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ケインオー×ジョシュア
ケイン・その他「」 ジョシュア『』
銃声が夜の街に響く。赤いカラーの餡ブレラのメンバーたちと、ピンクカラーの868のメンバーたちが入り乱れる激しい抗争の最中だった。
「ジョア後ろ!」
レダーヨージローの声が無線越しに届く。しかし間に合わず、ジョアの身体に鋭い衝撃が走った。弾丸が足を貫き、彼はその場に膝をつく。
『くっ…!』
同時に、もう一発が頭部を狙う。だが、その直前、ケインオーの冷静な狙撃が敵の頭部に命中し、相手の弾は外れた。ジョアは辛うじて重症で済んだものの、足の痛みで立ち上がれない。
『会長、おんぶしてください🥹』
音鳴ミックスに訴えるジョア。だが、次の瞬間、ケインオーがさっと彼の背に回り、軽く抱き上げた。
「私がしますよ。」
(え…?なんでケイン先輩が…?)
心臓が跳ねる。体温が近くに感じられ、ドキドキが止まらない。
(…でも、ちょっと期待してる自分もいる…)
ケインオーの手はしっかりとジョアの腰を支え、動じることなく進む。周囲の喧騒が遠くに感じられ、二人だけの時間が、ほんの一瞬、流れた。
ケインオーの肩越しに、ジョアは街の明かりや銃撃の火花をぼんやり眺める。足の痛みはもちろんあるけれど、それ以上に胸の奥がざわつく。
『……重いですか?』
「いや、大丈夫ですよ。」
ケインオーの声は落ち着いていて、まるで日常のひとコマのようだ。だが、ジョアにはその落ち着きが、胸をぎゅっと締め付けるように感じられた。
(なんで先輩が…?でも、こうしてくれるの、めっちゃ嬉しい……)
「足の痛みは…少しで楽になりますか?」
『は、はい……先輩の腕、しっかりしてますね……』
ジョアの顔がほんのり赤くなるのを、ケインオーは気づいていないようだった。
二人の間には、無言の距離感がある。銃撃や怒号の中で、一瞬だけ世界が静止したような気分。ジョアは、心臓の高鳴りを抑えきれず、ケインオーの背中に顔をうずめてしまう。
(あ…近い……ドキドキが止まらない……!)
「少し、休みましょうか。」
ケインオーの言葉に、ジョアは小さく頷く。重くなった体を預けると、ケインオーの安定した背中と腕の温もりが、心の奥まで染み渡った。
『……先輩、ありがとうございます…』
「どういたしまして、ジョアさん。」
二人の呼び方が自然に響くたび、ジョアの胸の奥で何かが弾けた。抗争の混乱の中で、ほんの少しだけ、甘く静かな時間が流れる──。
868の車は静かに街を抜け、豪邸へと向かっていた。ケインオーが運転席、ジョアは助手席に座っている。二人だけの沈黙は、銃撃戦の余韻と疲労を帯びていた。
「車の修理はここで済みます。少し待ちましょう。」
『はい、わかりました』
修理工場で待つ間、偶然にも餡ブレラのメンバーが現れ、抗争の話題で盛り上がる。ジョアの視線は自然とケインオーの方へ。
ケインオーは餡ブレラの女性と笑顔で談笑していた。
(なんで先輩、あの人と…楽しそうに話してるんだろう…)
『俺にだけ優しくしてくれればいいのに…』
胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
(…やっぱり、俺、先輩に本気でアタックしよう)
ジョアの心は決意で熱くなる。ケインオーに想いをぶつけるため、行動を決めた瞬間だった。
豪邸に戻ると、レダーヨージローと刃弍ランドがソファに座り、音鳴ミックスの空き巣映像をテレビで楽しんでいた。
『ケイン先輩、隣に座って見ましょうよ』
ジョアとケインはソファに腰を下ろし、ジョアは少し距離を縮める。
テレビに映る白井太郎のドタバタ映像を見ながらも、視線はケインオーから離れない。
『先輩、ちょっと肩貸してくれませんか?』
「肩ですか?」
ケインオーは淡々と横に体を寄せる。ジョアは自然な流れで、少し体をケインに預ける。
(う、近い…でも先輩、全然気づいてない…)
『…でも、これだと肩が疲れちゃいますね』
ジョアはわざと小さな声で甘えてみせる。肩が触れるだけで、心臓が跳ね上がる。
「疲れますか?」
『はい…少しだけ』
ケインオーは変わらず穏やかに答えるだけ。だが、ジョアにとってその無自覚さが、逆に胸を締めつける。
『ねぇ…もっと近くに…』
小さく身を寄せ、膝が少し触れる距離まで接近する。手も、そっとケインの腕に触れるように置いてみる。
(ああ…この距離…先輩、気づいてくれたらいいのに…)
ジョアの心は期待と焦燥でいっぱい。
しかし、ケインオーは淡白に、でも紳士的に体を支え続ける。
「ジョアさん、手元に気をつけてください」
「…はい」
(…やっぱり、何もわかってない…でも、だからこそ、俺が攻めないと…!)
