テラーノベル
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今回のことで、更に愛は深まり、
舞は、ようやく《《夫婦》》になれた実感を味わうことが出来た。
結婚した時点で夫婦には、なっていたが、スタートがおかしな関係だったから、ずっと不安で気持ちが追いついていなかった。
友人との別れを経験した亮の涙を見て、こんな時だけど…こんな時だからこそ、舞は、亮を愛おしく思っていた。
亮に求められ、そっと寄り添うこと。
ただ、カラダを重ねるのではなく、ずっとそばに居て、不安な気持ちを支えること。
夫婦は、楽しいことだけじゃなく、悲しみも支え合うということ。
選挙の時も大変だったけど、何も分からないまま走り続け、周りの方々のおかげで、最後は達成感と嬉しさを味わうことが出来た。
それとは、また違って、何があっても、お互いを支えて行こう!
そう思える人なんだ、と夫婦の愛を重く感じることが出来た。
『好き』を封印し、都合の良い関係だったのが、
『好き』だと言って良い。
それが、結婚し『愛してる』に変わり、
上手く言えないけれど、舞の中では、
不安定な『愛してる』だったと思う。
今回のことで、更に亮が愛おしく、
今は、安定した『愛してる』だと思った。
もう、カラダだけなんかじゃない。
亮は、ずっと高校生の頃から変わらず、
『愛してくれている』
舞も、『愛している』
亮を信じる
亮を支える
亮を守りたい
『愛している』そう実感できたから…
それでも、きっと、周りに女の人が居ると、
また、ヤキモチは焼いてしまうだろう。
カッコイイ亮だから、優しい亮だから、
不安は、一生続くのかもしれない。
でも、亮に愛されている♡
ようやく、そう思えるようになった舞。
「亮〜」
「ん?」
「愛してるよ♡」
「お、舞から珍しいなぁ〜」
「なんだか、言いたくなったの」
「そうか…嬉しいなぁ。俺も愛してるよ♡」
今までみたいに軽くなく、
本当に、嬉しい言葉に感じた舞だった。
9月、
舞のお腹は、もう7ヶ月になり前に出て来たようだ。
「少しは、歩いて運動しないとね」
「じゃあ、一緒に散歩がてら、商店街まで歩く?」
「うん、いいね。買い物もしたいし…」
「よし、行こう!」
良いお天気なので、ゆっくりゆっくり、
亮と手を繋いで歩いた。
ただ、それだけのことなのに、舞は嬉しかった。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
気を使ってくれる優しい旦那様に、きゅん♡
ポカポカ暖かかったので、川沿いを歩いて
商店街まで行った。
亮が「ちょっとトイレに行ってくる。舞は?」
「大丈夫、行って来て」
「うん」
「果物を買いたいから、あっちのお店で見てるね。」
「分かった。」
マスカットが美味しそうで…
「いらっしゃい!甘くて美味しいよ〜」
「2人なので、そんなに沢山は食べられないから1房でもいいですか?」
「あ、じゃあ1房で、少しオマケしておくよ。お姉さん綺麗だから…」
「あら〜嬉しい、ありがとうございます。」
「妊婦さんには、フルーツは良いからね〜元気な赤ちゃん産んでもらわないと…」
「はい、ありがとうございます。」
「舞!」
亮が戻って来た。
「マスカット、お安くしてもらったの」
「そうか、良かったな」
「どうもご親切に、ありがとうございます。」
「お姉さん、綺麗だから…」
亮の顔色が変わった!
「どうも!では…」
舞が受け取ろうとしたら、亮が、スッと手を出し、
マスカットを受け取り、舞の手をひいて歩いた。
「あ、ありがとうございました。」
「また、どうぞ〜」
「亮どうしたの?」
「…」
「顔が怖いよ」
「お店の人に愛想なんて振りまかないでいいよ!」
「何?いつもそんなこと言わないのに…」
「…」
川沿いまで行って
「亮!」
しばらくして…
「ごめん…」と、舞を抱きしめた。
「どうしたの?」
「おかしいな、俺…」
「私、何かした?」
「ううん、ごめん、俺が…」
「どうしたの?」
「ヤキモチ焼いた…」
「え?」
舞は、すごく驚いた!
キョトンとした顔をしていると…
「俺がヤキモチ焼いたの!」
「えー!ホントに?」ニヤけた
亮がもじもじしてる
「ふふ、亮〜嬉しい〜♡」
「何、喜んでるんだよ…」
「ふふ、亮〜可愛い〜♡」
「可愛くない!」
「ふふ〜」
「舞がお店のお兄さんと楽しそうに話してたから…」
「そりゃあ〜私は、客だから…値段交渉よ。」
「そうだね…」
「ふふっ、意外〜」
「あー恥ずかしいなぁ〜」
「亮!」ぎゅーっとした
「大丈夫だよ、私には、亮しか居ないよ♡」
「うん」
「ふふ」
以前の関係なら考えられない。
面倒な関係!って言われないように、
ずっと気を使ってたから…
亮がヤキモチを焼いてる!って、素直に言ってくれるなんて…嬉しい
ずっとニヤニヤしてた。
「もう〜舞、いつまでニヤニヤしてるの?帰るよ。」
「うん♡」
帰ったら、また抱きしめてあげよう、と思った。
マンションの玄関に到着
エレベーターを待つ。
ジーっと亮の横顔を見ていたら…
「舞!そんなにジーっと見てたら、穴が開くよ!」
と、笑ってる
「ふふ」
耳元で
「あとで、覚えとけよ!」
「ヤダ、ふふ」ニヤける
エレベーターが来て、25階へ
玄関ドアを開けて中に入ると…
ぎゅーっと後ろから抱きしめられた。
「ふふ、やると思った。手を洗うよ。」
「うん」
「あら、今日は素直」
ニヤっと笑いながら舞の手をひく亮
一緒に手を洗って消毒。
「お腹、出て来たよなぁ〜」
「うん、やっぱり急に目立って来たよね」
そう言って、お腹を気遣いながら、
キスをする亮
「ふふ〜」
「何か言いたげ…」
「ふふ〜嬉しいよ、亮く〜ん♡」
「もう、舞〜!」
「だって、いつも私ばっかり心配して、ヤキモチ焼いてたけど、まさか、亮がそんな風に思ってくれてるなんて…嬉しいもん。」
ニヤニヤが止まらない舞。
「それは…」
「何?」
「気づかれないように、ずっと隠してたんだよ。」
「え?」
「結婚披露宴のあとで、皆んなでカラオケに行った時、テニス部の奴らと話してたのも、気になってたし…」
「えー!ビックリ〜初耳なんですけど〜」
「初めて言ったもん。」
「あ、だから、あの時!カラオケから皆んなが帰る時、田中さんが『舞ちゃん愛してるよ』って言ってくれたら、『俺の奥さんだからな!』って…よく覚えてる!すごく嬉しかったから…でも、酔ってるからかなあ〜って思ってた。」
「舞〜!酔ってる時の方が素直な気持ちが出ちゃうよね〜」
「あ、そうだったんだ。ふふ、亮〜嬉しい〜」
ぎゅーっと抱きしめる
「舞、お腹、赤ちゃん、あはは」
「ふふ」
コメント
2件
亮くんにヤキモチ妬いてもらえると嬉しいよね╰(*´︶`*)╯舞ちゃん