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第四章 宝と君
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【ななっし~】
あれから特に危険なこととかが起きないで一周間ほどが経った
「もうすぐ宝のある場所じゃない?」
「だよね!!」
そういいあいながら今日も五人で道を進む
すると奥にぽつんと遺跡のようなものを見つける
「あった!」
そういってうたいさんとべるとさもくんが遺跡に向かって駆け出す
「えっちょ!」
わたしも駆け出そうとしたその時だった
がしっと腕をつかまれる
「と、とつさん!なに!」
「ここにいろ」
「な、なんで!三人とも行っちゃった!」
「お願い。ななっし~ここにいてくれ」
そう真剣な声と表情で言われる。
さすがに歩みを止める
それとは反対に凸さんは歩みを進める
「まって!」
「何?俺一応うたちゃんの護衛だから邪魔されるなら戦わないといけないんだけど」
そう冷たく言われる
「なんで!なんで私だけダメなの!」
「別にお前だけじゃない!ほんとはさもさんだって、べるちゃんだって行かせないのが理想だったよ!」
「じゃあなんで今私だけ止めるんだよ!」
「お前がたまたま行き遅れたからそのまま止めてるだけだ」
「とにかく!私はべるのところに行くの!」
「これ以上余計な事すると戦闘するぞ?」
「いいよ。それで。私があんたにかつ」
「そうか_」
「お前何年生きた?」
「は?いま17だから18年だけど」
「だろ。それじゃ俺にはかなわない」
「何言って!凸さんだって対して年齢変わんないでしょうが!」
「そうかな?俺はもう何十年、何百年と生きてる。うたちゃんだってな。」
「お前と俺じゃ積み上げてきたものが違う。戦闘、経験、判断力、体力。果たして俺にかなうか?」
本人が言ってないから確定しているわけではないがほぼ不老不死だろう
魔法では行きつくことのできない、、、、いや行くことの許されない領域だ
そもそもだがこの『魔法』というのはいくつかランクがある
例えばさも君がべるのために習得した治癒魔法
あれは大きく分けて三段階に分かれている
一段階目は基礎治癒
生活で起こりうる程度の傷の治療
例えば転んだ時のかすり傷とか浅い切り傷程度
第二段階は重度のけが全身打撲とか骨折とかそこらへんのやつの治癒
そして最後第三段階
第三段階は魔物及び魔力による負傷の治癒
ここまで習得できるのなんてほんの一握りだ
そして不老不死、、、
第一段階である不老を習得するには治癒魔法の第三段階よりはるかに時間のかかる難度だ
こんなの現実的じゃない
じゃあこいつは、、、、、
とつさんとその幼馴染であるうたいさんは何者?
「どうした急に威勢をなくして?」
「とりあえずあんたがすごいってことはわかった」
きっとさもくんとべるの二人係で凸さんを相手してギリギリ引き分けにもってかれるかなレベルの話だ
私なんかが戦える話ではない
悔しい、、、
戦いたいけど、この盤面戦ったら確実に殺される
けどべるのもとに行きたい
「いいよ。わかった。私はここにいればいいんでしょ?じゃあ待ってるから言って来ればいいじゃん」
「ん。聞き分けのいいやつだ」
そういって見えなくなるまで見送る
準備は整った。
私の十八番魔法の出番かな
「Transparens」
さぁべるたちのもとへ行こうか
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【うたい】
つく、、
もうつくんだ
きっともう大丈夫
僕のことを待ってる、、!
