テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
お久しぶりです^^
中学校って色々と難しいですね
⸻
『色の温度』
夜遅く、部屋に残っているのは六人だけだった。
青と水は窓際で静かに話していて、
白は椅子に深く座り、黄はスマホを眺めている。
その少し離れた場所で、
桃と赤は並んで座っていた。
肩が触れているのに、赤は動かない。
その様子を、桃は横目で見ていた。
「……緊張してる?」
小さく聞かれて、赤は一瞬だけ視線を逸らす。
「別に」
桃はそれ以上聞かない。
ただ、赤の手首にそっと指をかけた。
強くない。
引っ張るわけでもない。
「こっち」
それだけで、赤は立ち上がる。
青がちらっと見て、すぐ視線を戻した。
水も、何も言わない。
白と黄は、気づいていないふりをしている。
——触れない優しさが、逆に目立った。
「……なに?」
赤が火照った顔を隠すかのように下を向いてこちらにくる。
「まだ恥ずかしがってんの?」
「ちがうし」
桃はぐいっと赤を引き寄せ、こう言った。
「今日の夜、空けといて」
⸻
少し離れた静かな場所。
桃は赤の前に立ち、距離を詰める。
逃げ場はあるのに、赤は下がらない。
「ねえ…恥ずかしいよ」
低くて落ち着いた声。
赤は喉を鳴らす。
「……好きでしょ?こーいうの」
桃は満足そうに、ほんの少し笑った。
手が伸びる。
顎に触れそうで、触れない。
「無理なら、やめる」
そう言いながら、やめる気はない距離。
赤は小さく首を振った。
「……やめなくていい」
その返事を聞いて、桃は一歩近づく。
影が重なって、息が混じる。
「好きだよ」
その一言が、いちばんずるかった。
視線が絡む。
時間が、ゆっくり溶けていく。
また、ふたつの影は重なった。
⸻
終