・死ネタ
・メリーバッドエンド?
「……俺は霞柱様の兄です。ですから、
そのような想いはお受けできません」
前みたいな、暑い夏の日だった。
お前とおれが柱と隠に別れてしばらく
立った。
「…どうして?僕はこんなに兄さんの事が
好きなんだよ。」
無一郎は俺のことが好きだ。
俺はお前の兄だから、その気持ちは
受け取れない。でも、きっと俺もお前の事が
好きなんだと思う。
でも、俺たちは結ばれたらいけないんだ。
これ以上、お前に負担なんてかけたくないから。
「有一郎とお呼びください。霞柱」
「…なんでよ、もう兄さんって言うこと
すら許されなくなっちゃったの?」
「貴方と俺ではあまりにも差がありすぎる。
霞柱は柱。俺は隠。それだけでも十分
証拠になるでしょう」
お前は、俺を置いてぐんと成長した。
いつの間にか最終戦別に合格し、1ヶ月後に
柱になったお前にはもう構わない。
なんせ、俺は片腕しかない。
お前と並んで歩けない。それでも俺は、
なんとしてでもお前を守ってやるから。
あの日のように。
「そんなの…あんまりだよ…。敬語ももう
飽きたよ、いつもの兄さんになってよ」
「申し訳ありませんが、そのような無礼な
事はできません」
「兄さんも僕のこと好きなんでしょ、もう
無くさないでよ、」
「……、隠していません。俺は、霞柱の兄
です。そもそも、霞柱が鬼狩りになんて
ならなければ俺はいつもの俺でした。 でも、霞柱が柱になってしまった以上、 この現状は変わりません。」
「…そんな、」
お前は俺の胸に頭を置き、14歳らしい
泣き方で声を上げて泣いた。俺は片腕しか
無い腕でお前を抱きしめあやす。
「…さぁ、霞柱。そろそろ湯あみの時間
です。顔をお上げください」
頭をそっと撫でれば、無一郎は乱暴に顔を
擦って苦しそうな顔をした。
ごめんな。無一郎。こんな顔にさせる兄
なんて選んじゃダメなんだ。
これが、きっと正解なんだ。そうだよな、
母さん、父さん。
無一郎は大きくため息を着いた後、
小さな小声で一言、うん と言った。
「霞柱、上がられましたか。夕御飯の
準備が整っております」
「、うん。」
「どうかなさいましたか?」
「別に。」
無一郎は俺と最低限の話しかしたく無さそう
だった。まぁ当たり前だろう。
こんな会話をしたあとなのだから。
それから、静かな食卓を囲み、何も話さずに
ご飯を食べた。でも、お前の好きな
ふろふき大根を食べた時だけ、一瞬顔が
柔らかくなっていた、気がする。
それからというもの。無一郎はあの会話以来
好きだと愛を伝える事も無かったし、
むしろ俺を避けるようになった。
まるであの日の夏のように、時が止まって
いたんだ。
半年後。無一郎は珍しく大怪我をして
帰ってきた。話を聞いた所、ヘマを
してしまったらしい。
「霞柱!!なぜ蝶屋敷に向かわなかったの
ですか!!」
おれは無一郎の怪我を見た瞬間、血の気が
引いた。こんなに痛そうなのに、無一郎は
痛い表情を浮かばなかった。
いつからお前はそんなに強くなったんだ。
「……。」
「応えろ!無一郎!!」
おれはあの日以来、初めて敬語を捨てて
無一郎に話した。
お前はさっきまで俯いていた顔をばっと
あげれば、気まずそうな顔をしてまた
俯いてしまった。
「……ごめん、なさい」
小さな声で、無一郎は震えながら言った。
「……先に湯あみをしてきてください。
手当はその後です」
「……ん」
無一郎が大怪我をして1人で湯あみ出来ないため、俺は手伝って湯浴みをしてやった。
正直、お前の裸を見るのはダメだな。
俺はお前のことが好きだ。