そういえば、、、
「なんでべるさんたちいるの」
「な、なんでってそんないまさらなこと聞かないでくれる」
なにか僕の異質な気配を察したのかさもさんがべるさんの前に立つ
そしてそこで何かを感じたのかべるさんの表情が冷酷な目へと変わる。
「ねぇうたいさんの目的は何?」
「別にべるさんたちには関係ないでしょ。じゃあべるさんたちの目的は何なのさ」
「それを答えなかったうたさんに教える義理はないでしょ」
らちが明かない
宝はこの最深部にある
しょうがない、、、
能力発動
「な、なんでそっちに行けないの!!」
「それじゃ」
「ストップ!!ストップ!!」
ななっし~さんの声が響く
「ねぇちょっとまって!なんでこんなことになってるの」
頭痛がひどいのか頭を押さえながらこちらに叫んでいる
「ななっし~、、、」
「ななっし~さん、、、」
「ちょっおまっなんでここに」
あわててきたのか息が切れている
「な、なぁうたちゃんべるちゃんさもさん一旦近くの廃墟で休憩しないか??」
、、、さすがに凸さんに逆らうのは怖いし素直に従っとくか、、、、
「わかった」
とりあえず近くにあった廃墟を修復してもらって
リビングに集まる
なんともいえない空気がリビングに漂う。
一番最初に口を開いたのはななっし~さんだった
「そもそも凸さんたちはいったい何なの?」
さぁいったい何から話そうか
「じゃあ凸さん任せた」
「はぁ!?」
じぃ~と凸さんのことを見つめる
「はいはいわかったから」
そういって僕の代わりに話し始めるのだった
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【凸もり】
「そもそも俺たちはこっちの生まれじゃないから魔法なんて一ミリも使えないぞ」
「は?何言ってるわけ、、、?だって私と対峙したときなんか紅いの生成してたじゃん、、」
「あれ魔法じゃないぞ」
「じゃあ何あれ」
「能力だ」
「こっからはお前の得意分野なんだからお前がしゃべろ」
「はいはい」
そうしてうたちゃんはぽつりぽつりと話始めるのだった
「そもそも能力っていうのは人間のリミッター外して戦闘力に置き換えたものっていうのが一番簡単な説明かな。
まぁ魔法に限りなく近い何かだと思ってもらうのが一番早いかな。ってかもともと魔法が元ネタだから。」
「えっ?魔法が元ネタなの!?ってか魔法が使えなのに魔法が元ネタ?どういうこと?」
「そもそもの魔法が存在してないからね。使うも何もないよ。だってないもん」
「じゃあないのにどうやって、、、」
「なくとも文献は残る。この魔法の世界と僕たちの世界は地続きだからね」
「ってかうたいさんなんでそんなに詳しいの!?もっと聞かせて」
「やばななっし~のスイッチ入っちゃった」
「ななっし~そういうの好きだもんね気持ちはわからなくもないけど」
「そりゃうたちゃん詳しいに決まってじゃん。開発者こいつだぜ?」
「まじ?」
「まじまじ」
「ねぇぼくいつまでこの話すればいいのさ」
「あぁ、、、、」
そういってべるちゃんの方みる
「はいはい。はなすからそんなにみないでっ!」
相当みられるのがいやだったのかそういいすててさもさんの後ろに隠れている。
かわいいとこあんだな
意外と
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【ななっし~】
「と、とりあえずみないからべるちゃんでてきて?」
「うん」
さもくんのうしろから若干照れた様子で出てくる。
隠れてる間になにがあったんだよ
「そもそもさ、、、わたしとさもくんここの生まれじゃないんだよね。」
「へっ?」
私を含めた三人が凍り付く。
「えっだ、だってそりゃいくら二人の方が幼馴染だって言ったってわたしと長い間いたじゃん、、」
「うん。だってもう三、四歳のころにはこっちにいたもん。ね。さもくん」
「うん。そうだね」
どういうこと、、?
