結局あのまま一日をやり過ごし、今日は気まずい登校日だ。
あいつと関わらなければ気まずいも何もないか。
あっちだって関わりたくないだろう。こんな変なやつと。
教室に着いたが何やら騒がしい。人が群がっている黒板の方を見るとそこには大きく
『授業変更。一限目B組と合同体育』
と書かれていた。
示し合わせたかのようなタイミングでこの仕打ち。
まぁたかが体育だ。すぐに終わるだろう。
ペアもきっとフィン達と組むはずで…
「おいそこのスカシ!!ペア組むぞ、」
体力測定。自分では測れない記録を測るためにペアを組まなければいけない。
なんでわざわざそっちから話しかけてくるんだ。
あと、
「スカシとはなんだ?」
「あ?お前ずっとスカシてっからよ」
なんて単純な理由なんだ。あと俺はスカシているつもりはない。
「いいから、さっさと記録測るぞ」
そう言い腕を引かれる。
触れられた腕が熱い。
こいつ、体温高いな。
そんなことを思いつつ順番に計測していく。
「お前、成績もトップなのに運動も出来んのかよ」
「まぁ、ある程度はな。 」
そんな感じで適当に言葉を並べそれに答える。
そんな会話だったが少し、少しだけ、“心地がいい”
俺たちが全て計測を終えた頃、 授業の終わりを知らせる教師の声が響いた。
「あぁ、もう終わりか…」
そう漏れたドットの目の中には、悲しそうな雰囲気と少しばかりの空色が混ざっていた。気がする。
ドットの目の色はオレンジに近いからそんなはずはない。けれど、そう見えたんだ。その色はまるで、
俺の髪とお揃いだな。
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ちぬ🥺