TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
猫の好奇心

一覧ページ

「猫の好奇心」のメインビジュアル

猫の好奇心

6 - 第1章 赤く光ったあのひとみ 第5話

♥

176

2024年09月27日

シェアするシェアする
報告する

ご飯が食べ終わり、お腹も満腹になってきた頃、一つ着信がかかってきた。


「 …?なんや、着信誰や?? 」


電話をかけてきたのは…

ふわっちだ。


『 ん、ふわっちだ。 』

「 不破か。とりま出たってや 」


言われた通りに電話に出ると、すぐに電話越しから焦った声が聞こえてきた。

尋常じゃないくらいに怯えているような…そんな声だった。


〘 助けてぇ、ッ!!もちさん、こわい、なんか、あきなが、あきながいるっ、!!!! 〙

『 アッキーナ!? 』


思わずがた、と席を立つ。椎名も察したのか静かに話を聞いている。スピーカーにしてまた続きを聞いた。


〘 あきな、なんか、雰囲気違くてさ、なんとなく怖なって、居留守を使ったんやけどさ、声がだんだん別人のように聞こえてきて…!!とっ、にかく、きて、!!! こわいんや、!!! 〙

『 落ち着いてふわっち、今家???今から椎名と行くからなんとか耐えて、 』

〘 わかった、はよ来てホンマに、!!! 〙

「 …行く必要あらへんでそれ。 」


さっきまで黙って聞いていた椎名がそう口を開く。


『 …え?なんで、 』

「 罠や。 」


ふわっちは椎名の声に気が付いたのか必死に縋り付くようにまた喋り出した。


〘 しッ、しいしいもいるん、!??なぁ、助けて、怖いんやッッ!!!なあ、嘘ちゃうって、怖い、アキナに取り憑かれてる猫叉を祓わんくていいんか!!? 〙

「 は〜いボロ出たねぇ〜、ふわっちい〜w 」


焦ったような声で必死に弁明をしていたふわっちにすかさず椎名がカウンターを入れる。

ちょい電話貸せ、と椅子から立てば僕の携帯を取り、普通のトーンを維持したまま話し出した。電話越しのふわっちは明らかに動揺をしていた。


〘 ッ、!? 〙

「 なぁ、なんでアッキーナに猫叉が取り憑いてるって確信持って言えるん? 」

〘 それは…も、もちさんが…!!! 〙

「 剣持、言った??ふわっちに。 」


僕は首を横に振った。まだ情報が分かってから数日も経っていないし、その霊が本当に猫叉なのかという確信すら持っていなかった。

僕はその時点で本当に罠だったんだな、と感じる。


「 はァ〜〜…何処でふわっちの声とか口調を知ったんか分からへんし、どう声を変えてんのか分からへんけど、そう簡単にあてぃしらは騙されへんで〜?? 」

〘 …ぐ…ぅ… 〙


狼狽えたような声を出して、反撃の言葉すらも出ずにいた。

きっとふわっちの家の場所を探ろうとしていたのだろう。知らないから。ここで素直に行っていたらバレていて、そのままふわっちにもすぐ被害が行き、めんどくさい事になるのは勘弁だ。

気付いてくれて良かった、なんでホッと安心しながらも、またこういう電話が来るかもしれない、と改めて気を引き締めた。

そして…多分きっと、アッキーナの次に狙うのはふわっちだろう。要警戒…だな。


「 ほぉ〜ら、反論もできひんのぉ〜??wふわっちならきっと反撃してくるけどなぁw 」


そう相手を煽り散らかしては楽しそうにふわっち(猫叉)の反応を楽しむ。

やがては折れたのかそのまま電話を切られてそこで終了した。


「 あ、切れた。意外と口と煽りは弱いんやな。 」


そう言うと僕に満足そうな顔をしながら携帯を返してくれた。

…今の一連の流れを見ていたら、そう簡単に油断はできない。相手は本気で僕らを陥れ、騙し、メシャの身体を狙っている。目的は未だにまだ分からないが…いつか分かるだろう。


「 ん、せや。剣持。一応不破に連絡入れといてくれん?実はホンマにアッキーナが来てて〜…やとマズイからな。 」


確かに、と納得した僕は言われた通りふわっちに電話を掛けた。二、三コールくらい経ってから割と直ぐに電話に出てくれた。


〘 もちもち〜、もちさんどうしました〜? 〙


電話の声の主は至って普通のふわっちがいた。ホッと安心をして、” いや、なんでもない。 “ と適当にはぶらかして出てくれてありがとうと一つ御礼をし、電話を切った。


〘 うぃ〜っす!んじゃ、また収録の時に〜 〙


ピッ


『 いつも通りだったな。まだそんな心配しなくても良さそう、 』

「 不破だったらアッキーナが霊に憑かれてる事言っても良さそうやけどな。ターゲットにされてるし 」

『 あ〜…確かに。まぁ今は変に焦らせたくないしいいかな…明那は俺が助ける!!って突っ込まれても困るし。 』

「 まぁねぇ〜、まぁそこは剣持に任せるわ〜 」


ほら、夜も遅いし、朝早いしはよ寝るで。と、僕を背後にスタスタと寝室へ向かっていった。

明日も情報収集。それにふわっちと黛さんに御守りを渡す必要もある。明日は個人の行動になりそうだな…


『 …ってかナチュラルに寝室行きやがった…!!一つしかないのにアイツゥ…!! 』


なんか…人と、ましてや異性と寝るのに、久々過ぎて抵抗がある。僕はリビングのソファで雑魚寝をする事にした。

この作品はいかがでしたか?

176

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