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私は長い夢を見ていたように思います。
それは、目覚めることを知らない暗闇の中。
私はここで朽ちて終わる。
そんなことを思っていました。
でも、とある日に出会ってしまったのです。
一人の少女に……。
彼女の名前はメル。
彼女は突然、鍵のかかった私の部屋の中に
存在していたのです。
理由は未だに分かりません。
ですが、それは言うなれば、
運命だったように私は感じております。
貴方と出会わなければ
こんな感情を持ち合わせることも、
夢から覚めたいなど間違っても思う事はなかったでしょう。
私はどうしてこの世界にいるのでしょう。
すごく抽象的な答えでしたら持ち合わせています。
漠然と、現実は怖いという感情が置き去りにされているのです。
だから私は、戻りたくない。
とても単純な理由です。
それでも、現実は残酷です。
何故ならばここにも、
私の現実へ戻るための手助けが
刻まれてありました。
どんな本を漁っても、
自分の夢日記を見つけてしまう。
けれど、私は見ないようにしました。
それはただ、見たくないから。
そうして、真実と向き合わないまま、
彼女と出会ってしまったのです。
彼女とは、とても幸せな時間を過ごすことが出来ました。なんて充実した時間だったのか。
これまでに経験したことのないくらいに、
時間があっという間でした。
色々ありましたが、
それでも私は彼女を変わらず
愛していました。
ですが、彼女は今まで
私が見てくることのなかった真実と向き合ってしまったせいで、
彼女は自身を悲しませる結末を
辿ってしまいました。
私は、それに抗うことも出来ず、
ただ転がり落ちた真実を眺めていました。
それでも私には、知る勇気が持てなかったのです。
けれど彼女は、私と過ごしている間も知ろうとしました。
彼女が涙を流しながらに話したこと。
私には分かりませんでした。
私では分かることが、出来なかったのです。
しかし、彼女が
私を知ったことで少なからず
彼女が傷つく事になったのも事実でした。
私はそれを見てさらに
真実と向き合う理由が分からなくなりました。
真実というものは、知る必要は無い。
真実があるから、誰かを傷付ける羽目になる。
私がたとえ、
彼女自身から生み出されていた存在としても……
私がたとえ、
彼女の命に従っていたとしても……
私がたとえ、
彼女の傍にいられないような存在でも……
それでも私は……
彼女に
伝えなければなりません。
私は自分の意思で
彼女の夢に従ったのです。
それが、
彼女のためになると思ったから……。
私が彼女を傷付けたんです。