テラーノベル
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この作品はsxxnでnmmnですご本人様は一切関係ございません。
紫緑♀︎
休日の午後は、時間がゆっくり流れる。カーテンの隙間から差し込む光が白い床の上にぼんやりと四角い形を作っている。その光の中で、いるまはソファにだらしなく寝転がっていた。片手にはスマホ。もう片方の手は頭の後ろ。
画面の中では友人が投稿した写真や、どうでもいい短い動画が次々と流れていく。動画のネタになりそうなのねぇかなぁ…
「……はぁ」
小さく息を吐いた。退屈でスマホの画面をスクロールする指が止まる。
理由は分かっている。この家には、もう一人いるからだ。
スマホよりももっと目を引く存在が。ぱたぱた、と軽い足音が近づいてくる。聞き慣れた音。
いるまはスマホを顔の上に乗せたまま、わざと気づいていないふりをした。
「いるまちゃーん」
柔らかい声。やっぱり来た。
「ねぇ、いるまちゃん」
スマホを少しずらして片目だけでそちらを見る。そこに立っていたのはすちだった。
「……」
一瞬思考が止まる。すちは家で過ごすときのラフな格好の上に薄い布を腰の後ろで結んでいた。料理をするときに使うものだ。それがすちの細い体にふんわりと沿っている。
肩の線が妙に華奢で腰の位置がやけに低くて。紐が回っているせいで余計に細さが強調されていた。無防備だった。
「……なに」
思わず声が低くなる。すちはきょとんとした顔で、少し首を傾げた。
「今日の晩御飯、どうする?」
ただ、それだけ。それだけのために来ただけ。なのに。
(なんでそんな格好してんだよ)
心臓が、変にうるさい。
「……」
答えないいるまを、不思議そうに見ている。無自覚だ。自分がどれだけ破壊力のある姿をしているか、全く分かっていない。
「いるまちゃん?」
名前を呼ばれる。その瞬間、胸の奥が妙に熱くなった。
「……すち」
「ん?」
「こっち来て」
「え?」
すちは素直に一歩近づいた。その距離が余計に危ない。紐で結ばれた布が揺れて腰の細さがはっきり分かる。いるまはゆっくり体を起こした。ソファに座り直してすちを見上げる。
「……なにそれ」
「え?」
「その格好」
すちは自分の体を見下ろした。
「あ、これ? ご飯作ろうかなーって思って」
にこっと笑う。その笑顔に胸を締めつける。
(やばい)
可愛い。シンプルに。どうしようもなく。
「……可愛い」
ぽつりと漏れた言葉にすちは目を丸くした。
「え?」
「今日のすち、なんか可愛い」
自分でも驚くくらい素直な言葉だった。いつもならもっと軽く言う。冗談のように、本気じゃないみたいに。でも今は違った。すちは少しだけ照れた顔をして笑った。
「なにそれ」
「いや、まじで」
視線が離せなくなった。細い腕。華奢な肩。無防備な姿をとても守りたくなる。同時に誰にも見せたくない、と思った。
「……なぁ」
手を伸ばす。すちの手首を軽く掴む。細い。簡単に折れてしまいそうなくらい。
「いるまちゃん?」
少し驚いた声。でも、嫌がってはいない。
「他のやつにさ」
「?」
「その格好、見せんなよ」
すちはきょとんとした。
「なんで?」
いるまは笑った。
いつもの軽い笑い。でも、奥は本気だった。
「見せたくねぇから」
一瞬の沈黙。すちの頬が、少し赤くなる。
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るななっち
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るななっち
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「……いるまちゃんって、そういうこと言うんだ」
「言うよ」
指先にすちの体温が伝わり、離したくないと思った。
理由は分からない。ただ。
「好きなやつには」
自然に出た言葉だった。すちは何も言わなかった。ただ、小さく笑う。その笑顔を見た瞬間、胸の奥が強く締めつけられた。今までこんな風に思ったことはなかったのに。
可愛いと思うことはあった。好きだと言うこともあった。
でもこんな風に壊れそうなくらい大事に思ったことは、なかった。
「……すち」
「ん?」
「今日さ」
少しだけ、声が低くなる。
「ずっとここいろよ」
すちは瞬きをした。
「ここ?」
「俺のそば」
言ったあとで自分でも驚いた。こんなことを言うタイプじゃない。縛るのも縛られるのも嫌いだった。なのにすちは少し考えそして
「うん、いいよ」
と、笑った。その瞬間何かが決定的に変わった気がした。
いるまはすちの手を軽く引いた。すちの体がバランスを崩してソファの上に倒れ込む。すぐ近く触れそうな距離で大きな瞳が、まっすぐ見ている。逃げない。そのことが余計に心を揺らす。
「……ほんと、無防備だな」
小さく呟くとすちが少し笑う。
「いるまちゃんだからだよ」
その一言でいとも簡単に心臓が大きく跳ねる。今までどんな言葉よりも一番、効いた。
「……ずるいわ」
「え?」
「そういうこと、普通に言うの」
すちは分かっていない顔をしている。だからこそ余計に惹かれる。いるまはそっとすちの頭に手を乗せた。柔らかい髪の間に指を入れ撫でる。髪が指をすり抜ける。
「……どこにも行くなよ」
小さく言う。すちは優しく笑い、
「行かないよ」
当たり前みたいに言う。その言葉が胸の奥に深く沈む。スマホはもう手の届かない場所に落ちていた。どうでもよかった。画面の中の誰よりもここにいるすちの方がずっと大事だった。
休日の午後。何も特別なことは起きていない。ただ晩御飯を聞きに来ただけ。それだけなのにいるまの世界は確実に変わっていた。ずっと軽いままでいいと思っていた。
でもこの小さな存在だけは軽く扱いたくなかった。
「……すち」
「ん?」
「今日さ」
「なに?」
いるまは笑った。
今度は本当に自然に。
「ずっと一緒にいよ」
すちは少しだけ照れて。
「うん」
と答えた。それだけで十分だった。休日はまだ終わらない。そしてきっとこれからの休日は全部今までよりずっと特別になる。
コメント
19件
わあああ紫緑尊すぎる〜〜!!😭💕💕 いるまちゃんの「他のやつに見せんなよ」とか「ずっとここいろよ」って独占欲がダダ漏れなの、逆に可愛すぎるでしょ!!普段軽い感じなのにすちには本気になっちゃうギャップ萌えがエグい…♡ すちの「いるまちゃんだからだよ」って無意識にズルいこと言うのも、もうずる可愛いよ!!最後の「ずっと一緒にいよ」で心臓持ってかれた、最高でした…🌸✨