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猫アレルギー
231
163
まあ
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かえ
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「じゃあ今日は黒木と立花ペアな」
上杉君がさらっと言った。
「え」
「え?」
私と黒木君の声が重なる。
「ちょっと待って」
私が反応する。
「なんで!?」
「調査」
上杉君は即答だった。
「いや雑‼」
「駅前方面、黒木詳しいし」
「そうだけど」
「あと立花、一人危ない」
それを言われると、 何も言い返せない。
「おおー!!!」
若武が急にテンション上がる。
「帰り道イベント!!!」
「ゲームみたいに言うな」
小塚君が呆れる。
「青春だなァ〜!」
中年オヤジかっ!
何よそのしゃべり方は。
「若武うるさい」
美門君が普通に言った。
「アーヤ顔赤いぞ!!!」
「赤くない‼」
「いや赤い」
黒木君まで言ってきた。
「黒木君は黙っていて!」
「ひど」
笑ってる。
なんなのもう。
「じゃ、決定」
上杉君がまとめる。
「俺らは別ルート調べるから」
「忍は?」
「猫いる方行く」
「雑すぎる」
でも忍は普通にうなずいていた。
「今日は白い猫」
「情報がふわふわなんだよなぁ……」
小塚君が遠い目をする。
そんなこんなで。
気づけば。
本当に、 黒木君と二人になっていた。
夕方。
駅前へ向かう道。
なんか気まずい。
いや、 黒木君は普通そうなんだけど。
私だけ落ち着かない。
『俺じゃダメ?』
思い出す。
無理。
顔が熱くなる。
「……アーヤ」
「っ、はい!?」
「なんで敬語なの」
「え」
黒木くんが笑う。
「反応おもしろ」
「……黒木君が変なこと言うから」
「変?」
「変!」
私が言うと。
黒木君は少し考えてから。
「昨日のこと?」
「っ‼」
心臓止まるかと思った。
「……ごめん」
「え?」
「近づきすぎた」
予想外の答えすぎて、 思わず黒木君を見る。
その横顔は、 珍しく少しだけ困ってた。
「嫌だった?」
「えっ」
そんな聞き方ずるい。
「い、嫌じゃ……」
そこまで言って止まる。
すると。
「よかった」
黒木君が、 ふっと笑った。
「でも」
そのまま続ける。
「逃げられるとちょっとへこむ」
「へこむの!?」
「うん」
「なんで!?」
「なんでだろ」
本当にわかってなさそうだった。
でも。
その声、 ちょっとだけ寂しそうで。
ずるい。
黒木君は私がどんな顔していいかわかんないようなこと言うんだ。
駅前に着く。
人が多い。
夕方だから、 学生もかなりいる。
「で、今日は何調べるの?」
「香水」
「香水?」
「美門が言ってたやつ」
黒木君は、 駅前の通りを見る。
「この辺、香水売ってる店いくつかあるから」
「詳しいね」
「サッカー部時代、先輩の付き添い」
「あー……」
なんか想像できる。
「ねえ」
歩きながら、 黒木君が聞いてきた。
「アーヤってさ」
「うん?」
「なんで探偵チーム入ったの」
「え?」
急だった。
「なんでって……」
考える。
最初は、 巻き込まれたみたいな感じだった。
でも。
「……楽しいから、かも」
「ふうん」
「みんな変だけど」
「否定できない」
「でも、なんか居心地いい」
そう言うと。
黒木君が、 少しだけ目を細めた。
「そっか」
その顔。
なんか。
恥ずかしくなるくらい優しかった。
その時。
「……あ」
黒木君が急に止まった。
「え?」
視線の先。
駅前の向こう側。
人混みの中に。
見覚えのある長い髪が見えた。
「あの人……!」
昨日の高校生。
コメント
1件
第16話、読み終わりました!黒木くんと二人きりの調査、いいですね…。『近づきすぎた』って謝るシーン、あれは予想外でした。珍しく困った顔してたのも新鮮で。でも『よかった』って笑うところ、あれはずるいなって思いました(笑) 最後に例の高校生を見つけるとこで終わるのも気になるし、次が待ち遠しいです!