「そもそも私たちは幼児期の発達段階が異常だった。ほかの子たちとは比べ物にならないぐらいに成長が早かった。そうだな二歳ぐらいで六歳ぐらいと知能変わんないぐらい」
「えっ、、、?それ相当じゃない?」
「六歳ぐらいってどんぐらい?」
「まぁ読み書きできるし、ちゃんと話せるしみたいなそんなレベル」
「なるほど、、、、」
「魔法使える人の特徴だね。成長スピードが異常なのは」
「そうなんだ。」
「だから結構記憶もあるんだよね」
「それで三歳ぐらいのときにはもうずっと一緒でさ、、、けど四歳ぐらいのときになんかへんな人たちにこっちの世界に連れられてきちゃったんだ。それ以降お母さんとかとも離れ離れでさ。」
「その時のべるは大変だったな、、、こっちきたばっかりのときずっとさもくんさもくんってないてて。あ『あっ俺が守らないとな』っておもったもん」
「なんていうかこの前のべるみたい」
「確かに」
「やっまって恥ずいっ!」
「ま、まぁ話は戻して、、、それでこっちに来てから三年ぐらいかな。戻りたいって思うようになったんだよね。」
「それで学校とか調べるようになったんだよね。手がかりを」
「もしかして、、、」
「そうその一つがこの森だった」
きいただけでも過酷だった。
そんな小さいころからお母さんと無理やり離されるなんて想像できない。
そりゃなくよね
しかも見知らぬ土地で
「ここ数年はなにも手がかりが見つからなくてさ。そんなときだった。ななっし~が旅に出ようって言ったの。もしかしたら帰れるきっかけが見るかるかもって。もしお宝がそれなら行く価値があるって」
そんなこと考えてたんだ
「そういえばあの絵本よんだのあっちの世界だったよね」
「うん。あの絵本大好きだった。なんども何度も二人で読んで、、、」
「けどさお宝あれ女の子なんだからべるさんたちが求めてるようなのあるわけなくない?」
「あっ」
「確かにwけど凸さんたちそっちの世界なんでしょ?私たちのこと連れててよ。お母さんに会えるかな?」
一瞬凸さんの顔が引きつる
「すべてが終わったらな」
「やったね!さもくん」
「そうだね」
「そうだ、、、、これってさ、二人のだったりしない?」
そういってうたいさんがポーチから絵本を取り出す。
「裏表紙見せてもらってもいい?」
「うん。」
そこには蝙蝠と切り身のようなシールが貼ってあった
随分とかすれている
「これ、、、!私たちのだ!」
「そっか。」
「これ見つけたの凸さんなんだからな~?おれに感謝しろよ?」
「それでなんか感謝する気失せたんだけど」
「ひどっ」
そっかだから二人ともそんなに仲がいいんだね。
「そういやさこの際だから聞くけど二人とも付き合ってんの?」
「な、なんで急に!?」
「その反応は図星じゃんw」
「そうだね、べるさんと付き合ってるよ」
そういってさも君がグイっとべるのことを自分の前に引っ張る
「かわいいでしょ?」
「はいはい」
「それでうたいさんの目的は?」
「解放」
「はい?」
「多分わかんないだろうからついてきて」
そういってみんなお宝のある遺跡の方に行く
みんな無言でついていく
ドクンと頭痛が響く
こそっと凸さんが私に話しかける
「ななっし~ちょっとだけ我慢しろ。一応効く痛み止めの飴やるから」
そんな子供だましな
とは思ったけど今はそれしか頼るすべがないのでなめる
うそだと思ったけれど少しづつ和らいで言ってる
地下へと続く階段を下ると気持ち悪いくらいに白い壁がそびえたっていた
そこをうたいさんがそうさする
ぱすわーど?というのを入れたらしく「1339」と入力している
ガチャと音がして扉が開いた
そこにはガラスポットのようなものに一人の赤髪の女の子がいる
中で安らかに眠っている
「別に死んでるわけじゃないよ」
そういわれて少しだけ安心する
「この子はこの魔法の世界と僕たちの世界を分離、、、させる役割を担ってる重大な子。そして_」
「僕の大事な人」
そういってガラスをそっとなぞる
そのしぐさだけでわかる
うたいさんの恋人なんだって
おもわず息をのむ
「分離って、、、、どういう」
「魔法と、僕たちの世界を分けさせる、、、、混在させないため」
