テラーノベル
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──────Gれいまり視点──────
ラジコンと視界を共有する。自身の本来の視界がプツンと切れ、残したぬいぐるみの視界が繋がる。小さめのぬいぐるみのため、視線がかなり低いが今は気にしてられない。後からつけたフェルトの羽は上手く機能してくれたようでそのままそのぬいぐるみが空を飛び、まっすぐ上へと向かう。こんなクソ高いビルをぬいぐるみの小さな足で歩いていたら日が暮れる。それに空中で落としてしまったものだから場所は地面の上。尚更歩いてられない。
そんなことを思いつつぬいぐるみは小さな羽で控えめなスピードで空を飛ぶ。何回か飛んで見た事はあるが、やっぱりワクワクする。飛ぶという人智を超えた行為を今、私は行っているのだ。
しかし、その気持ちの高揚感は一瞬で消え去る。──────ふとアジトの窓を覗く。人よりも大きなその窓の内側では凄惨たる真っ赤で染っている。あちこちに人の肉が張り付き、目玉がころがっている。視覚しか共有してないおかげで匂いや、音は聞こえない。初めてリンクできる感覚がひとつで良かったと思う。
やっとのことで私が割って外に出た窓を見つける。ここからそろり、そろりと入り、そして廊下にぬいぐるみの足をつける。右左右────。左右を確認すると、突然体の自由が利かなくなる。一瞬何が起きたか理解できなかったが、すぐにわかった。
──────ガンマスさんだ。ガンマスさんが私のぬいぐるみをつかみ、素早く手繰り寄せたらしい。そのまま素早くガンマスさんとともに部屋の中に入る。
ガンマスさんが自身の耳を何回か叩く。───よく聞け、との事らしい。感覚のリンクを視覚から聴覚へと変える。
ブツっと視界が真っ黒に染まり、代わりにあたりの音は閉ざされ、ぬいぐるみを通じて音を感じる。
「───騙された。私はおそらくそろそろ殺される。」
「!?な、なんで!?」
思わず声を上げる。しかし、私の声はガンマスさんに届くことは無い。何故ならば喋ることは五感に含まれていないから。そう、分かってはいても声を出さずにはいられない。
「あの黒マントのやつにほとんど殺された。しかも正体が───。」
重要な時に、突然肉を貫く音が聞こえた。その後に響いたのは血が勢いよく吹き出す音に、地面にたたきつけられた血の音と、何かがどさっと落ちる音。音だけではわかってしまう。何が起きたのかを。
「…場所特定完了。探知能力使いは『Gれいまり』だ。」
機械音のような音質の声が私の耳につんざくように響く。場所の特定。それはつまり敵に居場所がバレたということ。私は素早くぬいぐるみとのリンクを外し、閉じたままだった目を開ける。
──────そこには、驚きと絶望が入り交じった表情をうかべるレイラーさん。槍によって大きく腹を割かれ、痛々しいほどの血がどくどくと流れている。ざっくりといかれた腹からは少しばかり体内の肉がちらりとこちらを覗いた。
レイラーさんは腹の肉が落ちないように抑えながら、その槍を持つ敵を見つめる。レイラーさんの目に敵意はなく、戸惑いと失意が宿っていた。
そう、目の前にいるのは───純白のローブを羽織った少女。マントの内側は赤色で、人外ハンターの中で最上位のランクを誇っている証。見れば見るほど吸い込まれるようなその深い青の長い髪に浅い海のような、しかし冷たい光をもつ瞳。
そして、極めつけには───その背中からはローブと同じく純白の翼を広げ、頭農園には光輪が浮いている。まるで、おとぎ話に出てくるような天使様だった。私が、希望を祈り、光を求めて願った張本人。会いたいと願ったそのものが今、最悪の形で願いが叶ってしまったらしい。
───逃げなければ。培われた警戒心がそう私に指示をする。レイラーさんを助けたとしてもあの怪我じゃ人間は助からない。助けたって意味が無いのだ。そう、冷徹な判断を下し、私はすぐさまテレポートを発動させようとする。
───その前にめめさんの槍が私の腕を正確に貫きテレポートの魔法陣が腕とともに破かれる。───逃げ道は断たれた。もう、私は逃げられない。つまり死、あるのみだ。しかし、好都合でもある。ここならば情報をありったけ聞けるかもしれない。少しばかりの高揚感と薄れた死への恐怖で頭がおかしくなりそうだ。
「リィ、ダー…?」
レイラーさんがポロリとそう独り言をつぶやく。目からは真珠のような大粒の涙が頬をつたい、悲壮感を彩っていた。
ここの部隊リーダー『めめんともり』は相変わらずの微笑みを浮かべながらレイラーさんの脳天に槍を貫く。その槍の勢いで真後ろに倒れる。頭からはダラダラと血が流れ、槍が頭の後ろからこちらを覗く。貫通した。つまりそれは絶命したことを表す。
「こんにちは。探知系能力のれいまりさん?」
そう言いながら一礼するめめさんは強者のオーラを纏わせ、そして警戒心をとくことは無い。それはつまり不意打ちは不可能ということだ。私がどんな行動をしようと、天使の前ではごまかせない。
理不尽な懺悔の時間が始まる。
ここで切ります!Gルートはそろそろ完結しそうで一安心ですねー。まあ、ほかのルートはあともう2つ?は書きたいのでまだまだれいまり編は続きます。
と、言うことで唐突なイラストターイム。
Gれいまりさんを描きましたー!イメージしやすいように、と言った感じですが。
こんな感じの服きて頑張ってます!あ、ヘッドホンみたいなやつはテレパシー機ですね。我ながらいい笑顔ですねー。うむ、よき。
それとタイトルのイラスト?も変えます!あれいまいちよく分からないと思うので、誰目線かによって見た目変えたいと思います!
てことで、現在れいまり編なのでこちらです!
わ、割といいのでは?加工として彩度あげてみたら思いの外良かったので…。あ、単体もあげときますね
加工無しVer.ですね〜。これもまたかわゆき。加工ありのやつが表紙になります!
あ、もちろんですが無断転載、AI学習、自分発言禁止です!保存する場合は一声かけてくれると嬉しいです!
それでは!おつはる!
コメント
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表紙変わってる!かわいい!
助けたって意味がないってやっぱり最初では考えも出来ないわね…