警亜戦争勃発から1年が経過した。
当初は銃器を使っての抵抗だった亜細亜連合だったが今年に入りIFウイルスを使っての戦い方に変化した。
そして、亜細亜連合はメンバー増員のため、海外に出向き外国人メンバーを増やしていった。それもあり警衛隊は亜細亜連合に対してかなり手こずっていた。
そして、警衛局は現場の最高指揮官として新たにある男に託した。……………………………………………………………主要登場人物一覧
蔵島壱成(21)…2代目主人公ULTIMATE中央指令部員
中島佑紀弥(21)…元警衛官 亜細亜連合メンバー
松浦風雅(21)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
長内貴也(54)…ULTIMATE中央指令部長
水崎一躍(25)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊長
室口翔平(44)…ULTIMATE3代目総監
福良啓示(31)…ULTIMATE総監秘書
岸田正龍(27)…警衛局中央監察部首席監察官
工藤哲也(47)…6代目総統
赤木龍一(35)…警衛局最高監察部主任 …
「治療は終わったのか」
「じゃねーとここにいねーよ。それで何だ?俺を呼んだ理由は」
午前9時総統室には工藤とそして1年ぶりの復帰となった赤木の姿があった。
赤木の右目には義眼が入っておりそれを隠すように黒の色つきメガネをつけていた。
「今、封鎖区域内で戦争が起きてるのは知ってるよな?」
「お前が開戦させたんだろ?記者会見見たぞ」
「今、現場の最高指揮官は長内さんがしてるんだが、長内さんはもう定年間際だろ?それで1度休暇を取ってくださいって言ってよ、今日、長内さんの休暇の日なんだよ。それで今日から長内さんに変わる新たな最高指揮官が必要になってな。お前に白羽の矢がたったわけだ。今お前は最高監察部の人間だ。断ってもいい。どうする?」
「俺には今何も残っていない。俺が死んでも誰も悲しまん。死ぬ時は華々しく散る。俺にやらしてくれ」
そう言うと赤木は警衛官手帳を机の上に出した。
「俺が死んだら直ぐに殉職者名簿に俺の名前を載せろ。行方不明者名簿に載れば税金で捜索することになる。俺みたいな奴に税金を使うなんて馬鹿げてるからな」
赤木が言うと工藤は椅子から立ち上がり赤木の警衛官手帳を手に取った。
「わかった。だがな赤木、さっき俺が死んでも誰も悲しまないと言ったろ?」
「それが何だ?」
「俺は悲しむぞ。お前と何年付き合ってると思ってんだ?お前が警衛に来た新人の頃から知ってるんだぞ。俺は涙を流して悲しむぞ」
「なんだよそれ笑」
そう言うと赤木は笑みを浮かべながら総統室から出ていった。
数時間後装備品1式が入ったリュックを持ち赤木はヘリポートにいた。
数分後、長内を乗せたヘリがやってきた。
「赤木、後は頼んだぞ」
「任せろ」
「現場、荒れてるから気をつけろよ」
「戦争なんだから当たり前だろ」
「その荒れてるじゃなくてな、隊員達が荒れてるって意味だ。監察の目がないところだ。やりたい放題だぜ、あいつら。」
「なるほどな。俺は今最高監察部から特務による派遣中という身だ。何かあればこれを突きつける」
そう言うと赤木は除隊届けを見せた。
「おー笑さすがだな」
「じゃあな」
赤木はリュックを背負うとヘリの中に入った。
「死ぬなよ。お前を警衛に入れたのはこの俺だからな。せめて警衛隊員としている間は死ぬなよ」
長内からの言葉に赤木は笑みを見せた。
「工藤と同じこと言うんだな笑じゃあな」
そう言うと赤木は長内に敬礼をした。長内も直ぐに敬礼をした。
そして赤木を乗せたヘリは上空へと消えていった。
その頃実戦部隊がいる元西日本方面本部基地では新たな指揮官の出迎えとしてバタついていた。
「誰が来るんだ?」松浦が聞くと蔵島は首を傾げた。
「長内さんと同等の実力がある人だろ?誰になるんだろ」
「来たぞ、来たぞ笑」上空からやってきたヘリを目にし室口が言った。
「来た、来た」
警衛官らは一斉に上空を見つめた。ヘリがゆっくりと着陸すると航空隊員が急いでドアを開けた。
「お疲れ様です」
そう言いながら航空隊員は頭を下げた。
「赤木さん?まじかよ」ヘリから出てきた赤木の姿にその場にいた隊員達がざわつき始めた。
「今日から現場の最高指揮官を任された赤木だ。今の俺は最高監察部から特務による派遣中の身だ。何かあれば直ぐに警衛から追い出す。緊張感を持って任務を遂行しろ。以上だ」
そう言うと赤木はリュックを近くにいた警衛官に預けそのまま基地に入っていった。
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