誰かが背中を叩いた。振り向くと、英治だった。後ろにあるトイレの帰りの様子だ。
「何だよ」と俺は聞いた。
彼の目が、すわっている。
「あなた、ロック勘違いしてません?」
あなた、と彼から呼ばれたのは初めてのことだ。英治はそれだけいうと、元の場所に戻っていった。
上座が、急に慌しくなった。
卓が席を立つ。
次々人が立ち上がる。
この部屋の出入り口に向かう。
「皆さん、盛大な拍手をお願いします」と卓が言うと、
同時に、
米子社長と羽田副社長が、
この部屋に、
本当にやってきた。
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