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それは偶然だった。

道端でへたりこむ明らかに不審な女に声をかけたのはただの気まぐれだったのだけれど。

「おい、あんた。大丈夫か?」

『すみません、少し眩暈がして

これが俺とあいつの出会い。とりあえず病院まで付き添ってそれっきりの、つもりだったんだけどなあ。

『あ、あの時の!』

「あれ?もう体調は良いのか?」

『はい。あの、先日はありがとうございました。よかったらそこの喫茶店でコーヒーでもご馳走させてくれませんか?』

「別に良いのに

なんて言いながら一緒に飲んだブレンドコーヒー。

そこで色々話してるうちに驚くくらい趣味も何もかも気が合ってなあ。そこからは、まあ、あっという間に仲良くなって、付き合うまでもすぐだったな。

だけど、あいつが体弱かったもんだから一緒に出かけたりはほとんどできなくてたいていは家デートだったよwそれもまた楽しかったんだけどな。

体が弱いあいつとの結婚を決めた理由?

うーん、そうだなぁ。

たしかにあいつは体は弱かったよ。でもそのぶん、いや、それ以上に心が強かったんだ。

倒れるたびに迷惑かけてごめんなんて謝ってたけどさ。俺としては全然負担じゃなかったわけ。

それで家で過ごすことになったとしても何やってもあいつが笑わせてくれたし。

一緒にいて楽しかったし面白かったしな。ちょっと天然で、でも誰よりも明るくて、人を笑顔にするのが上手な女だったよ。

そろそろこのへんでいいか?あんまりあいつの前で恥ずかしいこと聞くなよな。


俺は、あいつ妻の仏壇の前で妻そっくりな娘にそう言って笑いかけた。

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