メラ「成敗?
俺様が暴力によって君臨しているのに、なぜなんのお咎めもないのか…」
ジンペイ「え…?」
ジンペイが言葉に詰まったその一瞬の隙に、風のような速さで何かが横を通り抜ける
刹那、苦しそうな声が聞こえる
マタロウ「うッ…ぐ…!」
コマ「な、ナニコレ…!」
アゲハ「ゔ…!」 ← 一応手加減はしてます
ジンペイは、咄嗟に振り返った
つい先程までジンペイの目の前にいた獅子黒が、マタロウとコマの首元を両手で
掴んで持ち上げ、更にアゲハは獅子黒の片足に抑え込まれている
ジンペイ「!!アゲハ!!」
その悲惨な光景にジンペイは悲鳴に近い声を上げる
マタロウ「うッ…自分では手を下さないって事か…!」
コマ「ぐっ…そうみたい…それに此奴、人間じゃないよ…!」
コマの言葉に、ジンペイはハッとする
ジンペイ「まさか!怨霊を子分に!?」
メラ「ほう、気付いたか。俺の舎弟、獅子黒カズマ君だ!
手となり足となり、働いてくれる心強い味方だぜ」
獅子黒は無表情のまま、マタロウとコマを持ち上げ、アゲハを踏んでいる
アゲハは苦し紛れに声を上げる
アゲハ「命令してるのはメラ君だけど、実行してるのは怨霊だから
学校もどがめられないんだ…!」
ジンペイ「だから、俺達の出番って訳か」
アゲハの言葉に頷くと、ジンペイはメラをキッ!と睨み付ける
メラ「おしゃべりの時間はこれまでだ。獅子黒、やれ!」
メラに指示された獅子黒はアゲハをメラの元まで思いきり蹴り飛ばす
バキッという嫌な音が聞こえる
アゲハ「ガッ…!!」
ジンペイ「アゲハ!!」
そのままアゲハはメラに受け止められる
ミノキノヒノヨノ「大丈夫?アゲハ~💦」
あれらの声はみんなには聞こえない
ジンペイ「雷堂メラ!!お前、アゲハに何するつもりだ!!」
ジンペイはメラのことを思いきり睨み付ける
今にも堪忍袋の緒が切れそうだ
メラ「ハッ、特に何もしねえよ。悪いが此奴にはここで大人しく寝ててもらうぜ」
メラは蹴られた衝撃で気を失ったアゲハを床にそっとおろした
そうこうしているうちに獅子黒はマタロウがとコマを思いきり左右に放り投げた
二人は壁にぶつかって床に叩き付けられる
獅子黒は今度はジンペイに襲い掛かる
何倍にも膨れ上がった拳を振り上げ、物凄い風圧が迫るパンチを繰り出す
ジンペイはは攻撃を躱すが、衝撃波で天井に叩き付けられる
床に落下したジンペイはのもとにマタロウとコマが駆け寄る
コマ「大丈夫?」
マタロウ「なんていう威力…それにアゲハさんが…!」
ジンペイ「ぐっ…!」
2人に支えられて起き上がると、イヤーチップからえんら先生の声が聞こえてくる
えんら「ジンペイ君、今こそYSPウォッチを使うときよ!」
ジンペイ「えッ!?いきなり!?」
えんら「トリセツは、君たちのスマホに送っておいたわ」
ジンペイ「見てないってええええッ!!」
ジンペイが全力で突っ込んだのにも関わらず、えんら先生は「見て~ん♡」
とセクシ~な声を残して、呆気なく通信を切られてしまった
コマ「取り合えず、僕がフォローするから!」
ジンペイ「…うーん…やってみっか!アゲハも助けなきゃいけないしな。
メダルをウォッチに入れるんだよな」
コマ「うん!怨霊を呼び出して、戦わせることが出来るらしい」
ジンペイは『バケーラ』のメダルを取り出すとコイントスの様に指で弾く
そして、回りながら落ちてくるメダルをカッコよくキャッチし、
ウォッチにセットする
ワーイ!
ジンペイ「いくぞ!!」
ジンペイは、ベゼルを回す
すると、ウォッチが眩い光を放ち『Y』の形をした針の奥で、
細やかな無数の歯車が回り出す
カモンゴースト!
炎の様に燃え盛るエネルギーが文字盤から溢れ出て、
一瞬、巨大な顔のようなものを作り出す
ジンペイが、腕を天高く突き上げるとウォッから発生したエネルギーが弾け
バケーラが姿を現した
バケーラは、ドシンッ!と重たい音を立てて着地した
バケーラ「バケーラ、参上だド!」
ジンペイ/マタロウ/コマ「「「おお~!」」」
バケーラの登場ぶりに3人は感嘆の声を上げる
メラと獅子黒の表情が僅かに曇る
ジンペイは、早速バケーラに命令する
ジンペイ「バケーラ、そのデカいのと戦うんだ!」
バケーラ「オデ、強いヤツの言うこと、キクー!」
バケーラは、すぐさま戦闘モードに突入し、獅子黒に殴りかかる
だが、獅子黒はまるで瞬間移動をするかのようにパンチを素早く躱すと、
殴り損ねた勢いでよろけたバケーラの後ろへ移動する
獅子黒「こちらからもいく」
まるで機械のような感情が一切籠っていない声でそう言うと、
獅子黒は首を少し動かし、再び姿を消す
バケーラ「!?」
次の瞬間、獅子黒は突然バケーラの目の前に現れ、顔に思いきりパンチを繰り出す
さらに、体にも何発も拳をお見舞いするが、体の柔らかいバケーラは
ただただうねるばかり
「「「ぐあん ぐあん ぐあん ぐあん……」」」
ジンペイ、コマ、マタロウの3人は必死にバケーラを応援するが、
バケーラはその応援に応えられず、グネグネするばかり
ジンペイ「もっと頑張れないのかよ~」
そんなあからさまにバケーラが押されている戦いを見て、ジンペイは肩を落とす
その時、またしてもイヤーチップからえんら先生の声が聞こえてくる
えんら「だったら、次は怨霊を憑依させて変身よ!」
ジンペイ「なんだそれ!?」
えんら「怨霊を取り込んで、あなたの能力と怨霊の妖力で新たな存在になるの」
ジンペイ「…新たな存在か、面白れえ!」
えんら「さあ、今こそ変身メダルを使うのよ!」
ジンペイはニヤリと不敵に笑うと、変身メダルを手に取る
ジンペイ「変身!!」
ワーイ! changeform! ヨウカイヒーロー! ←ここ難しかった…
足元から旋毛風の様に巻き起こった風が、ジンペイを包み込む
ジンペイは、両腕をピンと伸ばし、ポーズを決める
ケンゴウベニマル!
ジンペイがベゼルを回すと、文字盤の『Y』の文字が黄金の光を放ち、大きく浮かび上がる
それと同時にジンペイの体も宙に浮く
ウォッチから怪しい影が立ち上り、ジンペイの背後にバケーラが現れる
すると、バケーラの身がリボンのように細くなり、ジンペイの手足や胴体を 包んでいく
ジンペイが片腕を前に突き出すと、そこに細長い光が出現し、ジンペイの手に握られた
ワーイ! ワーイ! ワイワイワイワイワイワイ…… SP!
桜吹雪の中、ジンペイはカッコよく名乗り上げた
紅丸「赤く染まったこの体、お主の血で更に赤くなる、の巻!」
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