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遅れる ごめんね
部屋で待ってて
シャワーから出たタイミングでスマートフォンが鳴った。
今日は南雲の部屋で夕食をごちそうになり、朝まで過ごす予定だったのだが、仕事が長引いているようだ。俺は、身支度をして部屋を出た。夏の夕方、日中の暑さもやわらぎ、ぬるい風が髪を揺らす。日没の時間をマジックアワーと呼ぶ。橙と藍の混じるエモーショナルな色彩は、この季節は、よりビビットに見える。
南雲の住むマンションは、殺連関係者用のそれだ。住人も管理室のスタッフも殺し屋だし、出入りにはライセンスIDが必要だ。通いなれたエレベーターに乗る。俺が11階、後から乗ってきたサラリーマン風の男が7階だ。俺は入り口脇に立ち、今日の天気が表示されるモニタを眺めながら、久しぶりのお泊まりデートに浮ついていた。
ドンッ
「!!!」
突如、首に強い衝撃。
予備動作はない。
”透明な殺意”を身をもって理解したときには、俺の意識は途切れていた。
ーーー
さらさらした布の感触がする。わずかにエアコンの稼働音。こんなとき、周りの状況を把握するまでは動いてはいけないって、昔、坂本さんに教わった。覚えていてよかったぜ。エスパーを使おうとしたけれど、頭がぐらぐらしてうまくいかない。アルコールでフラフラになったときみたいだ。薄く目を開ける。暖色の灯りに、落ち着いた内装。シティホテルの一室だろうか。ベッドに寝かされている。拘束はされていない。人気がないことを確認して、体を起こす。レースカーテン越しに見える空はすっかり暗い。ベッド脇の時計は、19時すぎを示している。あれから1時間は気を失っていたのか。ポケットを探ればスマートフォンも財布も抜き取られていた。
そんなことをしていると。足音と話し声がこちらに近づいてくるのに気づいた。不意打ちを狙いたいけれど、身体がフラフラする。そうしている間に、ドアが開く。
「お目覚めかな」
見覚えがある。麻樹、殺連の会長じゃないか。
「人払いを頼んだよ」
そう言って黒服を下がらせると、麻樹は微笑んだ。
「実は、君にお願いがあって」
「私のスパイになってほしいんだ」
どうしよう、もう20時だ。
急いで部屋に帰ってきたものの、人の気配がない。
おかしい。
シンくんに電話をかけながら、部屋を探す。怒って帰ってしまったのかと思ったけれど、そもそも来た形跡がないのだ。10コールを超えても、繋がらない。メッセージもない。慌てて坂本くんに電話するけど「お前とデートと言って出かけた」って、そんなバカな。
これから南雲とエッチする約束だったのかな。
麻樹は俺のTシャツを捲り上げると、体をまさぐる。
どこもかしこも南雲に開発されてしまったから、刺激されればきもちいい。
胸の飾りを指がかすめると、甘い声が溢れる。
「んっ……」
「敏感なんだね」
「はぁ……こんなことして面白いんすか?」
「南雲のお気に入りを暴くと思うと興味深いね」
「お気に入りは、俺じゃないと思いますが」
「そうかな」
麻樹はそういうと、口付けてきた。
蹂躙といっていいほどの、支配するような口付けに頭がくらくらする。
麻樹は俺のズボンを下着ごと剥ぎとると、脚を開かせた。
愛撫によって反応したペニスが揺れ、恥ずかしさに顔を背けると、麻樹が微笑んだ。
「大事に抱かれているんだね」
「まるで処女のような可憐なつぼみだ」
麻樹の指が、アナルをなぞる。南雲とするために準備してきたから、すでに準備万端だ。麻樹はローションを絡めた指を、つぷりと挿入した。恋人にしか許していないナカを、麻樹の無遠慮な指が荒らす。
暴こうとする指が、”いいところ”を掠めるたびに、嬌声が漏れる。
「んっ……」
麻樹はにやりと笑うと。
俺の前立腺を、執拗に責めた。
「いや……」
「そうかな、私には、ずいぶん良さそうに見えるけれど」
「だめっ……っ……アッ……」
「ふふふ」麻樹は笑う。
「いやらしい顔だね」
頭が真っ白になり、ナカが痙攣する。麻樹の指で中イキしてしまった。
「君、こっちの才能あるよ」
「はぁ……はぁ……」
イったばかりなのに、指をばらばらに動かしてナカを刺激する。
「……っ!……もう、いやぁ……」
流石に泣きが入る。過度な快楽は暴力に等しい。
「もう……許して」
「そうだね」
カチャカチャとベルトを外す音、衣擦れの音がする。絶頂による、甘い痺れが体を支配している。快楽でぼやけた頭で見上げると、重量のある筋肉質な身体と、暴力的な剛直に、息を呑んだ。
「そろそろこっちをあげようね」
麻樹は俺に覆い被さると、俺の脚を大きく開き、腰をがっちりと固定した。
麻樹会長って、シュッとした印象だけれど、フィジカルも強いんだなとか、着痩せするんだなとか、そんな現実逃避をする。
グロテスクで、凶暴な魔羅がつぼみにあてがわれる。ごめん、南雲。
「っ……!」
恋人にしか許していないナカが犯されていく。
「あっ……んっ!……」
「はぁ……生娘のように狭いな」
「南雲は、こんな名器をひとりじめしていたなんね」
麻樹は、暴いたそこに麻樹の形を覚え込ませるようにして、処女のような締め付けを味わっている。
「そろそろかな」
麻樹は、俺の腰をがっちりとつかみ、ピストンを開始する。
「あっ!あんっ!……いゃあ、っ……だめ」
「ずいぶん善さそうだね」
カリ高なペニスで、前立腺をぐりぐりと責められると、おかしくなってしまう。
「いゃ、あっ……あん!あっ……っう」
ぐちゅぐちゅと、いやらしい水音が響く。
麻樹の剛直が打ち付けられるたびに、可憐な陰茎がふるふると揺れた。
「あっ……ぅっ」
「俺のものになるかい」
「趣味悪いですよ……」
「まだ、そんな口がきけるんだね」
そう言って、激しく奥を責めたてる。
「あっ!あんっ……いゃ、っ……アッ」
正常位で奥を突かれて、まるで、子作りセックスみたいだ。
麻樹の重量のある体躯でがっちりとホールドされて逃げ場がない。ピストンが速さを増す。
「はあ……私もそろそろ限界だよ」
「えっ……あっ……いゃ……」
ピストンは止まらない。前立腺を抉られ、またイってしまう。
「アッ……」
「ッ……出すぞ!」
麻樹の濃厚な精液が、ナカへと注がれる。
そんな、中出しなんて、南雲にもされたことないのに。
「アッ……っ……はぁ……はぁ」
長い吐精ののちに、剛直が抜かれた。
散らされたつぼみから、トロトロと精液が溢れる。
「夜はまだ長いんだ」
そう言って麻樹は微笑んだ。