ジョアは小さく息をつき、次のアプローチの作戦を頭の中で練る。
ソファに並んで座る二人。レダーと刃弍ランドがテレビに夢中になっている間、ジョアの視線は隣のケインオーに釘付けだった。
(…今なら、もう少し近づける…!)
ジョアはそっと、自分の手をケインの腕に重ねる。指先が触れるだけでも、鼓動が一気に跳ね上がった。
『……先輩の手、温かいですね』
「そうですか?」
ケインオーは淡白に答えるだけ。それでも、手を離す気配はない。
(うわ…全然意識してない…でも…だから余計にドキドキする…)
さらに勇気を振り絞り、ジョアはケインの肩に少し顔を寄せる。頬が触れるか触れないかの距離。
『先輩……もっと、俺のこと見てくれてもいいのに』
声は掠れるように小さい。だが、ケインオーは相変わらず紳士的に、静かにテレビの画面を見つめていた。
「ジョアさん、顔が赤いですね。熱でもありますか?」
『えっ…!?あ、暑いのかな…?大丈夫です!!』
(もおおおおおおおっ……どうして気づいてくれないの先輩!!)
心臓が破裂しそうなほど高鳴りながらも、ジョアは更なるアタックの機会を虎視眈々と狙っていた。
数日後のある日。
ジョアは両手いっぱいに買い物袋を抱え、豪邸へ戻ってきた。
(今日は俺が料理しよう…先輩も、喜んでくれるかな…)
そんな淡い期待を胸に扉を開ける。
豪邸に入り、中からはリビングで話し込む声が聞こえた。レダー、ケイン、音鳴の3人。
ジョアは足を止め、そっと壁の影に身を潜める。一番最初に聞こえた声はレダーだった。
「てかケインさぁ、どーすんの?」
「何がですか?」
ケインの落ち着いた声が返る。
(…何の話だ?)
レダーの次の言葉に、ジョアの心臓が跳ねた。
「ジョアの気持ち、気づいてんでしょ?」
『……え?』
思わず声が漏れそうになるのを、慌てて口を押さえる。
一瞬の沈黙。ケインは答えない。
音鳴が首を傾げるように尋ねた。
「ん?何の話?」
「ジョアって、多分ケインのこと好きなんよ。」
レダーのぶっちゃけに、ジョアの手から買い物袋が揺れる。
「ええ?!そうなの?!」音鳴が素直に驚きの声を上げた。
「でもコイツ、知らないフリしてんだよ?どう思う?ジョアが可哀想じゃない?」
レダーの問いに、音鳴が小さく息を呑む。
「いや、それは…可哀想だわ。ケインはどー思ってんの?」
ジョアの心臓は早鐘を打っていた。
(先輩……何て答えるんだ……?)
