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#異世界物語
ぷち
49
結愛
418
ひまわり
2,431
竜崎
42
――冗談じゃない、マジで洒落にならん。
森の奥地で、空を眺めながら彼は自分が仰向けになっている事に気が付いた。
全身に青い液体が覆い尽くし、痺れと共に指先や足先の感覚が無かった。
ただ、悪寒と寒気が体の全体を支配し始めている事くらいだろう。
――寒い、冷たい、凍える。
まるで冷たい雪の中に埋もれたような感覚に驚きながらも、叫び声を出そうとして口から出たのは、叫びや悲鳴ではなく、吐血だった。
咳き込み、血を吐き出しながら、青い液体に浸かり溶け始めたのは、自分自身の手足だ。
――俺の手が!?足が!?――スライムって、こんなに倒すの大変なのかよ?
彼は、この異世界の【冒険者見習い】の初の討伐として、スライムと対峙した。
しかし、戦闘の結果は――スライムに返り討ちにされたのだ。
スライムは、本来、この異世界では一番弱い魔物だ。
そう、この異世界では、
――俺が、弱いっていう事かよ!?
彼は、自分自身の体の状態を確認しようとするが、肘から先が既に、溶けて無くなっていたのだ。
スライム特有の酸と消化の力だった。
――コイツ!?俺を食う気か?ヤバい!――誰か居ねぇのか?
他に助けを求めようと、彼は、辺りを横目で見るが、【冒険者パーティ】の仲間達も、魔物達に返り討ちに遭って、既に倒された後だった。
悲鳴や叫び声の断末魔と共に、倒され捕食されていく仲間達。
そりゃそうだ、魔物達からすれば、自分を攻撃して来た奴らをただじゃ済まないだろう。
捕食しているのは、魔物からしたら、|俺達《人間》は、獲物らしいしな?
――ああ、クソ、クソ、どうしてこうなったんだ?
この異世界に来てまだ3日も経ってねぇぞ、これが俺の『詰み』っていう奴かよ。
あの【案内人】のヤロー、分かってやがったな、こうなる事を。
まあ、死んでも【セーフティエリア】からやり直せるみたいだけどな。
また、3日前からのやり直し――マジで洒落にならないだろうが。
唯一の救いは、やり直せる事、記憶や経験を、そのまま引き継げる事だろうな。
突然、異世界に飛ばされて――【案内人】に、この世界で生きて行くには【冒険者】になって魔物を狩って生きて行くと、3日前に言われた。
それから準備や何やらを用意して、いざ始めた初めての魔物討伐が、まさかの返り討ち。
――ハハハ、マジで笑えねぇ。
そうこうしていると、意識が遠退き、彼の体が青いスライムの消化液に溶かされていく。
そういえば、俺や仲間達がこの異世界に来た理由が、前の世界で『罪』を犯したからだって【案内人】の奴が言ってたっけ。
せめて、その『罪』が何なのかは知りたいよな。
『償い』それが、俺が――この異世界でやらなきゃいけない事か?
何を償うのかを知る為にも、やるしかないっていう訳かよ?
――だったら、やってやるよ?この異世界で、その『償い』って奴をさ!!
次の瞬間、彼、シンは命を落とした。
コメント
1件
いや、めっちゃ胸糞悪い始まり方だな…! でもそれが逆に刺さったわ。スライム相手に返り討ちは衝撃的だけど、その理不尽さが「何を償うのか」って謎を引っ張ってる。シンの「やってやる」の覚悟、熱い。次が気になりすぎる🔥 竜崎さんの描く絶望感、本当に解像度高いわ…