テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

自分でもこの物語の続きが気になるという不思議な感情になっています…!

思い出と記憶の第4話です!




日本「はぁっ…はぁっ…」


う”っ…クラクラする…

やっぱりちょっと熱があるのかな…

あと、フランスさんに後で謝らないとっ…!


日本「はぁっ…うわぁッッッ?!??!!」


意識が朦朧としたままただひたすらに走り、途中の段差に気づかずにその場で転んだ。


日本「い”っ…⁉︎」


手を着かずに転んでしまったため、顔にまで傷がついた。そして、まるで地面に思い切り吸い寄せられているかの様に上手く起き上がれなかった。


日本「っ…」


まずい…視界が歪んで_



***



??「ちょ…お前、大丈夫アルか…?」


頭上から聞き覚えのある声が聞こえる。

どうやら少しの間気を失っていたようだ。


早く、起きないと…


でも、全然起きれないっ…、


日本「す、すみませっ…ん…ちょっと…」


せめて顔を合わせようと思い、うつ伏せの状態から必死の想いで仰向けになり、重い目蓋を開けた。

すると、


中国「お前、マジで大丈夫アルか…って、」


なんと、目の前には私が『逢わなきゃいけなかった人が居たのだ。


中国「日本…?」



日本「ぇ…あっ、あー!すみません!私はこれで…わわっ!?!?」


逢いたかった。逢わなきゃいけなかった。

…はずなのに、逢った途端に、逢いたくなかったと思ってしまう。


誤魔化して、その場を立ち去ろうとすると、結局また転ぶ…


中国「全く…お前は相変わらず危なっかしいアルなぁ…」


事は無かった。

転びそうなところを中国さんが支えてくれたのだ。


日本「えっ、あ…」


私は気まずさのあまりに傷だらけの顔を、傷だらけの手で覆い尽してしまった。


中国「こんなに熱があるのに、その状態で走ってたアルか?お前にもそんなに熱心になれる事があるとは…」


日本「……」


中国さんがそう言った瞬間、私は顔を隠していた手をそっと退けて、空気を割いて言った。


日本「貴方に逢う為ですよ。」


私は、思い切って真剣な顔で中国さんを見つめながら言ったが、後から自分の発言に自分で恥ずかしくなって、つい目線を逸らしてしまった。


中国「……」


中国さんは、ただこちらじっと見つめてくるだけだった。


何か地雷を踏んでしまったのだろうか…。


中国「…よっ、良かったぁ〜…」


日本「へ…?」


予想外の返事が返ってきて、私は戸惑ってしまった。


中国「さっき、お前に電話掛けたんアルけど、全然出る気配無かったから…てっきり、もう我の事なんてどうでもいいと思ったんアルかと思って…」


中国さんは少し安堵したような顔で言った。


日本「そっ、そんな訳ないでしょう…!!

中国さんは私の恩人で…それでっ…」


中国「……」


中国さんは優しい顔でこちらを見つめてきた。

懐かしい、あの時と変わっていなかった。


日本「…あのっ、中国さん…!私…

謝らないといけなくって…」


中国「……色々、あったアルからなぁ…」




(回想シーンです)


病院の先生「…これは、入院した方がいいかもしれませんね…」


中国「入院…」


病院の先生。前に担当だった先生は移動になったため、今は、この片眼鏡をしていて、少し独特のオーラを放っていて…

そして、イメージよりは身長の低い先生が担当になった。


そして、その先生は言いにくそうな顔で言った。


日本「中国さん…私、にゅーいん?しなきゃなんですか…?」


中国「……」


病院の先生「…怖がらすような事を言ってしまって申し訳ないのですが…。

近頃の日本くんは、症状が急速に悪化しているように見えます。精神的な面もあると思いますが…

このままだと、最悪、手術しないといけないかもしれませんね…。その可能性を、少しでも減らす為には入院した方が良いかと…」


中国「……」


身体全身がヒリヒリとする。

まるで、自分の事のように

鳥肌が立った。

何か返答をしなければ、と思いながらも

口が震えてしまい、まともに喋る事も出来なかった。


日本「中国さん…?」


日本が心配そうな顔でこちらの顔色を伺ってきた。


病院の先生「…絶対と、保証は出来ませんが…。現状で、死に至るという事は無いと思います。入院して、ちゃんと上手くいけば、身体も普通に元通りに動くようになるでしょう。」


