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朝、大阪のビジネスホテルの一室。トオルは窓から差し込む朝日で目を覚まし、隣のベッドでまだ寝ているユウジを起こす。「おい、ユウジ、起きろって。せっかく大阪来たんだから動こうぜ」。ユウジは眠そうに「もうちょっと…」と呻くが、トオルがカーテンを全開にすると渋々起き上がる。二人はホテルの朝食会場へ向かい、バイキング形式の朝食を取りながらテーブルに座る。トオルが「昨日は疲れて寝ちまったけど、今日から本気でパーツ探しだな」と言うと、ユウジが目を輝かせて提案する。「せっかく大阪来たんだし、昼はパーツ探りつつ、夜は環状線流してみねえ? C1とは違う雰囲気味わいたいだろ」。
朝食後、トオルとユウジは180SXとシルビアで大阪市内を回り始める。書類にあった「関西から関東へ」の手がかりを頼りに、中古車店やガレージを訪ねる。ある店で「緑の180SX? 昔、環状で暴れてた車なら聞いたことあるけど…」と曖昧な情報を得るが、具体的なパーツの所在は掴めない。トオルが「やっぱ簡単には見つからねえか」と肩を落とすと、ユウジが「焦んなよ。昼は探して、夜は楽しもうぜ」と励ます。大阪の街並みや人の活気に、トオルは「東京と全然違うな…」と新鮮な気持ちを抱く。
日が暮れ、二人は大阪環状線へ繰り出す。C1の都会的な直線とトンネルの雰囲気とは異なり、環状線は雑多な街中を抜けるカーブが多く、ネオンや看板が目まぐるしく過ぎる。トオルが「C1と全然違う…なんか落ち着かねえな」と呟くと、ユウジが「これがなにわの走りだよ! 慣れれば楽しいぜ」と笑う。180SXとシルビアが並走し、軽く流していると、後方からけたたましいエンジン音が迫ってくる。
突然、白いEG6シビックとシルバーのCL1アコードユーロRが物凄い勢いで二人の横を抜き去る。VTEC特有の高回転サウンドが夜の環状線に響き渡り、トオルが「何だあの速さ!?」と驚く。ユウジも「シビックとアコード…やべえ奴らだ!」と興奮気味。2台はコーナーでタイヤを鳴らしつつも正確にラインをトレースし、あっという間に視界から消える。トオルが「C1のカイトさんやマイとも違う感じだな…」と呟くと、ユウジが「大阪の走り屋か? すげえ迫力だ」と目を輝かせる。
二人は追いかけるように最寄りのパーキングエリアへ向かう。そこには先ほどのシビックとアコードが停まっており、20代前半の兄弟らしき二人が車から降りて談笑している。兄らしきアコードのドライバーが「おお、東京ナンバーか。環状まで来るとはやるな」と声をかけてくる。トオルが「すげえ走りでした。何者なんですか?」と聞くと、弟らしきアコードのドライバーが「俺らが『なにわのVTEC兄弟』や。大阪環状じゃちょっと知られてるで」と笑う。兄が「名前は俺がタクミ、弟がユウト。お前ら、何しに来たん?」と問う。
トオルが「緑の180SXのパーツを探しに来たんです。昔の帝王の車で…」と説明すると、タクミが「高木ケンジの車か! 環状でも噂になった伝説やな」と反応。ユウトが「その車のパーツなら、大阪の走り屋ネットワークで探せるかもしれんで。俺らも手伝ったるわ」と気さくに提案。トオルとユウジは「マジですか!?」と喜びつつ、「でもお前らの走りにも負けたくねえ」とライバル心を覗かせる。タクミが「ええやん。パーツ探しつつ、環状で勝負やな」と笑う。
トオルとユウジはホテルに戻り、180SXとシルビアを駐車場に停める。トオルが「VTEC兄弟か…大阪にもすげえ奴らがいるな。パーツ探しが面白くなってきた」と呟くと、ユウジが「環状で勝つまで帰れねえな!」と笑う。遠くの環状線の光とVTECの音が響き、新たな仲間兼ライバルとの出会いが次の展開を予感させる。
**桜井トオル**:大阪の環状線でC1との違いに戸惑いつつ、VTEC兄弟との出会いでパーツ探しの希望と新たな挑戦意欲を得る。
**三田ユウジ**:大阪の雰囲気を楽しみ、VTEC兄弟の走りに刺激される。トオルとの旅を盛り上げる。
**なにわのVTEC兄弟(タクミ&ユウト)**:大阪環状線を拠点とする走り屋兄弟。兄タクミはシビックタイプR、弟ユウトはアコードユーロRを駆り、トオルたちに協力とライバル心を示す。