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ふわふわとしたものに包まれている感触がする。暖かくて気持ちが良い。ここ最近味わうことのなかった感触だ。


────あれ?私は何をしていたんだっけ。


そこまで考えて、がばりと起き上がる。────そうだ、銀ちゃんは、今どこに。

どうやら私は豪華な造りのベッドに寝かされていたようだ。部屋には誰もおらず、物音一つもしない。


とりあえず銀ちゃんを探しに行こう。


ベッドから降りるとぎしりと音がした。高級そうなふかふかのカーペットを歩き、部屋の扉を開ける。その頃にはぼんやりと意識を失う前の記憶が思い出されてきていた。

記憶を頼りにすると、恐らくここはポートマフィアのビルの中にある部屋の内の一つなのだろう。だとすれば、上にある部屋を使っている人ほどポートマフィア内での地位が高い。故に、私が目指すべきは上の階だな!

意気揚々と扉を開けると、中也さんが仁王立ちで立っていた。


「オイ、勝手に部屋出て何処に行く心算だァ?丁稚よォ」





「……で?」

「君は部屋を出たときに中也に捕まって、此処まで連れてこられたわけだ」

「………仰る通りです」

「折角君の部屋を与えてあげたのに、此の私の厚意を無駄にするのかい?」

「否、そういうわけでは……。只、銀が心配だった故、探しに行こうとしただけです」

「嗚呼、なるほど。銀ちゃんなら女性の方達に入浴やら着替えやらをさせているよ。もう直ぐ戻ってくるだろうさ」


そういえば、私の着替えは誰が…………?まさか……、いや、違うに決まっている。違うと言ってくれ……!!


「そうそう、君が呑気に寝てる間に入浴と着替えは済ませておいたからね」


デスヨネーーーーーー!!!!!!!


「…………何でそんな照れてるのさ。生娘じゃないんだから、裸を見られたなんて、気にしなくても善いだろう?」


バリバリ心は生娘だよちくしょう!!!!!何でポートマフィアに来て早々こんな思いをしなくちゃいけないんだ!!!……いや、寝てた私が悪かったわごめんな!!!!

悶々とした気持ちを抱え、座っていろ、と指示されたソファーに大人しく座る。ああ、なんてふかふかなんだろう………体が沈む………。


「そういえば、求めるものを聞いていなかったね。私は約束は守るよ。大抵のものなら用意してあげよう」


頬杖をついてこっちを見つめる太宰さん。いやあ、絵になるなあ……。というか、そんな話してたのか。眠すぎて全然聞いてなかった。

……うーん、この質問なあ……。私アニメ見てる時に思ってたんだけど、これって何か試してるのかな??変な答え返した瞬間クビになるとかある?確実に大丈夫な答えは、「生きる意味」だけどね………。正直私は必要ない。今の私の生きる意味は、推しの体を守ることと、銀ちゃんと一緒に過ごすことだ。


「ならば。銀を、……仲間を守る力が欲しい。……与えられるか?」

「嗚呼。与えられる」


こうして私のポートマフィア入りが正式に決まったのだが…………。


風呂に入って新しい服に着替えた私達は、太宰さんと中也さんに連れられて首領の部屋に行くことになった。重厚そうな扉を開け、中に入る。


「善く来てくれたねえ、太宰君、中原君。其の子達が、君の云っていた子達かい?」


ええ、と短く答え、森さんを見つめている。二人の間には何とも言い難い、重い空気が流れていた。


「そうかい。……君達、もっと近くにおいでよ」


森さんに呼ばれ、恐る恐る近付く。その間も厳格な雰囲気は崩れないままだ。怖がる銀ちゃんの手をそっと握り、歩を進める。森さんの所まであと五メートル……、三メートル…………、………一メートル………。


突然浮遊感が私を襲う。気付いたら私は森さんに、銀ちゃんはいつの間にか居た姐さんに抱き上げられていた。いや、本当にいつから居たの????

まあそんなわけで、冒頭に戻る。

幸せは歩いてこないらしいので

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