「もうやめてくれ…本当に俺は何も知らないんだ…!」
「本当に?」
「本当だ…何も、知ってることはないんだ…」
「嘘じゃないよね?」
「本当だって言っているだろ!」
ここはマジカルシークレット拷問部屋。ただいま拷問中。
「はぁ…」
ザクッ
「うっ…ぐあっ…」
拷問はこれにて終了。なんの情報も得られなかったよう。拷問科教官…鶫はすこし物足りなさそうな顔をする。
「えーと…こいつを持ってきたのは岸さんか…問い詰めなきゃ」
「岸さん。あなた何の情報も持ってない奴を間違えて持ってきたでしょう!?」
「うぇ…あー、間違えたかも」
「最近ずっとそうじゃないですか!ちょっとはしっかりしてくれません?まったく、拷問のしがいがない…!」
「ごめんって…おっと、仕事行かなきゃだ」
「今度こそちゃんと持ってきてくださいね。器具を片付けて、磨いて待ってますから」
「はーい…」
拷問科と掃除科、殺人科などは少し繋がりがある。その繋がりの上で、揉めたりするのもしばしば。特にこの二人。鶫は拷問したいというばかり、岸は相手を敬わず、時々ミスをすることもしばしば。
「まったく…」
「まったくやってらんないなぁ…こちとら拷問するためにここにきてんのに」
「あのー、鶫さーん?」
「はぁ…思いっきり殺したいなぁ」
「あの…」
「ん?」
ようやく振り向いてくれた。それにしても鶫さん、おっかない話してんなぁ…
「あ、蒼さん。何のようですか?私、忙しいんだけど」
「えっと…ひらりさんに伝えたいことがあるって言われたんですけど…」
「ひらり先輩が?なんだろ…ありがと、教えてくれて。蒼さん魔法の練習頑張って〜」
「あ、はい…」
なんだろう。私何か悪いことしたっけ…?思い当たることがない。
「すみませーん、何のお話ですかー?」
「あ、きた。鶫。新しい仕事内容なんだけど…」
「?」
新しい仕事?現場に行かされるのかなぁ…?まぁ、どうでもいいけど。
「実は…彩が、潜入してたことがバレて。まあバレたのが下っ端だったからよかったんだけど…一旦潜入は中止。彩には戻ってもらった。イポクリジーアには、今後潜入は厳しいかも。教官は。で…」
「なんでしょう?」
「その下っ端、もうすぐ岸が連れてくるはずだから、ちょっと拷問して、このことを言ったらどうなるか…体にわからせてあげてね。よろしく」
「…もちろん!ああ、楽しみだなぁ…!」
「じゃ、頑張ってねー」
「はい!」
もう目がキラキラしてきた。やったぁ…!久しぶりに拷問のしがいがありそうだなぁ…!
岸さんが途中で殺してないといいんだけど。
「…えーと。楽しみにしてたところすまないんだけど、間違えて殺しちゃった」
「…なんですって?もう一回言ってみな?」
「だから、その…やっちゃいました…ほんとごめん」
「楽しみにしてたのに…じゃあ代わりに岸さんを拷問しますね?」
「え?」
あぁ、楽しくなりそう!
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