中国「本当…ですか…?」


病院の先生「はい。どうされますか?」


中国「……日本。」


日本「はい…?」


まだ、子供らしく、高めの声をそっと響かせた。


中国「入院…

いや、病院で毎日過ごす事になってもいいアルか…?」


さっき、入院という言葉に首を傾げていた事を思い出し、なるべく分かりやすいように伝えた。


日本「え…それって…」



日本「中国さんに会えなくなっちゃうんですか…?」


中国「へっ…?」


日本の方から、そんな言葉が出るとは思いもしなかった。


日本「私、中国さんに会えなくなっちゃうのは嫌です…」


日本が、こんなにはっきりと物事を言えたのは初めてだった。


中国「…だっ、大丈夫アルよ〜!多少会いにくくなるかもしれないアルが、我がなるべく毎日ちゃんと会いに行くアルからな!」


日本を安心させようと、出来る限り明るい声色で言ったつもりだった。


日本「本当、ですか…?」


病院の先生「…いいのですか?貴方も学生だから忙しいだろうに…」


病院の先生は申し訳なさそうに言った。

確かに、自分は学生だし、受験勉強も忙しい。

でも…


中国「嗚呼、大丈夫アルよ。

もう…1人にはしねぇアルからな…。」


日本「…はいっ…!」


こいつを、もう2度と1人には出来ねぇアルからな。




それから、我は出来る限り毎日病院へ足を運んだ。


日本「…!中国さん…!見て下さいこれっ…!」


中国「おお〜…!日本は手先が器用アルな〜!」


日本が見せてきたのは、折り紙で折った鶴達だった。


入院してからも、症状を悪化させない為にずっとベッドで安静にしているようにと言われたが、流石にそれでは退屈なんだろう。


入院中は、折り紙で鶴を折っている事が多かったが、

時にはとても分厚い、難しそうな本を読んでいたり、時には誰かに手紙を書いているようだった。



中国「(よく考えれば、折り紙以外は小学生とは思えない過ごし方アルな…)」


古びた缶箱には、沢山の色の折り鶴が入っていて、その一つ一つがとても丁寧で、日本の性格が出ていた。


中国「…?なんアルか?この本…」


日本「あっ、あ〜…それは…!」


見慣れない表紙の本だった。


中国「(ん…?ドイツの、歴史…?)」


日本「どっ、ドイツさんが貸してくれたんです…!私が、ドイツ史を知りたいって言ったら…!」


中国「ドイツ…嗚呼、この前来てた友達アルか?」


日本「はいっ!」


ドイツという友達の事は、日本からよく聞いていた。


昔から仲が良かったようで、時々お見舞いにも来ているようだった。


日本「ドイツさん、とっても優しくって…

私に、『笑っててほしい』って言ってくれたんです…!」


中国「へぇ〜…」


はは〜ん…?そういう事アルか…


中国「日本は、ドイツの事が好きなんアルなぁ〜?w」


日本「えっ?いっ、いいいいえっ!?!

別に決してそういう感情は…!!」


日本は慌てて誤魔化そうとする。

これは、ビンゴアルな。


中国「とか言って、顔が赤いアルよ〜?」


日本「うう…好きっていうか…

ドイツさんは…単なるお知り合いです…!!」


中国「本当アルか?」


日本「…そうですよ!ドイツさんはただのクラスメイトで…。だって…、」


中国「……?」


日本「…もう、裏切られたく無いんです…。」


中国「……そうアルか。」


それでも、やっぱり少しドイツに気があるように見える。

何か情を抱いている事は間違いないだろう。


中国「(…あれ…?なんか、おかしいアル…)」


なんで…


何でこんなに心がチクチクするんアルか…?




アメリカ「おい聞いたか?あれ…」


ソ連「いやいやただの噂だろ…」


アメリカ「マジだって!!見にいこうぜ!!」


ソ連「え、ちょっ、俺を道連れにするなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


放課後、クラスであちこちが騒ぎ始めた。

そして、何故か悪寒がした。


中国「…何の話してるアルか。」


アメリカ「え?クソコミー聞いてねえの?」


中国「クソは余計アルよ…で、何アルか?」


ソ連「…いや、ただの噂なんだけど…。」


珍しく、ソ連が言いにくそうに言った。


ソ連「……」



ソ連「近くの川で誰かが落ちたとかいう_」


その瞬間、椅子からガタッと立ち上がる音が、教室内に響いた。


中国「…っ」


アメリカ「えっ、ちょっと?!

どこ行くんだよ中国ー!!?!」


ソ連「……」






以上、第4話でした!


めっちゃ長くなってしまって申し訳ありません…

次回はこの回想シーンの続きから始める予定です!

愛せない私は愛される

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

141

コメント

2

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