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注意
前回言った通りこちらは最終話の先出しです。ネタバレ無理な方はここでUターン。
ここに至るまでの経緯でわんちゃんこの話と会話が変わる可能性があります、それも踏まえて楽しんで頂けたらと….
今回は超短いです。
先出しじゃない方の最終話では小ネタ+を最後に書き留めて置くので今回見た人も多分楽しめると思ってます。ですがわんちゃん楽しめないかもと不安な方もUターンお願いします。
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
ゴウゴウと音を立て鳴いている炎に焼かれている家を見ながら俺は
あぁこれが死に際に見る景色なんて最悪だな。
なんて呑気なことを考えていた。みんな死を悟ったら焦りとかは出てこなくて、一種の諦めのような感情を抱くと思う。
あの日、神隠しにあった老夫婦からこのラストは決まっていたんだと思う。あの段階で全てを置いて逃げていれば村の一人は助かるはずだっただろう。
「まぁ今考えても遅いか…」
どうせ俺もこのまま行けば瓦礫で死ぬか、煙の窒息で死ぬか、燃え尽きるかのどっちかだ。最後になにか飽きない物でも手に入れられたら、良かったのにな。わたあめがそうだったのかも、ならそんなやつを怪しんだ俺への罰なのかもな。
「じゃぁな …..わたあめ」
「見つけた、おはよレオ。」
その声が聞こえた途端腕を引っ張られたかと思うと家の中に居たはずが外に出ており、家の全体が燃えている光景と、室内なら聞こえていなかった泣き叫ぶ赤子の声…それに気づくまでは数秒かかった、だってそれよりもっと驚いてしまうものがあったから。
「怪我ない?レオ…ごめんね、急に引っ張って、でもあんなところ居たらレオが怪我しちゃうかもだったし。あれ腕怪我してんね…後で治療しなきゃ。」
燃える家を背後に俺の手を触ってくる見慣れた男、わたあめは全身を血で真っ赤に汚し俺の青ざめる顔も知らないでぺたぺたと腕を触ってくる。
「おま…なんで…ここに…しかも喋っ…て」
最初の落ち着きは消し飛び、驚きと恐怖で声があまりでない。でも嫌に耳が拾ってくる凪の声と炎のことで頭がいっぱいになり落ち着けと唱えても全く効きやしない。
「ごめんね、やっぱりびっくりさせちゃったね。えっとここの村の人をいっぱい食べたから喋れるようになったし、レオを助けに行くことも出来たんだ。」
「は?」
こいつは何を言っているんだ?なぜそのために村のみんなを殺す必要がある、なんで罪もないみんなが
「ねぇレオ…そんな顔しないでよ。レオは笑ってる時が1番可愛いんだから」
「そういえばレオ、俺の事わたあめって言ってくれたよね。嬉しかったな。でも俺、凪誠志郎って言うんだ。今も気に入ってるけど、1回は名前で呼ばれたいよね。」
こいつは….
「レオ、黙んないでよ。流石の俺でも傷つく。」
「んーそうだ。これから2人で住む家は大きなとこにしよっか。んでそこでいっぱい甘やかしてよ。」
こいつは…神様なんかじゃない。
「だからさこれからもずっと一緒だよ。最期まで…」
化け物だ。
凪が俺の額にコツンと自分の額を合わせると鈴の鳴る音と共に、俺はこいつと離れられないと脳裏までしっかり刻まれたような、そんな気がした。
✂︎——————キリトリ線—————–終わり以下あとがき
これが大まかなラストです。
詫びの品にしては話が薄いですし短くてすみません。先出しじゃない方は多分しっかりしてるので、でも最終話が出るのはこのアホのことだから今年の冬になる可能性も….とりあえず頑張ります。