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「チケットだよ。」
「ちけっと?」
「遊園地って分かるよね?
その遊園地に入るために必要なものだよ」
マスターはそういうと、ニコッと微笑みながらこちらを見ていた。
「遊園地、行っていいの…??」
僕が嬉しそうな声を立ててそういうとマスターはさらにニコッと笑いながらもちろん。そう言った。
「但し、hukaも連れてってね。」
「huka?」
「hukaは感情が無いって言ったでしょ?
だから遊園地でいっぱい感情を見つけてきてね」
マスターはそういうと、チケットを僕の手に押し込むように渡した。
hukaと出会って3日目。
僕達はマスターに渡されたチケットで遊園地に行くことになった。
「Fukase、遊園地って何するところなの?」
「きっとhukaも気に入るよ!ワクワクするところなんだ…!」
僕がそう言うと、hukaは目を輝かせていた。
「私、遊園地初めて!でもたのしみ!」
やっぱり前のhukaとは反応も全然違う。
それでも、僕はこのhukaが大好きだった。
「遊園地ってどんなこと出来るの?」
「ワクワクすることだよ笑めっちゃ速い乗り物に乗ったり高いブランコに乗ったり…」
僕がそう語ると、彼女は子犬のような目付きでこちらを見ていた。
本当に愛おしくて可愛い。前のhukaとは全く違った想像も出来ないような…そんな可愛さだった。
遊園地。
そこは…明るくて、キラキラしていて、夢と希望の詰まったところだった。
中古VOCALOIDだった自分からは想像も出来ないようなところ…本当に綺麗だ。
「コスモワールド…?」
hukaは看板を見ながらそう読み上げた。
そう、ここはyokohamaにあるコスモワールドだ。
「huka、行こっか」
僕がそう言うとhukaはうん。と小さく頷いて、僕に続くように歩き出した。
「Fukase…コスモパニック乗りたい!」
hukaはそういうとコスモパニックと書かれた看板を指さした。
「いいよ、乗ろっか」
僕はそう言いながら頷くと、彼女に着いて行った。
「2名様ですか?」
「はい!」
「ただいま貸切中なので、是非楽しんでくださいね!」
キャストの人は愛想が良くて人間味のある人だった。
そんなキャストのことを、hukaは羨ましいような…楽しいような…そんな目で見つめていた。
コスモパニック内には、幻想的な空間が広がっていた。
真っ黒な夜のカーテンが空を覆う。
照らされた星。大きな乗り物。
そして、横には大好きな彼女が居た。
「なんだか、凄く楽しい…この感情はなんて言うの?」
「それはワクワクするってことかもね」
「ワクワク…!ワクワクする!!」
hukaはそう言うと楽しそうに微笑んでいた。
本当に綺麗で楽しくて、ずっとここに居られたらいいのに。なんて思えたのも、つかの間だった。
「止まった…?」
hukaの声とともにコスモパニックは非常口前で止まった。
「非常口…?」
僕が疑問に思いながらも非常口に手を伸ばすと、hukaはその手を軽く掴んで小さく横に首を振っていた。
「危ないよ…何があるか分からないもん」
「でも、きっと何かいい事が始まるよ」
僕は自分自身の勝手な好奇心に囚われながらも、その重い扉を開けた。
「何、ここ…」
そこには巨大な樹の生えたパーティー会場のようなものがあった。
「ようこそツリーランドへ!」
声のするほうを見るとそこには小さな兎が飛んできた。
hukaは少し怖がっているようだったが、僕は自分自身の好奇心に従ってみることにした。
「ほら、鐘が鳴ったよ!」
兎がそう言うと樹にぶら下がっていた大きな鐘が揺れる。パーティが始まるんだ。
現在公開可能な情報
yokohamaにある遊園地、コスモワールド内にあるコスモパニックでは秘密のパーティに繋がる通路がある。
そこはVOCALOIDや動物。人間以外の生物のみが入れるカーニバル。ツリーランドだった。
参考歌詞
┊︎ SEKAI NO OWARIより炎と森のカーニバル