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初めて蒼ちゃんに好きと伝えたあの日の事を
思い出していたら、チャイムが鳴った。
2年生になって初めて聞く音。
ついに2年生になるという期待とともに、
いつの間にか高校に入ってから
1年が経ったんだな、と少し寂しくなる。
ガラガラ、と扉を勢いよく開けて
担任らしき先生が入ってきた。
「蒼ちゃんの席は俺の隣でしょ。」
俺は、俺の椅子に無理やり座っていた
蒼ちゃんを引き剥がして、
隣の蒼ちゃんの席に座らせた。
不服そうにする蒼ちゃんのことは
気にせずに。
「15分後に体育館で始業式をするから、
各自で移動してくださいね。」
担任は少し話をしてから、すぐに
教室を出ていった。
すると、クラスの皆は少しずつ
移動の準備をし始めた。
「り〜ぬくんッ!一緒に行こッ!」
「あ〜、いいよ〜。」
俺は重たい体を持ち上げるようにして
椅子から立ち上がった。
…とても眠い。
あまりにも俺たちが移動し始めるのが
遅かったのか、クラスの皆は
もう居なくなっていた。
「早く行こ〜よ〜…!」
そう言って、蒼ちゃんは俺の服を引っ張る。
他の人がいる時には見せない、
こんなあざといところも可愛い。
廊下を移動中に蒼ちゃんが、
「昨日夜中に電話しちゃってごめんね、
次の日に影響しちゃうのに…」
と謝ってきた。
…ちゃんと反省はしてたんだな。
まぁ、怒ってなんかないんだけどね。
「いいよ、別に。おかげで
蒼ちゃんの寝顔見れたし。」
…
「…はッ…!?」
少し間を空けてから
蒼ちゃんは急に立ち止まって、
びっくりしたような顔をしたと思ったら、
途端に顔を赤くした。
「…そうだ…ビデオつけてたんだった…」
そう。昨日、普通の通話じゃなくて、
ビデオ通話をしていた。
蒼ちゃんがどうしてもしてみたいって
言ったからだ。
それで蒼ちゃんが寝落ちしてしまって、
無防備な可愛い寝顔を見せてくれた。
通話中に寝ちゃうのも、
その事を今まで忘れてたのも…
…可愛いな…俺の彼氏…。
「早く行くよ〜ッ!」
そう言いながら、立ち止まっている
蒼ちゃんの腕を掴んで
体育館に向かった。
NEXT ♡500
ハート達成するの早くないですか…?
物語書くのが追いつかない…w
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