テラーノベル
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⚠自己解釈、捏造あり
⚠PTSD表現
⚠日本語がところどころおかしい
時系列はマホエピ後〜マホロアランド建設前です。
「あはっあははははは!!」
呆れるほど平和な国に、笑い転げる声が響く。
「あははははっ!マホロア、くすぐったいよぉ!」
「クックック、スキアリダヨォ!」
プププランドは今日も今日とていい天気。
こんな日には、イタズラをするに限る。
_ということで、ちょうど近くを通りかかったカービィに絶賛イタズラ中だ。
今現在に至るまで、5分程くすぐっているというところだろうか。
星の勇者なくせに、こんなに簡単にくすぐられてしまうほどのほほんとしていて、笑えてくる。
「はぁ、はぁ…」
そろそろいいか、とくすぐりを止めると、カービィははくはくと空気を吸い込んでいた。さすがにやりすぎたか?とも思ったが、まぁカービィなら大丈夫だろう。
「はぁ、はぁ…」
さて、次はどうしてやろうか。
「…やったなぁ〜!!」
こちょこちょこちょ…
「!?」
そんなことを考えていたら、突然の反撃を食らった。
「……ヒッ」
思わず、声にならない声が出る。
体は震え、冷や汗がじわりと滲み出す。
それは、くすぐったいからなんかじゃなくて_。
「はぁ、はぁ…」
マホロアに長い間くすぐられたせいか、はぁはぁと息が苦しい。やりすぎだよ!もー!!
なんとか息を沢山吸って、薄ぼんやりとした頭がすっきりしていく中で、ぼくは名案を思いついた。
そうだ!今日はやりかえしちゃおう!
ぼく含め、みんなによくイタズラをしては、くすくすと笑っていたマホロア。
たまにはやり返したっていいはずだ!
せっかくだし、くすぐり返ししちゃおうかな?
彼の笑い転げる姿が頭に浮かぶ。
よーし、決まりだ!
ぼくはマホロアの隙を伺い、行動に移した。
「はぁ、はぁ…」
「…やったなぁ〜!!」
こちょこちょこちょ…
ぼくは力いっぱいくすぐった。
「……ヒッ」
手にふるふると震えが伝わってきたため、ふとマホロアの方を見る。
やった!仕返し作戦大成功!
…なんて思っていたけど、マホロアは笑ってなんかなかった。
「…マホロア?」
マホロアは小刻みに震えていて、汗もだらだらだった。心なしか顔色も悪い。
「大丈夫!?マホロア!!」
ぼくはとっさにマホロアの手を掴む。
やはり、手もふるふると震えている。
さっきまでこんなに具合悪そうじゃなかったのに…
…ぼくがくすぐったせいだ!
「ごめんね、マホロア…」
どうしよう、病院につれてかなきゃ、なんて考えていたら突然。
「ダ、大丈夫ダヨォ、カービィ!チョーット急に肌寒くなっちゃったダケ!ゼンゼン平気!」
「え、でも…」
「ア、ソウダ!それにボク用事があったんだッタ!ジャアネ!」
マホロアはそっとぼくの手をどけて、さっさと飛び去ってしまった。
…マホロアは、ああ言ってたけど…
…ウソだ!あんなに具合悪そうだったのに、平気なわけない!
「早くおいついて、マホロアを病院に連れてかなきゃ!」
コン、コン、コン
ローアの扉をノックする音が聞こえてくる。
…きっと、カービィだ。
ああ、やってしまった。
まさか反撃されるだなんて、夢にも思わなかった。油断していた。
それに、まさかくすぐられた程度のことで、トラウマにひっかかるなんて自分でも思わなかった。
クルシイ、コワイ、タスケテ、カービィ…
あの時の感覚が、感情が、鮮明に蘇る。
やっぱり動悸は止まらないし、冷や汗がじわりと滲み出す。
「ハァ…ハァ、ゲホッ、ケホッ、」
血の気がだんだん引いていく。寒い。
恐怖に包み込まれるようで。怖い。
そうして床にうずくまっていると、涙が出てきた。
…なんなんだよ。
止まれよ、止まれ、トマレトマレ。
トマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレトマレ!!!!!!
チュンチュンチュン…
「…ッ…」
「ウーン…」
「フワァーァ…」
鳥のさえずりで目が覚める。
窓の外を見ると、眩しいくらいの朝日がいっぱいにはいってきている。もう朝か。
鳥のさえずりで目覚めるなんて、ファンタジックでステキ!なんて思うかもしれないが、ボクは全然そんなことなかった。
「ッ…痛ッ…」
体の節々が痛い。どうやら床でそのまま寝落ちてしまったみたいだ。
「あのまま床で寝たのカヨ…」
自分に吐き捨てながら、朝の支度をする。
「オハヨウ、ローア。」
ローアがなんだか心配そうにしていることに気付かないふりをして、掃除を進める。
…心が真っ黒な絵の具で塗りつぶされているみたいだ。いっそのこと、全部全部夢だったら良かったのに。あのまま全部無かったことになればよかったのに。でも、現にカービィからの不在着信だらけのケータイや、昨日のローアの玄関前の防犯カメラ映像に映る彼の姿を見て、あれは現実だったと思い知らされる。
…モウイヤダ、イヤダヨ。
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