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短編 【 曼珠沙華への追想 】
・一次創作
・悲恋
・死ネタ
・誰も幸せにならない
高校二年の夏 。
俺の想い人は 死んだ 。
美しい人だった 。
姿も 、 声も 、 所作も 、 何もかも 。
「 立てば芍薬、 座れば牡丹、 歩く姿はユリの花 」 とは 、 まさに彼女のための言葉だと思う 。
それくらい 、 美しく 、 それでいて慎ましやかな人だった 。
俺はその人に 、 世間一般で言う “ 恋 ” というものをしていたのだ 。
誰から見ても 、 きっと不釣り合いな 、 叶わぬ恋だっただろう 。
それでも好きだった 。 たとえ叶わなくても 、 俺は彼女に … 斎藤麗音さんに、恋していた 。
高校一年生の冬 。
この地域では珍しく 、 雪が降っていた 。
部活も雪の都合で無しになり 、 俺は早々に帰路に着くことにした 。
雪と言っても 、 ほとんど雨に近くて積もることなんてない 。
だが 、 俺が入っている陸上部や屋外で活動をする部活は帰るものも少なくはなかった 。
( こりゃ 、 自転車置いてきて正解だったな 。 )
普段自転車登校の俺は 、 いつもの2倍近くの時間をかけて家に帰られなければならない 。 まったくもって迷惑な話である 。
「 あれ 、 泰志自転車は ? 」
「 俺今日歩き 〜 。 」
「 うっわマジか 、 自転車引きずり仲間だと思ったのに !!! 」
「 不名誉すぎるだろ 、 その仲間 。 」
「 くっそぅ …… ! 」
馬鹿を言い合い 、 笑いながら友達と帰る 。
これが 、 俺のその時までの “ 普通 ” で 、 当たり前だった 。
「 あ 、 教室に筆箱忘れた 。 」
うっかりしていた 。 今日は明後日提出の課題を仕上げようと思ってたのに 。
俺は普段から 、 勉強に必要な道具は家には置かずペンケースに入れて持ち歩いていた 。 そのため 、 ペンケースがないと課題が一切進められないのである 。
しかも 、 今回やろうと思っていたのは数学だ 。 図とかなんかそういう系の 、 丸やら四角やらを書かなければならない 。
「 ちょっと俺 、 教室に筆箱取り入ってくるわ 。」
「 ん ? わかった 〜 。 下駄箱で待ってるな 〜 。 」
速歩で階段を上り廊下を歩く 。 こういう時走ると顧問に見つかるんだよなぁ … 。 説教長いから極力早歩きだ 。
ガタッガタッ
風が窓を打ち付ける 。 どうやら 、 風まで強くなってきたらしい 。
「 こりゃ 、 とっとと帰った方がいいな 。 」
より足を速くした 、 そんな時だった 。
俺が彼女に出逢ったのは 。
窓辺の 、 後ろから三番目の席 。
彼女は 、 そこに座っていた 。
何か小説を読んでいるのだろうか 。
綺麗な指は 、 本のページをめくっていた。
恋に落ちる 、 音がした 。
その後のことは 、 正直よく覚えていない 。
ただ 、 友達から凄く心配されたこと。友達から彼女の事を聞いたこと 。
その夜は興奮して 、 あまり眠れなかったこと 。
そして … 結局ペンケースを自身の教室の机に忘れたまま帰り, 一切課題が進まなかったこと 。
その後 、 結局寝不足で回らない頭を必死に働かしながら課題をギリギリで終わらせたことは言うまでもない 。
それでも 、 その日から俺の目が彼女から離れることはなかった 。
成績優秀 。 聴けば 、 定期テストではいつも上位に名が乗っているらしい 。
運動神経も抜群で 、 まさに文武両道 。
そして口調も丁寧で 、 楽器も弾けるという 。
ついでにいうと 、 容姿も整っていて声も鈴のような人だ 。
他クラスの男子からはまぁ 、 モテた 。 持てるというより 、 憧れの目で見られていた 。
まあ 、 俺と彼女は当時別のクラスだったから当然接点などないし 、 所謂覗き見 、 所謂一目惚れなのだけれど 。
そんな事 、 俺には関係なかった 。
だって 、 好きになってしまったのだ 。 それを罪なんて言う人間がいたならば 、 俺はそいつを殴っていた 。
… 好きになってしまったんだよ 、 どうしようもないくらい 。
春 、 俺は進学して晴れて二年生になった 。
そして 、 なんと想いを寄せている彼女と同じクラスになった !!!!
