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存在感を示すつもりか、指先が内部でくねくねと動く。


その度に有夏の液は飛び散り、腰は崩れる。


「馬鹿がッ、あっ…………さ、ん」


「ん?」


「さん、ぼん……」


幾ヶ瀬の微笑はどう見ても意地の悪いそれへと転ずる。


「まだ2本だよ、有夏。ほら、見て」


つられるように視線を動かした有夏は、そこに自身の屹立したものと、その奥で幾ヶ瀬の指を2本、根本まで呑み込む己の姿を見て慌てて目を逸らせた。


「3本目、挿れるよ……」


「いちいち言うなっ……んあっ! あっ、あっ……んあぁ、ぁぁ」


グチュグチュと厭らしい音をたてながら3本の指を出し入れされて、有夏の腹が激しく波打つ。


「幾ヶ瀬っ、あっ……んんっ、いくせぇ……」


目を潤ませて囁くように何度も名を呼ばれて、幾ヶ瀬からもさすがに余裕が消えていくのが分かる。


ゆっくり指を引き抜くと、もどかし気にズボンを下ろした。


我慢できずに既に白い液体を垂らす先端を有夏の後ろに押し当てると、ゆっくりと内部へ押し入っていった。


「有夏、挿ってくよ……」


「だからっ! いちいち、言うな、って……」


「有夏……顔、見せてよ」


挿入と同時に身を縮め、両手の平で顔を覆ってしまった有夏。

その手首をつかんで引きはがす。


震える腕には最初から力など入っていなかったが。


紅潮した頬を舐めると、潤んだ双眸から耐え切れずに水滴が零れた。

長い睫毛に涙の雫がきらめいている。


「有夏、気持ち良さそう……」


「んんっ……もち、いっ」


真っ赤に染まった耳朶に軽く歯を立てて、それから耳の奥に熱い息を吹き込む。


「有夏、見てよ。俺の……根元まで挿ってる」


「………………っ」


「有夏、今感じたでしょ。有夏のナカ、俺のぎゅって締め付けてきたよ。気持ちいい……あっ、また感じた?」


「ちがっ……」


フルフルと首を振る彼を、この至近距離から愛おし気に見つめる。


「違わないでしょ。有夏、俺のこと好き? あっ……ふふっ、凄い。今、有夏のナカ……俺の咥えて奥に引きずり込もうとしてる……」


「がっ、あ……うぅ」


必死に息を詰めて。

今、口を開けばはしたない嬌声が迸るであろうから。


「ね、自分で分からないの? こんなに……俺の、締め付けて……んっ!」


ゆっくりと腰を引いて、それから激しく奥を貫く──繰り返していた動きが、徐々にスピードを増していく。


「あっ、あっ……んあっ」


もうどちらの喘ぎ声か分からない。


互いの腰の動きと共にいやらしい音が大きくなる。


「んあぁっ、いく……せっ……」


先に有夏が崩れた。


全身をビクリと震わせて、白濁液を幾ヶ瀬の腹に撒き散らす。


「あ、有夏、そんな締めたらっ、俺っも……」


反射的に腰を引こうとした幾ヶ瀬だが、力の抜けた身体は言うことをきいてくれない。


ビクビクと腿の筋肉を引きつらせて、そのまま果てる。




荒い呼吸の下、何度も唇を合わせて。


ベッドと座卓の間の狭いスペースに重なって横たわる。


「はぁっ……駄目だ。有夏、起きて。昼ご飯」


「ひるぅ……?」


のろのろと起き上がった幾ヶ瀬が、置時計を見て慌て出す。


「ヤバイ! 俺、昼休憩終わる! 有夏、ごめん。食べといて」


「は? 幾ヶ瀬?」


急に覚醒した様子で、ズボンをずりあげながら玄関へ。


「幾ヶ瀬? ちょ……どうすんだよ、コレ」


ごめん、の一言で幾ヶ瀬は出て行った。


残された有夏はポカンと玄関の扉を見やる。


「って……台無しじゃねぇか。ほったらかしとか、アリかよ、こんな……」


吐き捨てるように呟く。


だって腹は精液でベトベト。

床も汚れているし、腰は痛い。

あげく鍋は冷めてるわ。


「何コレ、ヤリ逃げ?」


有夏はもう一度扉を睨む。


「クッソ」


今度はもっともっとってせがんで、絶対腰砕けにしてやる。


そう呟いて、冷えた鍋に箸を伸ばしたのだった。



「ランチ休憩に、蜜」【完】




※次回は「アマゾンがくるまで」というお話を公開します※







「アマゾンがくるまで」予告



「ねぇ有夏、一緒に住もうよ」


いつものように部屋でキスをしていると、幾ヶ瀬がそう囁いてくる。

有夏の返事が煮え切らないと、勝手にショックを受けてしまった。


「や、違くて!」


有夏には致命的な欠点があった。

部屋が○○屋敷なのだ。


それに今はそれどころじゃない。

楽しみにしているアマゾンの荷物がそろそろ届く。


「また買ったの!?」


部屋が○○屋敷だと言うのに、更に荷物を増やす気か。

怒った幾ヶ瀬が取り出しのは…。

【改訂版】隣りの2人がイチャついている!

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