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#実際の人物には関係ありません
#短編
えれめんたる
25
#心のSOS
「お前ら〜あと二ヶ月で進路決定…しなくてもそろそろ決めなきゃだぞー」
中学三年生の9月。それも終わり際。
進路やば〜い。そんな声が飛び交う中。
『あ。もう終わるのか』私はそう思った。
このクラスで初めて会った人もいる。
前のクラスから同じ人もいる。
小学生の頃から同じ人もいる。
なのに。
もう、終わりなんだ。このクラス、この学年で会うのは。
…嫌だな。
ここから先、きっと私はたくさんの出会い別れをする。そんなこと、わかってる。
いったい何番煎じになるだろうか。ってくらいには。
でも。もう、会えない人もいるだろう。高校が離れて、県外に行って、大学も違くて、社会に出て。働く人もいて。
『会わない』
別に、クラスのみんなと、ものすごく仲がいいわけでもない。目立つタイプでもない。
それでも、もう、会わない人もいるかもしれない。会っても、きっとお互い成長している。たかが中学の記憶なんて、もうないかもしれない。
卒業。新しい生活。新しい出会い。たくさんの出来事。中学の思い出が霞むくらいには、鮮烈で、苦くて、甘いような出来事があるはず。
私も忘れるのかな。
大人になるってことは、子供の気持ちを忘れるってことなのかな。
『あの頃に戻りたい』なんて言うけど、そう言った人たちは、今が楽しくないのかな。
それとも、ただ笑い合っていた頃に、単純だった頃に、子供ながらにいっぱい考えていた…あの頃に。ただ戻りたいだけなのかな。
…そうだといいな。それがいい。
戻ることはできないし、進むことしかできない人生。一方通行の人生。
大きくなって、考えが変わって、人が変わって。
性格が変わって、見た目が変わって、まるで始めから、そうだったかのように。
きっと私も、いつかは忘れるこの記憶。
中学生の、思春期の苦楽は、いや、私の思いは、今の私にしかわかれない。わかりやしない。
忘れるその日、その時、その場所まで。
私は胸を張って、中学生でいたい。
寂しいけど、どうしようもないこと。
いつか、再び会えることを願って。
コメント
3件
えれめんたるさん、第1話読みました。 中学卒業を目前にした「終わり」の感覚がとてもリアルに伝わってきましたね。特別仲良くなくても「もう会わない人がいる」って気づき、すごくわかります。あの年頃で「大人になる=子供の気持ちを忘れること?」って問いかける視点が印象的で、胸にぐっときました。続きが気になります!