その想いを俺は見ていないかのように
俺はいつも通り無視をする。
しばらくし湯浴みを終えた後、俺はお前の
手当をした。
「相当痛かったでしょう…。」
「別に。」
「どうして痛くないのですか。」
「………さあね」
曖昧な回答に俺は少々イラつきながらも
俺はお前の兄らしく振舞った。
「あのね。兄さん、後で大切な話があるの 」
「……?」
「ぼく、寝室で待ってるから。兄さんは
準備が出来たら来て」
「わかりました」
おれはなんの事かも分からず、家のことを
全てやり終わったあとに寝室に来た。
「…話を、したいんだ。」
俺の前で滅多にしない正座をしながら、
俺の事を待ってくれていた。
これは相当大事な話だと確信した俺は
お前の前に座り正座をする。
「どうなさいましたか。なんなりと」
「………ごめん。僕、やっぱり兄さんを
諦めきれない」
またこの話か、と思った俺は、多々不機嫌に
なりながらも答えた。
「……言ったでしょう。俺は霞柱とお付き合いは────────────」
「お願いします…」
無一郎は俺の話を遮り、おれの前で膝を
付き土下座をした。
「そんな、!おやめ下さい!!」
「…僕は、あの日から兄さんを頑張って
忘れようとした。この初恋を、無かった
事にしようと、一生懸命努力した。
もうこんな人なんか忘れて別の人と
恋をしようって、半年間ずっと努力して
努力して努力してきた。」
「………、」
「でも、…。やっぱりダメだった。
僕は、兄さんじゃなきゃダメなんだ。
僕だって、兄さんの事なんか忘れたい。
忘れて、ちゃんと生きたい。 でも…
どうしても 忘れられ無いんだ。
……忘れたいのに、いつも兄さんのこと
考えちゃうんだ。 僕もう疲れた。何もかも。 この先どうすればいいのか分からない。 ねぇ、どうすれば 兄さんの事 忘れられるの?
分からないの、 初恋なんて、もう全て
無かったことに したいのに…。
こんな辛い想い、したくない、
もう嫌だ、苦しいよ…。」
無一郎は俺の袖を掴んで、泣きながら
俺に話した。
「…………」
言葉が出なかった。
こんなに無一郎が悩んでいたなんて、
知らなかった。
全部俺のせいなんだ。
「………ごめん」
ただそれだけしか 言えなかった。
…俺も言わなくちゃいけないのか?
本当の気持ちを。この気持ちを解放しても
いいのだろうか。
「…謝罪なんか求めてない。俺はただ、
兄さんの気持ちを知りたい。」
本当に言っていいのか。この気持ちを。
お前をまた、傷つけるかも知れないのに。
もう、この気持ちを伝えてしまえば、
普通の兄弟には戻れない。
でも、これ以上無一郎に辛い思いは
して欲しくない。
俺は俯き、頬が赤らんだまま口を開ける。
「……俺、も、す、き、」
「………!!」
「俺、は…。怖かった、んだ。
この気持ちを伝えてしまえば、何かが
壊れる気がした、から。それに、
付き合って幸せな毎日を過ごして いても
、お前が死んだら、俺、俺は…!! 」
「……じゃあ、もし僕が死んだら兄さんも
一緒に死んでくれる?」
「…………は?」
「兄さんが僕のことを追いかけてくれれば、
二度と離れ離れになる事なんてないよ。
ね、付き合おう。有一郎」
無一郎は俺を押し倒して、真剣な眼差しで
俺を見つめる。
「……っ、分かった。お前が死んだら、
俺も死んでやる。お前がいない世界なんて
考えられない、」
「…兄さん!!」
無一郎はなにかの呪いが解けたように
顔がぱあっと明るくなり、俺の唇を
奪った。
「ん、んむ、ぅ、ぁ」
それからというもの。無一郎は激しかった。
ずっと気持ちを抑えていたからだろう。
