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安政時代 (1854年)
私は12歳になった。近藤家の中では女子なら10代になれば調理の場に立つことになっている。
朝早くして目が覚め、玄関外と庭を掃除しようと支度をした。玄関先出たところ、子供たちの声が聞こえた。
「子供達えらい早よおきるのですね」
そこに子供達と遊んでいる宗次郎がいた。
「宗次郎も遊んでるの?」
「うん!遥も遊ぼ!」
「掃除しないといけないから、本当子供好きだね宗次郎」
いつも通りの平和な会話をしていた。
「おい遥!」
後ろから叫んだのは歳三
「少し出かけてくる。飯をくれぬか」
「わかった。ちょっと待ってね」
そう言うと私は急いで調理の場に向かった。
麦むすびを二つほど包み急いだ。
「歳三お待たせ」
「おう!ありがとう」
「うん!気をつけて行ってらっしゃい」
歳三を見送った後掃除を済ませ、朝餉を準備しに調理の場に向かった。火をつけ、支度をしていると、
道場の方から声が聞こえた。
「北辰一刀流 山南敬助と申します。道場破りに来ました。」
私は急いで道場に向かった。
「少々お待ち下さい。」
急いで兄である勇を呼びに行った。私は宗次郎と横で見守っていた。
「名はなんとゆう」
「山南敬助です」
「手加減はしないぞ。来い」
「では三本勝負といきましょう」
その時叫び声が聞こえ、竹刀が当たる音が聞こえた。
「やぁ!!!」
勇が一本をとり二本を取り試合は続けられた。
隣で宗次郎が言った。
「勝負ついたな、次は俺がしたい。」
その時
「隙あり!!!」
兄、勇が勝し、山南敬助は敗れ天然理心流に入門する事になった。勇は奥の部屋に山南を連れて行った。
「遥、お茶を持って来てくれ」
「はい」
私も縁側に座りお茶を飲んでいた。
部屋からでてきた山南が私の隣に座って来た。
「名は?」
「遥です。近藤遥。」
「宜しくね遥ちゃん。」
それから半年が経ち、玄関先から声が聞こえた。
「はい、どちら様でしょうか」
「山南さんにお便りを頂きやって参りました。藤堂平助と申します」