テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ご本人様には関係ありません
はづき
54
𝕔𝕠𝕔𝕠
6,008
今回はアリス・イン・ワンダーランドのパロディ作品となります!
ふと思いついてしまっただけなので深い理由はありませんが、何だかとてもファンタジーな気分でして…
手探りの中進んでいきますのでお見苦しいところはあるかもしれまさんが、どうぞ暖かい目で見守ってくださいませ…!🫣
そして💛愛されとなります!
大丈夫そうな方は先へお進み下さい!
🩷→勇
💛→仁
深い森の奥、どこまでも続く歪んだ木々の隙間を、仁人はただひたすらに走っていた。
事の始まりはつい数分前のこと。
いつの間にやら迷い込んだ見知らぬ森の中で、仁人は確かに見た。
それは真っ白なウサギの耳を頭につけ、豪奢なフロックコートを纏った勇斗の姿。
あれは確かに勇斗だった。
そう確信して走り去ったその姿を追いかけていた。
仁「勇斗! 何の撮影だよそれ!!待てって!」
そう叫んだものの勇斗には届いているのかいないのか。
そうやって追いかけているうちに仁人は不意に足を滑らせた。
仁「うわっ…!?」
そして底の見えない巨大な穴へと真っ逆さまに落ちていく。
ゆっくりゆっくり。
一体どこまで落ちていくのだろう。
意識が遠のきそうな程に長く落ちていったその先で。
浮遊感の後に視界に飛び込んできたのは現実のものとは思えない光景だった。
仁「は…?なんだここ…」
巨大なキノコが傘を広げ、色鮮やかな喋る花々が意味の通じない歌を合唱している、不条理に満ちた庭園。
仁「こんなの有り得ない…現実なわけない…!勇斗!どこにいるんだよ!!ふざけてないで出て来いって!」
自分の声を反響させるように響く静寂に、仁人はオロオロとあたりを見回す。
その時視界の端に見慣れないものが映った。
ハッとして己の衣服を見下ろせば、いつの間にかフリルがあしらわれた鮮やかな青いアリスの衣装に変わっており、気恥ずかしさと混乱でどうにかなりそうだった。
仁「何これ!?何がどうなって…!」
その時、草むらが大きく揺れた。
ビクッと肩を跳ねさせて身を縮こまらせる仁人。
視線を向けた茂みの奥から、勇斗がぬっと姿を現した。
手には大きな懐中時計。
その姿はやはり真っ白なうさぎの耳を生やし、豪奢なフロックコートを纏っていた。
勇「はぁ、やっとか。仁人、待ちくたびれたんだけど」
仁「勇斗……っ!? いきなり現れて何言ってんだよ! ていうかなんだよその耳、ここどこなんだよ!」
勇「ここは不思議の国。お前は来るべくしてやって来た。ただそれだけだ」
仁「意味が、分からな…」
勇「仁人、お前がこの穴に落ちてくるまで、この国の時計の針は止まってたんだよ。空も白黒で、花も喋らなくて、俺もただ息をしてるだけだった」
仁「はぁ…?」
仁人は戸惑いの表情を浮かべる。
何を言っているのか全く理解出来なかった。
この世界は一体何なのか、どうして自分が来なくてはならなかったのか。
分からないことだらけだった。
そんな仁人を他所に、勇斗は一歩、また一歩と、逃げ道を塞ぐように仁人との距離を詰めていく。
その瞳には暗い情熱と、仁人という光を絶対に手放したくないという狂気がじっとりと宿っていた。
勇「だけど、お前がここに来た瞬間に世界に色がついて、俺の心臓も動き出した。お前がいない世界なんて、俺にとってはただの退屈な死と一緒。お前が俺の時間を動かしたんだ、責任取ってくれるだろ?他の誰でもない俺だけのものになって、この森の中でずっとずっとずっと俺のためだけに笑ってて」
勇斗は躊躇うことなく仁人の前に詰め寄ると、その右手を両手でギュッと包み込むように握り締めた。
仁人が驚いて引っ張ろうとしてもびくともしない。
仁「ッ…!いきなり何…!離せよ!」
勇「嫌だ。絶対に離さない。他の奴らに見つかる前に、俺達だけの場所に……」
勇斗が仁人を抱き寄せ、森の更に奥へ連れ去ろうとしたその瞬間。
周囲の空間がぐにゃりと歪んだ。
カチャン、と陶器が触れ合う不気味な音が響き、目の前の景色が瞬時に変化していく。
周囲の変化に仁人は目を見開き、はくはくと開いた口を閉じることは出来なかった。
勇斗が舌を打った時には既に遅く、二人の行く手を阻むように、巨大な生垣と奇妙なお茶会のテーブルが地面からせり上がってきた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!