「わわわわ!?!?マッシュくん!?ランスくんのこと殴っちゃったの!?!?」
すぐ後ろからフィンの驚きの声が響く。
ドット・バレットは何が起こったのかわからないと言った表情で立ち尽くしている。
「ドットくんに絡んでたから…」
「マッシュ、大丈夫だ。心配してくれてありがとよ。ただ急に殴るのはちげぇ…」
「ごめんなさい。」
ドット・バレットに諭され素直に謝ってくる。こいつ、もしかしてすごく素直なのでは…?
そんなことを考えているとドット・バレットがこちらを振り返る。
「で?ランス、何の用だ?」
至極真っ当な疑問。
「…っあ」
“何の用”なんて、特になかった。
ただ俺と同じ土俵に立ってしまうかもしれない野郎の顔を見たかった。それだけだ。
何故俺はフィンと接触した?
何故俺はマッシュにドット・バレットの居場所を聞こうとした?
何故俺はドット・バレットの腕を掴んだ?
こいつらと関わり合いになりたかった訳じゃない。むしろ嫌いなタイプなはずで、視界にも入れたくなくて、
思考がまとまらない。
だから、“何の用”の答えも出ない。
「…すまない。」
それだけ言って立ち去るしかなかった。
あいつに引かれたかな…
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