テラーノベル
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ヒュー、ヒューと荒れていた息が、少しずつ静かなリズムを取り戻していく。
あっきぃがぷりっつの頭を優しくなでながら、耳元でそっと囁いた。
あっきぃ 「……ぷりちゃん、落ち着いた? お部屋、戻る?」
てっきりまたパニックになって部屋へ逃げたがるかと思いきや、ぷりっつはあっきぃの胸に顔をうずめたまま、ゆっくりと……首を横に振った。
あっきぃ 「え……? 戻らないの……?」
意外な反応に、あっきぃはパチパチと目を丸くする。
声は出ない。瞳にはまだ光が戻っておらず、焦点もどこかぼんやりと遠くを泳いでいる。
けれど、今のぷりっつにとって、この風の匂いと、目の前で繰り広げられる「いつも通りのみんな」のくだらないワチャワチャ感は、不思議と嫌なものではなかった。
まぜ太とあっとがココアの甘さについて言い争い、ちぐさとけちゃがそれをクスクス笑いながら煽っている。
そんな何気ない日常の気配と、自分を強く抱きしめてくれているあっきぃの温もりに包まれていることが、傷ついた心にとって何よりの特効薬だった。
驚いているあっきぃの胸元で、ぷりっつがそっと手を動かした。
自分の片方の耳からイヤホンをすっと外し、それをおずおずとあっきぃの耳へと取り付けてあげる。
あっきぃ 「えっ……? ぷりちゃん……?」
そしてイヤホンを外した方の耳を、そっとあっきぃの左胸――心臓があるあたりへとあてがった。
(トクトク……トクトク……)
服越しに伝わってくる、一定の温かい鼓動。
あっきぃ 「あ……っ」
思わぬぷりっつの行動に、あっきぃは体を硬直させて息をのんだ。
ぷりっつはそのまま目を閉じ、あっきぃの胸に頭を預ける。
仲間たちの歌声と、あっきぃの脈打つ命の音。
『ここに居ていいんだ』と教えてくれる確かな生きてる証が、ぷりっつの不安でぐちゃぐちゃだった心を、どこまでも穏やかに満たしていった。
かいり@りぃととペア画中
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コメント
1件
うわあ…この第23話、心臓の音が直接響いてくるような回でしたね。ぷりっつが言葉を介さずにあっきぃの鼓動を聞こうとするシーン、本当に美しかったです。普段の賑やかな仲間たちの「日常」が、傷ついた心にはむしろ特効薬になるという描写も、すごく納得できる。イヤホンを外して「こっちの音を聴いて」って行動に移せるのは、ものすごい信頼の証だなあと感じました。設定好きとしては、ここに至るまでの関係性の積み重ねがちゃんと効いてるな、と。