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前回のかえる視点です
「……でさぁ笑」
「んはっ、笑笑」
「何それ笑」
いつものようにとーますと話していた。
別に特別なことじゃない。
昔から一緒にいるし、くだらないことで笑える。
親友でライバルでお互いのことをよく知っている。
だから、俺たちが一緒にいることを周りも当たり前みたいに思っている。
もちろん らーば も。
……そう思ってた。
「ね、北海道旅行行きたいんだけど‼️」
「えー! 本当? じゃあね……こことか?」
「え、めっちゃいいじゃん!」
「だろ?」
スマホを見ながらとーますと旅行の話をする。
楽しい。
普通に楽しい。
でもふと画面の端を見る。
オンライン中のらーば。
さっきから何も話していない。
「……らーば?」
呼びかけても少し間があってから返事が来る。
「俺もう落ちるね」
「おっけー」
「おやすみー」
「ん。おやすみ」
通話が切れる。
俺はしばらく消えたアイコンを見つめていた。
なんだろう。
最近らーばが俺を避けてる気がする。
気のせいだと思いたかった。
でも
『明日会えない?』
送ってみる。
しばらくして返ってきたのは
『ごめん。今日も仕事』
「……そっか」
仕方ない。
仕事なんだから。
分かってる。
俺だって らーば が忙しいのは知ってる。
朝から予定が詰まっていて、帰る頃には日付が変わっていることもある。
だから、わがままを言っちゃいけない。
『そっか! 無理しないでね』
そう送ってスマホを置いた。
翌日
『今日ちょっとでも会えない?』
『ごめん。無理』
また翌日
『仕事終わったら電話しない?』
『今日は帰るの遅いから』
また翌日
『おやすみ』
既読。
返信はない。
「……」
最初は気にしてなかった。
でも、少しずつ怖くなってきた。
俺が連絡する回数を減らしたら、らーばは楽になるんじゃないか。
そんなことを考えてしまう。
だから、少しずつメッセージを減らした。
会いたいと言うのもやめた。
電話したいとも言わなくなった。
……本当は、毎日でも会いたかった。
「らーば、今日何してるかな」
独り言みたいに呟く。
スマホを開く。
らーばとのトーク画面。
最後のメッセージは俺の『おやすみ』。
「……返事くらいしてよ」
小さく笑ってみる。
でも全然笑えなかった。
そんなある日。
ながつきたちと遊んだ。
写真を撮って、何枚かSNSに載せた。
みんなでくだらないことで笑って。
楽しかった。
……でも。
投稿したあと、真っ先に考えたのはらーばのことだった。
「見てくれるかな」
そんなことを考えてしまって自分で笑う。
俺どんだけらーばのこと好きなんだよ。
その夜。
らーばから連絡は来なかった。
「……忙しいんだろうな」
そう思って眠った。
けれど、次の日も。
その次の日も。
何もない。
さすがに心配になった。
電話をかけようとして、やめる。
忙しいって言ってたし。
邪魔したくない。
……でも。
会いたい。
声が聞きたい。
顔が見たい。
ぎゅっとしてほしい。
そんなことを考えているうちに、気づけば俺はらーばの家の前にいた。
「……来ちゃった」
合鍵を握る。
以前らーばがくれたもの。
勝手に入るのはどうかなと思ったけど。
今日はどうしても会いたかった。
部屋に入る。
静かだ。
電気をつける。
そして、帰ってくるのを待った。
何時間経っただろう。
玄関の音がした。
「……!」
立ち上がる。
扉が開く。
そこにいたらーばは、ひどく疲れていた。
「……かえる君?」
俺を見るなり、驚いた顔をする。
「おかえり」
それだけ言う。
本当は
会いたかった。
寂しかった。
なんで連絡くれなかったの。
俺のこと嫌いになった?
そんなことを全部言いたかった。
でも、らーばが疲れているのが分かってしまった。
だから言えない。
「忙しかったみたいだね」
「……んで」
「?」
「なんで優しくするの!?」
突然らーばが声を震わせた。
「かえる君が俺に優しくする度、それに応えない度に俺は……自分が嫌になる」
「……」
そんなこと、考えてたんだ。
俺はらーばが俺を嫌いになったんだと思ってた。
連絡したら迷惑なのかなって。
だから減らした。
会いたいって言わなくなった。
なのに。
「うん。ごめんね」
「なんでかえちゃんが謝るの」
「謝らないといけないのはいつも俺なのに」
「……違うよ」
俺は首を振る。
「俺、ずっとらーばに会いたかった」
言葉にした瞬間、胸が苦しくなった。
「かっこ悪いって思われるかもしれないけど、寂しかった」
らーばが黙る。
そしてぽつりと
「俺も」
「……え?」
「とーますにも、ながつきにも嫉妬してた」
「えぇ?」
思わず声が出た。
だって、
とーますは親友だ。
ながつきたちだって友達。
そんなところに嫉妬してたなんて
ちょっと意外で。
でも。
……嬉しかった。
「おれのかえちゃん、なのにって」
その言葉に胸がいっぱいになる。
ああ。
この人も同じだったんだ。
俺だけじゃなかった。
「うん。そうだよ」
一歩近づく。
「らーばは俺のだし」
少しだけ笑う。
「俺はらーばのものだよ」
らーばが目を見開く。
その顔を見たらなんだか愛しくなった。
「だから無理しないで」
「……」
「寂しかったら、何時でも行くから」
らーばが小さく笑う。
「ありがと」
その声を聞いた瞬間
やっと帰ってきた気がした。
俺が欲しかったのは
たくさんの連絡でも
毎日会うことでもなかった。
ただ。
らーばが俺を必要としてくれているって
分かることだった。
久しぶりに近くにいるらーばは
やっぱり暖かかった。
疲れているはずなのに俺の服を少しだけ掴んで離さない。
「……らーば」
「ん?」
「もう、勝手に一人で我慢しないでね」
「……かえちゃんも」
「うん」
「寂しかったら言って」
「分かった」
しばらくそのままでいる。
言葉なんていらなかった。
ただ隣にいる。
それだけで今までのすれ違いが少しずつほどけていく気がした。
俺はらーばの頭をそっと撫でる。
「おかえり、らーば」
「……ただいま」
その一言が、今までで一番嬉しかった。
かえ×らば end
コメント
4件
かえるくん視点!?最高すぎます、、 かえらば沼りそうでエグいです、、、 もう1回リクエストしてもいいですか、良ければぬいハムととまのじゃやってほしいです!!自分の推しcpでッッ!!時間があるときでいいのでお願いします!
かえる視点、めちゃくちゃ切なかった…!お互い思いやりすぎてすれ違うの、ほんともどかしくて胸がギュッてなった😢らーばが「おれのかえちゃん、なのに」って嫉妬してたの聞けて、かえるの「らーばは俺のだし」にキュン死😭💕最後の「おかえり」「ただいま」で今までの寂しさが全部ほどけた感じがして、読んでるこっちまで温かくなったよ。良すぎて何回も読み返す〜!
とらげ@ゆらゆら🫠
10,724
おれ(レモンゼリー)
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