その頃。ギルベルトは遠くの方から迫る雨雲を執務室の窓から眺めていた。
「天気が崩れそうだな……」
眉をひそめて独り言ちる。
すぐに後ろを振り返り、マホガニーの応接机で作業するフランツに問うた。
「セシリアたちからの連絡は?」
「今のところはありません」
「そうか……」
もう一度、窓の向こうを見る。
なんだろう。妙な胸騒ぎがする。
不穏な色をした雨雲がギルベルトの不安を更に煽ってくるようだった。
居てもたってもいられなくなり、ギルベルトは踵を返してドアへと向かう。
「陛下⁉」
「迎えに行く」
素っ頓狂な声を上げるフランツに短く告げて、ギルベルトは部屋を出た。
「お待ちください、陛下~」
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