そして、ケインは淡々と、けれども真剣に口を開いた。
「正直……困ってます。」
その言葉が耳に入った瞬間、ジョアの世界は音を立てて崩れた。
(……困ってる……?俺の気持ちが……先輩にとって、迷惑だったのか……)
視界が揺れる。手の中の買い物袋を力なく床に置き捨て、そのまま駆け出した。
誰も気づく前に、豪邸を飛び出す。
(聞かなきゃよかった……)
足が痛むことも忘れ、走れるだけ走った。
やがてたどり着いたのは、波の音が響く夜の海。
『はぁ……っ……はぁ……』
息を切らし、ジョアは砂浜に膝をついた。
(俺の気持ちに気づいてて……あんな態度だったのか……)
(ずっと期待してたのは……俺だけだったんだ……)
熱いものが頬を伝い、ポロポロと涙が落ちる。
「……先輩……っ……!」
こらえきれず、声を上げて号泣した。
夜の海に、悲痛な嗚咽が溶けていった。
海辺に響いたのは、ジョアの張り裂けそうな声だった。
『先輩なんか…好きになんなければよかった!!』
潮風にかき消されるように響き、吐き出した瞬間、胸の奥がさらに締め付けられる。
『でもっ…好き……諦められない……』
頬を伝う涙を止めることができず、嗚咽が混じった声が漏れる。
『……でも、ゆっくり諦めよう……先輩にとって俺の気持ちは迷惑みたいだし……』
波の音と一緒に小さな決意を零すしかなかった。
――翌日。
重たい足取りで豪邸の扉を開けた瞬間、最悪のタイミングでケインと鉢合わせた。
「昨日、帰ってこなかったですけど……どうしたんですか?」
無機質な声なのに、どこか気遣う響きが耳に刺さる。
ジョアは一瞬、何も言えなくなった。
(どう話せばいいんだよ……)
沈黙を怪訝に思ったケインが、スッと顔を近づけてくる。
「……どうしたんですか。体調でも悪いんですか?」
思わず心臓が跳ねた。けれど、ジョアは慌てて一歩引く。
『あーー、少し……体調悪くて……』
笑顔を作ろうとしたが、うまく形にならなかった。
それ以来、二人の距離は目に見えて遠のいていった。
客船の準備をしていた時、レダーが明るく言った。
「んー、俺と音鳴、ケインとジョア……」
その言葉を遮るように、ジョアは声を上げた。
『あのっ!俺、会長とがいいんですけど……!』
不自然なほど慌てた調子に、場が一瞬しんと静まる。
別の日。
豪邸のリビングでは、レダーとケインが音鳴の空き巣をテレビで見ていた。
「お、ジョアじゃん。今ちょうど空き巣協会やってるけど見る?」
声を掛けられたジョアは、目を逸らしながら手を振った。
『あー、い、今から車の修理行こうと思ってて!すいません、また今度💦』
逃げるように背を向けるジョアの姿に、レダーとケインは顔を見合わせた。
――それが一度や二度じゃないと気づいた頃。
流石に、ボスたちの間に「ジョアの様子がおかしい」という疑問が広がっていた。
ある日。
ゲーセンアジトで、レダーと音鳴とケインは並んで椅子に腰掛け、ゲームの合間に談笑していた。
「なぁ、最近ジョアの様子おかしいよなぁ」
レダーが不思議そうに言う。
「うん、まるで誰かを避けてるみたい」
音鳴が同意し、そして二人同時にケインの方へ視線を向けた。
「わ、私ですかね……?」
居心地悪そうに答えるケイン。
「だってケイン、ジョアのアピールガン無視してたじゃん。それだけじゃなくても心当たりとかないの?」
レダーの言葉にケインは思わず声を上げる。
「が、ガン無視はしてないですよ!! それ以外に心当たり……も、ないですし」
音鳴が首をかしげた。
「てかさ、ジョアってそれだけで避けるかな? ケインが無反応でもガンガンアタックしてたじゃん」
「そうだよなぁ」
レダーも腕を組んで唸る。
しばらく三人で考え込んでいたその時、レダーがふいに閃いたように手を打った。
「あ! あんときは?!」
「どのときですか」
ケインが問い返す。
「ジョアが夜豪邸に帰ってこなかった日あったじゃん。あの時、俺らリビングでちょうどジョアの事話してただろ」
「あーー! そうだな確かに」
音鳴も思い出したように声を上げる。
「でもあん時って、別に避けるほどの会話はしてなくない?」
――そして場面は回想へ。
ケイン「正直…困ってます。」
レダー「それって…ジョアの気持ちがケインにとって迷惑ってこと?」
ケイン「いやっ、そーゆう困るじゃなくてですね…」
「その…ジョアさんが近づいてくる度、心臓がおかしいんです」
レダーと音鳴が目をぱちくりしながらお互いを見合う。
ケイン「故障…?か分からないですけど、毎回そうで、困ってるんです。」
音鳴「お前それはなぁ…」
レダー・音鳴「恋だよ」
