初バイトの朝
ひろがツナギに着替えていると、クマサンの声が響いた。
「ひろくん。今日から新人が入る。
君には、少しだけカバーするように動いてもらえると助かる。」
ひろは、ベルトを締めながら答えた。
「分かってますよ。」
それ以上、何も聞かずに準備を続ける。
数分後。
恒がロビーに入ってきた。
「おはよう。」
ひろは、ちらっと恒を見てうなずいた。
恒は、ツナギに腕を通しながら言った。
「今日、新人ちゃんの初バイトだな。」
ひろは、工具をしまいながら答えた。
「うん。研修は昨日終わってる。」
恒は、ペットボトルを机に置いて言った。
「どんな感じだった?」
「元気。テンション高め。
でも、ちゃんと話は聞いてた。」
恒は、少しだけ笑った。
「じゃあ、シャケに囲まれて叫ぶタイプか。」
ひろは、静かにうなずいた。
「たぶん。」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!