⚠️露帝→日帝 です。
大きな木々が家を囲んでおり、周りに建物など全くない。
誰も知らない。誰も居ないような場所。
そこにたたずむ小さな廃墟でのお話。
〜露帝side〜
朝日と鳥のさえずりで自然に目が覚める。
普段なら日帝が起こしてくれるのだが。
今日は起こしてもらう前に起きてしまった…最悪な朝だ。
重い体を動かしゆっくり座ると、古びたベットからギィギィと悲鳴が聞こえてくる。
私の部屋は5畳程で、床にはコケや花の芽などが生え、さらに窓は壊れて日の光が直接入ってきていつも眩しい所の話ではない。
「よく考えなくても汚い家だな…」
それでも愛しの日帝と住むならここくらいしか…
いや、随分と時間はかかるだろうがそろそろ新しい家を探しに行っても良いかも知れない。
そう考えを巡らせながら着替えを終わるとリビングへ足を運んだ。
「おはよう日帝。」
そう話しかけても返事は帰ってはこない。
それもその筈。日帝の姿が無いからだ。
おかしい、この時間ならいつもリビングで朝食を作っているのに。
ふと1つの嫌な考えが頭をよぎる。
連れて行かれてしまったのでは無いか。
ここは鍵もなく窓も割れている故に簡単に入れてしまう…。
……いや、今日はまだ部屋で寝ているのだろう。
人間なのだから寝坊くらいするはず。
そう思い急いで部屋の戸を叩くが反応が無い。
「すまない日帝、入るぞ…」
彼の部屋を見渡しても日帝はいなかった。
「何処行った日帝!!!!!!!!」
ただただ焦りと不安がこみ上げてくる。
早く探して連れ戻さなくてはならない。
「おま…どうした…」
「日帝…?」
大声を出した途端後ろから、どうしようもなく大好きで、どうしようもなく可愛い、私を縛る鎖が顔を出した。
酷く取り乱していた私は一目散に駆け寄り、自分より一回りも二回りも小さい日帝に抱きついた。
「あー、俺がどこかに消えたとでも思ったか?」
「あぁ…」
「ほら、水を汲みに行ってきたんだ。」
「最近1週間分の水を汲んだが雨で飲めなくなってしまっただろう?」
そう言って玄関に置いてある水いっぱいのバケツを指差す。
私は酷く安堵した。大丈夫、こんな山奥に住んでいるのだ。
誰もここにいるとは分からない。
「もしどこか行くならその前に教えてくれ…」
「いつもならこの時間なら露帝はまだ寝てるから大丈夫だと思ったんだ。」
「でも分かった。前々から伝える事にするよ。」
いつからこんなに依存する様になったのか。
最初は一目惚れだったんだ。
初めて俺が恋に落ちた相手。
どれだけ人から天才だともてはやされても。
どれだけ女と遊んでも手に入れられなかったこの温もり。
それを君は簡単に埋めてしまった。
君と話して、君と笑って、君を見て、それだけで今まで楽しく無かった人生が一気に華々しいものになった。
まるで私の神の様だった。
君だけがこの世界で唯一輝いていた。
そんな日帝を矮小な存在である私が手に入れられるなんて思わなかった。
そう、少なくともあの夜までは。
私はその日ジメジメとした暗い路地裏を歩いていた。
そこに居たのは単純にバーに行きたかったからで他に理由などなかった。
「誰か助けてくれ!!」
小さな悲鳴が耳に入る。
確かにそこは犯罪にはもってこいの場所だった。
私は責任感が強く、困っている人間を助けなくては気が済まないタイプであったことから、悲鳴が聞こえた瞬間すぐに走り声の元へと駆け寄ったのを覚えている。
血のついた包丁を持ち誰かを刺している人影が私の目に映った。
その時私は日帝を助けたんだ。
日帝は何故すぐに駆けつけ助けてくれたのかと疑問に思っていた。
その後聞いた話ではもう既に君は大きな組織に目をつけられてしまっているらしい。
それから君は共に行動したいと申し出してきた。
いわく、怖いらしい。当然のことだ。
すまない。そう謝られる事も多いが私からしたら好きな相手と共に過ごして守れるならば本望だ。
だから私はこの小さな廃墟を用意し一つ屋根の下2人で生活している。
ここならあいつらにも見つからないだろう。
そうやって安全にしてもやはり過保護になってしまう。
だから今日みたいに居なくなると過度な不安と焦燥感に駆られてしまう。
そんな事を考えていると日帝がちょうどその事を聞いてきた。
「にしてもなんでこんなに私のことを気にかけてくれるんだ?」
「ん?」
「だっておかしいだろ。露帝にメリットが無いじゃないか。」
私の気持ちに気づかない鈍感な日帝からしたら、確かに不思議でしかたがないだろう。
だって私は被害者ではなく犯人を助けたのだから。
あの日、日帝は1人の人間を刺し殺した。
私が止めたらギリギリ生きれた命だろう。
だけども止めなかったどころか一緒に解体し山に埋めた。
理由は単純。好きだから。
日帝が死ぬくらいなら私が代わりに死ねる。
それくらい私からしたら尊く、大切な存在であった。
きっと人生で一度も恋なんてした事ない日帝に言ったところで理解されずに終わるだろうな。
しばらくしてから私は、君の考えに気づいた。
日帝から共に過ごしたいと言われた時、私は嬉しかった。
やっと自分の事を好きになってくれたのかと。
でも違ったんだ。
日帝は私が誰かにバラすのが怖いのだろう。
だから時々私の動きを観察している時がある。
未だ疑われていると言うのは心外であるが状況的に仕方がない。
まぁ、これからずっと一緒なのだから今後さらに信頼関係を築いて行けばいい。
私は何があっても日帝を追っている警察から守るのだ。
「日帝を気にかける理由?」
「そうだ。」
「んーーーー…」
「好きだからかな。」
コメント
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う腐腐☆うひっ!う腐腐腐腐腐!
実は今推しの子のカンヒュパロを考えていて… 露帝日帝いけますね、使うかもしれんです