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勇斗side
❤️「なんか柔から勇ちゃんの匂いがする」
グループの最年少大型犬である舜太が言った。
新曲のMV撮影の合間、YouTubeショート動画を撮っている最中舜太が柔太朗に後ろから抱きついた。
首筋に鼻先をつけて匂いを嗅いで本当に犬みたいだ。
🤍「昨日勇ちゃんの家に行ったから…」
❤️「そうなん?家に行くだけでこんなに匂いうつるもんかなー?」
🤍「…しつこい」
なおも匂いを嗅ぎ続ける舜太の顔を押して逃げる柔太朗。
まぁ、詳しくは言えないよな。
柔太朗にくっついたまま今度は俺に絡んできた。
❤️「ねぇ勇ちゃん、何したの?」
「は?何って、何もしてねーよ…まだ」
❤️「えー?どういうこと?」
そう。
まだ何もできてないのだ。
柔太朗のドラマ撮影が終わって1ヶ月。
何回か予定を合わせたのだが 思いがけず邪魔が入ったり、 柔太朗が体調を崩したりして進展しないまま時間だけが過ぎていた。
一度そういう雰囲気になったこともあったけど
指を入れただけで苦しそうな柔太朗を見ていたら無理にしなくてもいいかなって気持ちになった。
キスもハグもするし、抜きあったりするだけでも十分気持ちいい。
メンバーのやり取りを見ていたグループリーダーの仁人に声をかけられる。
💛「勇斗、何かあった?」
「え?何もないよ」
💛「ふーん、そう。いいよ、じゃあ柔太朗に聞くから」
「なんで柔太朗?」
💛「勇斗はギラギラ雄のオーラが強いし、柔太朗はやらしいフェロモンがだだ漏れ…
太智は論外としても疎い舜太ですら何かを感じ取ってる」
この2人に何かがあったのは一目瞭然と言わんばかりに推理を展開する仁人。
そういえば、こいつは謎解きマニアだった。
「マジで何もないから」
💛「柔太朗ーっ!」
「…っ待って!」
肩を掴むと仁人がニヤリとしながら振り向いた。
…やられた。
💛「…なるほど、ね」
ひと通り説明すると仁人が考え込む。
「ごめん」
💛「…何に対して?」
「グループに迷惑をかける」
💛「それは…そうだね」
仁人はバッサリと言い捨ててから、真剣な顔でこちらに向き直った。
💛「…今の状況が、ね」
「…え?」
💛「正直、お前らが付き合おうがそれは問題じゃないんだよ。
そりゃ公になればファンの子は悲しむだろうけどさ。
でも今はそれよりもうまくいかなくて変に遠慮してる方がパフォーマンスに影響が出る」
「おっしゃる通りで」
💛「あのさ、勇斗って童貞じゃないよな?」
「はぁ!?ち、ちげーよ」
そりゃ男とは付き合ったことねーけど…
💛「なんかさ、遠慮しすぎなんじゃね?
こーゆーのって、男も女もあんま変わんねーと思うんだよね。俺は。
相手のことを思いやるのはもちろん大切だけど、時には勢いも必要ってこと。
柔太朗も男だし、案外同じ気持ちなんじゃねー
の?」
…そうかもしれない。
仁人の言葉がすとんと胸に落ちた。
「…サンキュ」
💛「次会うまでに何とかして来いよ」
グータッチしてから大きく伸びをすると仁人は出て行った。
一番こういう話に興味が無さそうなのに、マジでいいヤツ。
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続き楽しみです!