テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
369
#ご本人様には関係ありません
第4話「なんか、変や」
放課後。
教室に残ってるのは、ほんの数人。
「ぷりちゃん」
「なんや」
名前呼ばれて振り返ると、
やっぱ近い。
「今日、部活ないの?」
「ないけど」
「じゃあ、一緒帰ろ」
いつもみたいな軽い言い方。
「……別にええけど」
そっけなく返すけど、
なんかちょっとだけ、嬉しい。
カバン持って立ち上がると、
当たり前みたいに隣に来るあっきぃ。
「行こ」
「近いねん」
そう言いながらも、
結局そのまま並んで歩く。
人少なくて、静か。
「なあ」
「ん?」
「今日ちょっと静かちゃう?」
「そう?」
こっち見て、少し笑う。
「ぷりちゃんが静かだからじゃない?」
「そんなんちゃうわ」
言いながら、なんとなく視線逸らす。
(なんやろ)
今日はちょっと、
調子狂う。
下駄箱で靴履き替えてると、
後ろから軽く頭触られる。
「……またそれ」
「やだ?」
「……嫌や」
なのに、手はそのまま。
くしゃっと髪いじられて、
少しだけ整えられる。
「はい、できた」
「……何がやねん」
「寝癖、ついてたから」
「ついてへんわ!」
「ついてたもん」
少しだけ顔覗き込まれる。
距離、近い。
「ほら、ここ」
指で軽く触られる。
「っ、触んな!」
反射で少し下がると、
あっきぃはちょっと悲しそうに笑った。
「逃げないでよ」
でも完全には離れない。
そのまま外に出る。
並んで歩く帰り道。
少し風が強くて、
前髪が揺れる。
その瞬間、
また手が伸びてくる。
「ちょ、また——」
軽く前髪押さえられる。
「乱れてる」
「ほっとけや!」
「気になるから」
さらっと言われて、
一瞬止まる。
(なにそれ)
そのまま、
少しだけ近づかれる。
距離、また近い。
「なあ」
「なんや」
「今日さ」
少しだけ間。
「なんか変じゃない?」
「あっきぃがな」
即返す。
でも、あっきぃはちょっとだけ考えてから
「……かも」
「は?」
「なんかさ」
少しだけ視線逸らして、
また戻してくる。
「近いと、ちょっとドキッとする」
「っ……!!」
一気に顔が熱くなる。
「な、何言うてんねん!」
「ほんとに」
いつもみたいに笑ってるのに、
ちょっとだけ違う。
「前からこんなんやろ!」
「うん」
「じゃあ今さらやん!」
「それがさ」
少しだけ笑って、
でもどこか照れたみたいに
「今さらなんだよ」
「……意味わからん」
そっぽ向く。
あっきぃ目がまともにみられない。
(……ドキッとすんのはこっちもや)
ちらっと横見ると、
あっきぃもちょうどこっち見てた。
一瞬、目が合う。
「……」
どっちも何も言わない。
でも、
少しだけ笑って、
「帰るぞ」
「……ん」
そのまま歩き出す。
距離は、さっきよりちょっとだけ近いまま。
触れてないのに、
なんか意識するくらい。
(……なんやねん、これ)
でも、
(……嫌じゃない)
隣を見ると、
あっきぃも少しだけ笑ってた。
コメント
2件
( ゚∀゚):∵グハッ!! やっぱりいつも尊死する
めっちゃ青春してるー!!! 可愛い🥰