マンションにつくと、入り口で管理人さんが「おや?2人ともいつの間に仲良くなったのかい?明華莉ちゃんもお友達がやっとできてよかったの」
やっと?なんだこのオヤジ?
「うん!ありがとう、じゃあね」
明華莉は、適当にあしらったのか、そそくさと階段に向かった。
「蓮くん、明日はサッカー?」
「あーまだ友達と連絡してないから、わからない。」
「そっか私は秘密基地にいるからいつでもきてね!」
「LINEする、、あ、携帯ないんだったな、明華莉も買ってもらえよ。」
「中学生になったらってお母さんが」
やりとりができないのは、不便だ。俺が不満な顔をしていたからか、
、「あ、いいこと思いついた。天才かも、蓮くんベランダにいて、いいから、はやく」
急いで家に入りベランダにでた。明華莉の家は4階、俺は5階。ちょうど明華莉の上が俺の家だ。
ベランダから下を覗くと特になにもない。??
「ちょっと待ってー。」
??
「できた!蓮くん行くよー、」
すると、白い何かを投げてきた。俺はあやうくおとしそうになったが、すんでのところでキャッチした。
紙コップ?に糸がついていた。
「糸電話か、、」
耳にあてると、
「あーマイクテスト、マイクテスト、蓮くん聞こえますかー?」
以外と糸電話って聞こえやすいんだな。現代社会に教えてやりたい。
「聞こえてるよ。繋がってなきゃ話せないだろ、これ。」
「確かに、じゃあ18時くらいに糸通話しようね。」
勝手に決めると、
「わかった。」
急な沈黙に耐えかねる。糸で繋がっているって、なんか、 変な感じだな。運命の赤い色ではなく白い糸だが。
「なんかさぁ、この糸って、」
お、俺と同じ事をと思ったが、
「さっき読んだ蜘蛛の糸みたいだね。あー、この場合、私が地獄で、蓮が神様か、、」
期待ハズレの回答だ。
「登ってくるなよ」
明華莉ならやりかねないなと思った。
「登らないよー切れちゃう笑」
俺たちは他愛もない会話をして、
「じゃあ、そろそろお母さん帰ってくるから」
「うん、またね、おやすみ。」
結局学校の事聞けなかったなぁ、、明日もあるから、いいか、それか涼太にLINEしておこうかな。