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第5章:残されたメッセージ
3人は、事件が起きたオフィスの防犯カメラの映像を何度も見返していた。チヒロが画面を拡大し、犯人の不審な動きを解析していく。
「……待って。この犯人の歩き方、どこかで見覚えがない?」
チヒロの言葉に、モミジとトウマが画面をのぞき込んだ。犯人はカメラに顔が映らないよう、深く帽子をかぶっている。しかし、角を曲がるときの独特な歩き方や、ポケットに手を入れる癖が、どうしてもあの人物に重なって見えた。
「まさか……ダイチ……?」
トウマが信じられないといった様子でつぶやく。ダイチは牢屋の中で死んでしまったはずだ。それなのに、なぜ自分たちと同じ手口の事件現場に、彼の影があるのだろうか。
さらに、チヒロが犯人の残していったパソコンのデータを復元すると、画面の隅に1つの小さな暗号文が表示された。
『I・S・T』
それは、かつて4人が使っていた頭文字の並び(いっしょうともだち)を思い起こさせる、彼らだけの秘密のサインだった。
「生きてる……ダイチは生きてるんだ!」
モミジの心に、強い希望の光が灯った。ダイチは自分たちに気づいてほしくて、わざとこのサインを残したのかもしれない。
しかし同時に、なぜ彼が姿を消し、別の人間になりすましているのかという、新たな深い謎が3人の前に立ちはだかるのだった。
第6章:仕組まれた記憶
ダイチが残したメッセージをきっかけに、チヒロは自分たちが高校生の時に犯してしまった事件のデータを、警察のデータベースから必死に探し出した。そして、いくつかの奇妙な共通点を見つけ出す。
「やっぱりおかしいよ。僕たちの事件も、今回の事件も、裏で誰かが糸を引いている。僕たちはただの実行犯として、誰かに操られていたんだ」
チヒロが提示したデータには、正体不明の「指示役」が存在することを示す、奇妙な命令のログ(記録)が残されていた。
モミジは自分の頭に手を当て、あの事件の夜のことを思い出そうとした。しかし、肝心な部分に近づこうとすると、まるで真っ白な霧がかかったように何も思い出せなくなる。
「なあ……俺たち、あの夜のあと、指示役に変な薬を飲まされたんじゃないか?」
トウマが真剣な表情で言った。
その言葉に、モミジもハッとした。ただのショックで忘れたのではない。自分たちの記憶は、あの犯罪のあとに「薬」によって不自然に消されてしまったのだ。
「その指示役を見つければ、僕たちの記憶も、ダイチがなぜ姿を消したのかも、全部わかるはずだ」
モミジは静かに、しかし強く拳を握りしめた。
自分たちの罪を消すために潜入した警察学校、そして捜査一課。しかし今、彼らが立ち向かうべき本当の敵は、警察ではなく、自分たちを闇に突き落とした「見えない指示役」だと確信した。
「いっしょうともだち」の合言葉を胸に、3人の捜査は、物語の核心へと向かっていく。
コメント
1件
ああ、もうもうもう…!読み終わってすぐに感想を伝えたくてたまらなくなりました🤍 防犯カメラの映像でダイチの影が見えた瞬間、背筋がゾッとしました…牢屋で死んだはずの人物が、同じ手口の現場に現れるなんて。「I・S・T」の暗号が「いっしょうともだち」の頭文字だったっていうのが切なくて、思わず胸が熱くなりました。 そして6章で、「記憶を薬で消された」って真相に気づくシーン、すごく丁寧に心理が描かれていて、モミジたちの無念さが手に取るように伝わってきました。指示役という「本当の敵」が見えてきたところで終わる、続きが気になって仕方ないです…!