ケイン「…恋?」
レダー「あーー、!そういえば感情.EXE入れてなかった!!」
音鳴「うわっ、そりゃあこうなるわ!!」
レダー「はいはい、ケインくんこっち来て〜」
ガチャガチャガチャ、ピピッ。
レダー「さて、どうだ?」
ケイン「…起動します。」
ケイン「私、ジョアさんが好きみたいです。 」
音鳴「そうだよなぁ、よかったよかった」
レダー「お前、もうジョアに対してあんな態度取るなよ」
ケイン「取るわけありません。今すぐ触れたいぐらいです。」
音鳴「アッ、すっごい大胆だな」
――回想終わり。
「んー、確かに……でも聞くとこタイミング悪かったら、ショックは受けるかも……」
レダーが呟く。
「どこですか?」
ケインが眉を寄せて問う。
「音鳴がさ、ジョアのことどー思ってるん?って聞いたじゃん。そんでケイン、正直困ってますって答えてたじゃん。ここだけ聞けば、俺だったらもう諦めたいって気持ちになっちゃうかも」
「うわ、絶対そこだ」
音鳴が即答する。
さらに音鳴が「あ、てかさ、今思い出したんだけど……」と口を開いた。
「その話の後、リビング出た横に買い物袋が床に置いてあったんだよね」
「はっ?! おっまえさぁー!なんでそういう大事なことを早く言わないわけ?!」
レダーが思わずキレ気味に言う。
「えっ、す、すいませんすいません!」
慌てて両手を振って謝る音鳴。
「……これ、確定だな」
レダーは真剣な顔つきになり、ケインの方を向いた。
「どーすんの、ケインさん??」
事の辻褄が合い、ようやくジョアに避けられていた理由を理解したケインは、静かに立ち上がった。
「……ジョアさんのところ、行ってきます」
短く、けれど決意のこもった声。
その姿にレダーと音鳴は言葉を失い、ケインは迷いなくゲーセンを後にした。
ケインはゲーセンを出ると、一直線に豪邸へ向かった。
胸の奥に渦巻くものを抱えながら、重い足取りで扉を開ける。
ちょうどその場にいたジョアと目が合った。
『……っ!』
驚いたようにジョアは一瞬固まり、次の瞬間、逃げるように階段へ向かう。
だがケインはその腕を掴み、そのまま抱き上げた。
『け、ケイン先輩っ?!』
ジョアは目を見開いて声を上げる。
何も答えず、ケインは彼を抱えたまま二階へ上がり、自分の部屋へ入った。
鍵を閉め、ベッドにジョアをそっと下ろす。
しばし見つめ合うふたり。
しかし先に視線を逸らしたのはジョアだった。
「……こっち見てください」
ケインの静かな声が落ちる。
ジョアは混乱しているのか、視線を戻さない。
ケインはそっと顎に指をかけ、その顔を自分へ向けさせた。
『っ?! ち、近いです……』
慌てたように言うジョアに、ケインは問う。
「……嫌ですか」
『いや……っていうか……』
ジョアの心臓の鼓動が、声にまで乗っている。
『なんで……なんで……』
混乱しきった声をこぼしながら、ジョアはぽつりと呟いた。
『俺が……なんかしました?』
「……え?」
ケインの瞳が揺れる。
ジョアは唇を噛みしめ、震える声を吐き出す。
『嫌がらせですか? ケイン先輩……俺の気持ち知ってるんですよね?! なのに……これ以上、期待させないでください……! 先輩困ってるんですよね……俺の気持ちは迷惑なんでしょ……』
その目から、涙が零れ落ちた。
ケインは息をのむと、迷わずジョアの涙を拭った。
「……ジョアさん。私の話を聞いてください」
落ち着いた声で、あの日リビングで話していたことをすべて伝える。
どうしてあんな返しをしたのか、なぜ誤解させてしまったのか。
ジョアはぽかんとし、困惑の表情を浮かべた。
『え……?』
ケインはまっすぐに彼を見つめる。
「好きなんです。貴方が」
『……っ』
言葉を失ったジョアの頬が赤く染まっていく。
「信じられないですか?」
ケインが優しく問いかける。
『えっ……あ……』
ジョアは声にならない声をこぼすだけ。
ケインはふっと苦笑した。
「まあ、あんな態度を取っていた私の自業自得ですよね」
そう言うと、ジョアの唇を深く奪った。
ケインは強引に舌をジョアの口の中に入れ、舌先を絡め合う。
『んっ、、♡』
突然のディープキスにジョアは真っ赤になり、呼吸すら追いつかない。
そのままキャパシティを越えたのか、ふらりと力を抜いてベッドに倒れ込む。
「……っジョアさん!」
ケインは慌てて支え、その頬をそっと撫でた。
もう書いてて泣けてきた。切なすぎる。私天才??長くちゃったから、続きは次に書きます!もちろん次は🔞要素も😊😊
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