今、その反動が来ている。
「ひぁ、ぅ~、っ」
「かわいいね」
「う、ぅるさ………」
俺たちはお互いに身体を許し、朝になるまで
行為を続けた。
12月になり、季節はすっかり冬になった。
その日の夜は雪が降っていて、すごく
寒い冬だった。
「カァーッ!!緊急集合!!緊急集合!!」
俺と無一郎は何気ない話をしていた時。
鉄子が空を飛び周り知らせた。
……俺は一瞬でわかった。コレが
最終決戦だと。無一郎も、ごくりと
喉を鳴らしている。
「……おい、無一郎」
「分かってる。必ず生きて帰るから 」
「約束だぞ、」
「もし死んだら迎えに来てね」
「分かってる。」
「………この世でもう二度と触れれない
かもしれないから。」
と、無一郎は10秒程長いキスをした。
その後俺たちは抱きつき、温もりを
感じた。
「……またね、兄さん」
「……生きて帰れよ。」
その日はまともに寝れなかった。
翌朝になると、隠の人が俺の家に、
いや。無一郎の屋敷に尋ねた。
……どうやら、無一郎は死んでしまった
らしい。
「……霞柱様の遺体は、激しく破損して
いて、対面するのはかなりの勇気が
いりますが、いかが致しましょう。」
「…見ます。最後まで、俺はあいつを
見届けると決めたから。」
俺はその後、遺体を見た瞬間、心臓が
ちぎれそうなくらいに心が痛くなった。
…まさか、そんなにバラバラに
なっているとは思わなかったからだ。
なんでお前はいつも無茶をして一足先に
行ってしまうんだ。
その日の夜。俺は包丁を取りだし、
俺の首に当てた。冷たい。
「………安心しろ、今から行くから」
正直、死と言うものは怖い。
でも、お前に会えるためなら、どんな事でも
勇気が湧いてくるんだ。
俺は目をつぶって、包丁を横にぐさっと
スライドした。
次に目が覚めると、そこは一面、イチョウの
葉で埋め尽くされている所に居た。
「ここは………。」
「兄さん。」
見覚えの声が後ろから聞こえてきた
瞬間、俺は後ろを向いた。
「…無一郎」
「…来てくれてありがとう、死んじゃって
ごめんね。約束したのに」
「……無茶するなよ!!」
俺はお前を見た瞬間、膝を着き泣き喚いた。
「……僕が戦った鬼、上弦の壱だった
んだ。最初は僕一人で戦っていたけど、
その後に玄弥、不死川さん、悲鳴嶼さんも
来てくれた。僕と玄弥は死んじゃった
けど、不死川さんと悲鳴嶼さんは
生き残ったよ。」
「………そんな」
「…正直、僕が居なかったら上弦の壱は
倒せなかったと思う。あの鬼、すごく
強かったから。おかげで左腕も胴体も
斬られてズタボロだよ。それでも僕、
頑張ったんだよ。ねぇ、褒めて」
俺は混乱してる中、いつの間にか右腕が
ある腕でお前の頭を撫でた。
「頑張ったなぁ、」
つー、と涙が溢れる。お互いに抱きつき、
長い時間泣いていた。
落ち着いた後、無一郎と俺はそこら辺を
散歩して話をした。
「ここはね、何かを願えば何かが
出てくるんだ。ご飯も、服も、何もかも。」
「本当にそういうところがあるんだな」
「…きっとこれは、頑張ったご褒美
なんだよ」
「……そうだな」
「転生もできるらしいけど、僕はまだ
兄さんとここにいたい。」
「俺も、。」
「生まれ変わったらさ、学校っていう
所に行って、沢山話して、沢山愛し合って、
何気ない暮らしをしてきたいな」
「…今度こそは、2人で幸せになろう。
もう二度とお前を傷つけたくない」
俺はお前の手を掴んだ。この絆が一生
解けないように。
コメント
3件
マジで泣きかけました、、、、、、
わぁぁぁ相思相愛の2人可愛すぎますぅ😿😿💞💞