれない。それは、告白されるから、とかの意味じゃなくて、私が悩んでいるのかもって事で気を遣ってくれてるのだろうけど…。

私は、今しか言う場面はない、そう思った。

深呼吸して。ゆっくりと。

杏 「あ、あのね?彰人。私の気持ちを聞いてほしいの」

彰人「おう」

杏 「引かれるかもしれない、でも伝えたかったの」

彰人「…」

杏 「彰人、私、彰人の事が好き。本気で、異性として、恋愛として。」

彰人「…」

彰人は何も答えなかった。ただ私を見つめている…。ま、やっぱりダメだよねw

杏 「ごめん、彰人急だったよねw」

彰人「……杏」

杏 「どうした?」

彰人「……本気か?」

杏 「もちろん、本気で。……本当に好きなの、カッコいいって思ったの…。もう引き返せないくらい、好きになっちゃったの…」

彰人「………」

彰人は頬を赤く染めた。でも私だってきっと真っ赤っかだろう。

彰人は何も言わずに立ち上がった。向かい合っていたのが、いつも間にか彰人は私のとなりにきていた。急な至近距離で私は動けず固まっていた。

杏 「…っ//ー」

彰人「俺も…お前のことが好き、だ。」

杏 「え…??」

声が小さくて、あまり聞き取れなかったけど、確かにこう言っていた。

彰人「お前…顔赤けーぞ」

杏 「そういうのは言わなくていいってば…」

それに彰人も赤いじゃんって言おうとしたその口に、彰人の口が重なった。2秒くらいかな…私は理解するのにそれ以上の時間が必要だった。理解して…もうこれ以上に赤くならないくらい顔を赤くした私をみて彰人は笑っていた。


付き合おうとか、お互い言わなかったけど、これをきっかけに私達は付き合う事になった。


背中押してくれてありがと。冬弥、瑞稀。私、今、幸せだよ


END

ハッピーエンドの恋とは?

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