テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第4話「そこで入ってくるなよ」
また別の日放課後。
教室には誰もいない。
「……ここ、こうちゃうん」
「どれ」
あっきぃが横から顔を寄せる。
「近いって」
「いいじゃん」
軽く流される。
いつも通り。
でも、
(……なんか違う)
距離は同じなのに、
変に意識する。
ノートに手を伸ばした瞬間、
また手が重なる。
「ちょ、どけ」
「ごめん」
言いながら、指が少し触れたまま。
でも、
(……あったか)
一瞬、意識持ってかれる。
「……ここ、こう」
指でなぞられる。
近い。
手も、距離も。
やっと離れて、
少し距離取る。
そのまま顔上げると、
目が合う。
「……」
なんか、変な間。
逸らせない。
あっきぃが、少しだけ近づいてくる。
「ねぇ」
「……なんや」
声、ちょっと低い。
「今日さ」
また一歩、近い。
(……あかん)
後ろ、机。
下がれない。
「じっとして」
肩を軽く押さえられる。
距離が一気に詰まって近すぎる
「さっきのさ」
「手、離さなかったの」
「……っ」
「なんで?」
「知らんわ」
「ほんとに?」
目、逸らせない。
(なんでや)
「……別に」
それしか言えない。
少しだけ、沈黙。
「……そっか」
あっきぃが小さく言う。
でも、
離れない。
むしろ、さらに近づく。
「でもさ」
声、近い。
「俺は、意味あったかも」
「っ……!」
一気に頭が真っ白になる。
「な、何がやねん」
「なんだと思う?」
顔がほんの少し傾く。
ぐっと近づく。
(……これ、)
息、かかる。
目、閉じるか迷う。
(キス、)
あっきぃの視線が、少しだけ下に落ちる。
俺の唇。
(あかん、)
でも、
(離れたくない)
一瞬、迷う。
そのまま、ゆっくり近づいてくる。
ゼロ距離。
息が重なる。
「……ぷりちゃん」
名前、低く呼ばれる。
その瞬間、
ガラッ
「お前らまだいた——」
教室のドア、開く。
「……」
「……」
止まる。
完全に。
顔、近いまま。
ゆっくり離れる。
「……あーw」
まぜ太が、すべてを察した顔で立ってる。
「邪魔した?」
「してるわ!!」
反射で叫ぶ。
一気に距離取る。
顔、熱いどころじゃない。
「何してんねんお前ら」
「何もしてへん!」
「いや今のは無理あるって」
まぜ太が呆れたように笑う。
あっきぃは、少しだけ息吐いてから
「……タイミング悪」
ぼそっと言う。
「悪いな」
「ほんとに」
軽く返しながら、
でも視線はまだ俺の方。
「……帰るわ」
まぜ太がそう言って、ひらっと手振る。
「鍵閉めとけよ」
「はーい」
パタン、と扉が閉まる。
また、静か。
でもさっきと違う。
(……無理やろこれ)
気まずい。
でも、
さっきの距離、頭から離れない。
「……なあ」
「なんや」
お互い、ちょっと視線合わせられない。
「さっきの」
「忘れろや」
「無理」
「なんで」
「だってさ」
少しだけ笑って、
「もうちょっとだったし」
「うるさい!!」
顔、また熱くなる。
「……次は邪魔されないといいね」
「よくないわ!!」
でも、
(……次ってなんやねん)
心臓、またうるさい。
教室出るとき、
少しだけ距離あける。
でも、
無意識に、また少し近づく。
(……ほんま、なんやねんこれ)
隣見ると、
あっきぃが少しだけ笑ってた。
369
コメント
4件
わあ、好きすぎる mzち邪魔しちゃダメだよー!
尊死チーン(誰かお墓を下さい!)