「過去、人間は文明を発展させるか、魔法を残すかでもめていた、、、、もちろん当時の人たちはどちらもよいことを知っていたから決めきれずにいた。そんな時にある一人の人が言ったんだってさ。『なら、魔法の世界と文明の世界に分けましょうって』それでこの世界は二つに分かれた。そして最初に言い始めたその人がこの世界の分け目を司る存在となった。魔法はこれ以上発展することはないことが証明されたから魔法世界がこれ以上広がらないように今はこの司る存在が制御している。こうやってガラスポットに入れられてさいまは四代目なんだってさ」
そういって寂しそうに見つめる
「ほんとはね僕たち、、、ぼくと凸さんとこの子、、、おどろくさんはさ不老不死だからさ終わりがなかったんだ」
「何もなければこの星が滅亡するその時まで死ぬこともなく離れ離れだった。けどさ十年ぐらい前かな。こっちの世界が滅びたんだ」
「えっ、、、、」
べるが声を上げる
「あれだけいた人は忽然と姿を消した。ビルは日に日に崩壊していく。残ったのは僕と凸さんと僕の研究所にあったものだけ。僕だって原因はわからない。けど世界は滅んだからもう魔法の世界を制御する必要はない。だから解放してあげる。かわいそうだから」
「そもそもなんで十年ぐらい放置してたの?」
「うたちゃんが放置するわけないじゃんごいつずっと本部の資料漁ってそれを研究してとめる方法探してたんだぜ?ほんと真面目だろ?こいつ」
そういって凸さんがうたいさんにダルがらみする
「そもそもなんで能力なんて付与されたの?」
「僕がなんとなく思いついたから」
「そんだけかよ」
もっとだいそれた理由が聞きたかったな
「それじゃあそろそろ僕の目的始めていい?」
「ま、まって!ずっとずっと気になってたけどなんで私だけここに近づけば近づくほど頭痛がひどくなってくの!」
「あぁそれ?ななっし~さんまだ気づかないの?以外がね」
まだ気づかない?
じゃあもう明確なこたえがあるってこと?
「まぁ別に隠すことでもないからぜんぜんいうんだけど、」
「ななっし~さんだけ生まれが違うからだよ。君は異常だ。そもそもこっちの世界の生まれならこの場所、、、いや森の真ん中付近にすら立ち入ることはできない。だっておどろくさんが一人でここにいるのに簡単にこっちの人たちに入られたらたまったもんじゃないからさ。僕としても謎なんだよね。なんでななっし~さんがここまできて頭痛だけで済んでるのか。」
私にだってわからない。
なんでだろう
まぁ考えるだけ無駄か
「というかそろそろぼくの目的始めていい?」
この場にいる全員が頷く
そういって目の前にあるよくわからない板をいじっている
確かモニターっていうんだっけ
すごいな実在してるなんて
そうして
「できた」
そういううたいさんのこえが反響する
ガラスポットの扉が開いて女の子が倒れそうになる
うたいさんがそれをキャッチしてそのままおどろくさんを近くにあったソファーに寝転がせる
「しばらくはこのまんまかな」
「このあと三人はどうするの?」
「、、、きっともうお母さんはいないんだよね。」
「そうだね。生存者はいない」
二人は顔を見合わす
「それでも、帰りたい。」
「じゃあ俺たちと一緒だな!」
「ななさんは?」
「私は、、、」
正直この五人でいれた時間が今までの干からびていた人生の中で一番輝いていた。
、、、、きっと向こうの世界にも刺激があるはず、、、
そしてこのメンバーなら、、、
「私もこのメンバーといたい。だからついてく」
「おっいいじゃん」
そういって凸さんがポンっと肩をたたく
「痛いってば。力加減考えろ!」
その時ソファーから物音がした。
「うたえもん、、、?しぇんぱい、、?」
そうおどろくさんがつぶやく
「おどろくさん!!」
「おどろくちゃんおはよ。」
「うたえもん!?どうしたのだ?ってあ、、、そっかおどろく、、ってことはどっちかの世界おわっちゃった?」
「うん。こっちの世界の人たち滅んじゃった」
「そっか。えっと、、、うたえもんのうしろにいるのは、べるしゃんとさもしゃんとななっし~しゃんだよね」
「な、なんで!」
「おどろくみんなのこと知ってるよ。ずっとうたえもんたちがおどろくのところに来てくれる夢見てたから」
一瞬空気が静まる
そしてそんな静寂を破る様に
「はやくかえろ!」
そうおどろくさんが言う
「それじゃあ行こうか。僕たちの世界へ」