これ以上ないほどの幸せだった 。
けっして席が近いわけではなかったけれど 、 それでも同じ空間で空気を吸って 、 同じ教室にいれるだけで幸せだった 。
その日までは 。
一年の時 、 彼女と別のクラスだった俺は知らなかったんだ 。
彼女が同じクラスの女子にいじめられていたなんて 。
信じられなかった 。
… いや 、 でもよく考えれば当然かもしれない 。
彼女は浮いていたらしいから 、 よく考えればイジメという答えにたどり着いていたはずだ 。
それから 、 俺は極力できる限りは彼女を庇った 。
だって 、 好きな女すら守れずして 、 何が男か 。
なにより 、 イジメを黙認するなんてやつにはなりたくなかった 。
でも 、 逆にそれが良くなかったのかもしれない 。
彼女のイジメは 、 それからさらにエスカレートしていった 。
彼女はきっと 、 耐えきれなくなったんだろう 。
だからきっと 、 彼女と家族が住んでいるマンションのベランダから飛び降りたんだ 。
やるせなかった 。 そしてなにより 、 申し訳なかった 。 彼女に対しても 、 彼女の両親に対しても 。
涙すらも 、 出ないほどに 。
消失感とやるせなさ 、 もう 、消えてしまいたかった 。
でも 、 そんなことは出来なかった 。
「 君が鈴宮君かい ? 」
「 え … あ … 、 鈴宮泰志なら 、 多分俺の事だと思います 。 」
「 そ 、 うか … 。 よく麗音から聴いていたよ 。 」
「 さ 、 いとうさんから … ? 」
正直 、 凄く戸惑った 。
彼女から見たらただのでしゃばったモブだと思っていたのに … 。
「 …… いつも 、 楽しそうに君の事を話していたよ 。 あの子はなかなか友達ができなかったから 、 私達も嬉しくてね 。 」
信じられなかった 。 いや 、 たしかにできる限りは庇っていたし 、 話すこともそれなりにはあったけど … 。
言ってしまえば 、 俺は彼女にとってただただでしゃばっているモブだ ( 二回目 ) 。
なんというか … なんといえばいいのかわからない気持ちだ 。
「 … 冗談 、 では無いですよね 。 俺は別に … 何もしてないですよ 。 … 何も 、 できませんでしたから 。 」
……………………。
「 そんなことはないんだよ 。 」
「 …… え 、? 」
「 …… これを 、 君に 。 」
これは … 手紙 ?
「 …… これ 、 …… 」
斉藤さんの … 字だ 。
何度も見てきた彼女の字だ 、 俺が間違えるわけが無い 。
「 …… あの子からの 、 手紙です 。 」
いままで静かに泣いていた斉藤さんの母親が言った 。
「 … 麗音に変わって 、 御礼を言わせてちょうだい 。 」
嗚呼 、 似ている 。 彼女に 。 いや 、 彼女が母親に似たのか 。
彼女と同じで 、 義理堅く 、 慎ましやかで 、 外も中も美しい 。
( 御礼なんて … 言われるようなことしてないのに 、 … 。 )
「 ありがとう 、 あの子のことを守ってくれて … ありがとう 。 」
守れてなんていないのに 。
お礼なんて 、 俺が言われる筋合いは無いのに 。
「 ッ …… いえ 、 おれ 、 なんて … 、 」
結局なにも出来なかったのに 。
「 … それじゃあ 、 私達はもう行くわね 。 」
「 ッ 、 … はい 、 わざわざ時間を取ってくださり 、 ありがとうございました … ! 」
「 … よければ 、 またあの子に会いに来てくれ 。 」
「 ! … はい ! 絶対にまた … 、 」
また 、 彼女に逢いに行きます 。
最後まで言えなかったが 、 彼女の両親は察してくれたのだろう 。
少しだけ表情が柔らかくなった気がしたが 、 すぐに俺に背中を向けて歩いてしまったのでよくわからないままだ 。
家に帰ってきて 、 さっそく手紙を見ることにした 。
( 恨み言とか書かれてたらどうしよう … それだけで死ねる 。 てか病む 。 )
一抹の不安を抱えつつ 、 とりあえず彼女からの手紙を読まない手はないのでガクブルしながら封を開く 。
「 …… は 、 はは … 、なんだよ … くそ 、 」
なんだよ 、 案外ちゃんと守れてたじゃん 。
結果彼女はいなくなってしまったわけだけど 。
「 くそ … くそ … ッ 、 」
涙が止まらなかった 。
なんというか … 、 ようやく彼女がいなくなった事がようやく正しい意味で理解できたんだと思う 。
ほんと … さっきとはまた別のやるせなさが酷い 。
( あ 〜 あ 、 語彙力もヤバいな … 。 まあ 、 明日は顔の方が酷いと思うけど 。 )
「 … 俺 、 今すっごく辛いし 、 死にたいけど … 、 」
彼女と同じところにいきたいけれど 、
「 … 生きるよ 、 俺 … いつかその時まで 、 生きてみせるよ … 麗音さん 。 」
貴方がそう望むのなら 、
貴方が俺に 、 そう言ってくれるのなら
「 … 俺は 、 生きるよ 。 」
嗚呼 、 でも ……
「 できることなら 、 貴方と共に歩みたかった 。 」
… はは 、 なんていうか … 思ってたより俺 麗音さんのこと好きだったんだなぁ… 。
重くて俺も自分でびっくり 。
「 …… はぁ 〜 、 とりあえず 」
「 学校退学しよう 。 」
あんなクソどもと一緒になんていられるか☆
… 𝗍𝗁𝖾 𝖾𝗇𝖽
【 あとがき 】
友達のiam とノリでワンドロ小説書きました !!!
今回おだいは「 死ネタ 」 と 「 恋愛 」 でした !!! iam の 方の投稿も是非見てみてね !
… これは死ネタと言えるのだろうか … ?
ちなみにボクは時間が足りなくてiamのご慈悲で+一日 追加させてもらった 。 頭上がらんやでぇ …
下手くそ感が否めないけどこうゆう系書くの初めてだし許して欲しい 。
もう頭回ってないんだよ 。 勢いだけで書いてるけど許してくれるよね …… ?? てか許せ 。
感想とか書いてくれるとありがたいです … !
次回一次創作書く時の参考にします 。
結論 【 ノリと勢いで小説は書くべきじゃない 】
糸冬 !!!!!!!!
コメント
2件
死ネタだねぇ😊😊😊😊😊