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※此方の作品はホラーです
苦手な方はご注意下さい
「レイン君遅いですねぇ」
「だね、仕事まだ終わらないのかな」
貸部屋で話しているのは2人の男性
大学教授のオリバー・エバンスと
マッドサイエンティストの
レオス・ヴィンセントだ
2人は今、同期だけで呑もうと話があり
集まるはずだった
同期の1人であるローレン・イロアスは
急な仕事により来れなくなって
しまったのだ
それだけではなく唯一の女性
レイン・パターソンもまだ来ていない
オリバーとレオスは2人で
待ちぼうけの状態だった
「もしかしたらレイン君も来れない
のかな…
連絡はまだ来てないけど」
「えー、ただでさえローレン君
来なくて人が少ないのにですかぁ」
「しょうがないよ2人供仕事なんだから
ローレンはもしかしたら
来れるかもって言ってたけど…
あ、レオス君大丈夫そうだよ」
「え?」
オリバーがそう言うと部屋の扉が
勢いよく開いた
「先生!ヴィンさん!遅くなってごめん
ちょっと長引いちゃってさ」
部屋に入ってきたのは同期のレインだった
手には大きなバックを持っている
「レイン君!来てくれてよかったよ」
「本当ごめん!連絡しようと思ったけど
早く着けた方がいいと思ってさ
遅れちゃったけど、来れてよかった
あぁそれと…」
そう言いレインは手に持っていた
バックを開ける
酒に合うおつまみと数個のハートの
形をした風船だ
「可愛い風船だね、それどうしたの?」
「ふふん
せっかくの同期飲み会だからな
少しだけでも部屋を飾り付けようと
思ったんだ
まぁ、雰囲気作りだな」
そう言いレインは風船を壁側に飾った
「えー、男の比率が高い空間で
少々可愛らしすぎやしませんかぁ?」
「そんな事言うなよヴィンさん
ほら、おつまみも持ってきたから
呑もう!」
「そうだね
ほらレオス君もコップ持って」
「はいはい」
「ローレンいないけど
それはまた近いうちに誘おうか」
「そうだな!先生、ヴィンさん
かんぱーい!」
「「かんぱーい」」
3人はグラスを掲げ乾杯をした
話は盛り上がりあっという間に
時間は過ぎていった
数時間後…
「あれっ、こっちお酒無いな…
レオス君そっちのは残ってる?」
「もう無いんですか?
私の方も残り少ないですよ
どうします?」
レオスにそう言われオリバーは
少し考え口を開いた
「うーん…
じゃあ、近くにコンビニあるし
買ってこようか、僕行ってくるよ」
「私も行きますよ
タバコのストックが少なくなって
来たので」
「分かった一緒に行こう
レイン君わるいんだけどローレンが
もし来た時の為に残っていてくれない?」
「分かった!パタち留守番しとくな!」
「頼みましたよ
レイン君」
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃーい」
1人部屋に残る事になったレインは
暇潰しにスマホを開いた
コンビニが近くにあると言っても
選ぶにも時間がかかっているのか
2人は中々帰ってこない
ふいに足を動かした時にお酒の缶が
倒れてしまった
それを直すためスマホから目を離した
すると視界の端に何かがちらつく
風船だ
自分が置いたものだからあることに
関しては問題は無い
ただ、その数個あるうちの1個だけが
ゆらゆら
ゆらゆら
と揺れているのだ
窓が開いているわけでは無い
開いていたとしても1つだけが揺れている
何てあり得ない
怖くなって部屋から出ようと思った
が以前聞いた話が頭をよぎる
心霊現象にあってしまった時は
見ていないふり、気付いていないふり
をする事が大事だと
反応してしまうと幽霊は喜び付いてきて
しまうと話を思い出した
風船の事は知らない、何も見ていない
そう心で何度も唱えた
風船は変わらずゆらゆらと揺れている
早く…早く帰って来てくれ…
そう思っていると
部屋の外から話し声と足音が聞こえる
限界だったレインは扉に
向かって走りだし急いで開けた
「わっ!ビックリした、どうしたの?
レイン君
いきなりドア開けて」
驚くオリバーの後ろからレオスも
顔を覗かせる
「何ですかー?騒がしいですねぇ」
レインは2人の姿を確認し
部屋の中にある風船を指差した
「ふうせっ…風船がぁっ…!」
「風船がどうしたって言うですか?」
レオスがそう言うと指を差された
風船がひとりで
ふわり
と浮かび上がった
そのまま風船はぐにゃりと大きく
形を歪ませ
パンッ!
けたたましい音を鳴らして破裂した
3人はしばらく風船のあった虚空
を見つめる事した出来なかった